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最低な奴と最高な強盗

俺は最低だ。

クソみたいな奴だ。

肥溜め生まれとでも紹介しようか。

コルト・SAAを片手に荒野を歩く。

銀行の前で一休み。

流石に夏の日差しはきつい。

店が慌ただしく、騒ぎが起こる。

隣の扉が勢いよく開き、覆面の男たちが鞄を持って出てくる。

銀行強盗とは、実際初めて見た。

俺と目が合う強盗。

ホームレスで彷徨うだけの哀れな俺に、

銃口を向ける。

俺の血が騒ぐ。

腰のフロンティアに手が行く。

シングル・アクションの火花が散るか。

妄想を掻き立てる。

俯き、ふと目の前を見ると誰もいない。

強盗は亡霊なのか。

それとも、人間なのか。

銀行員が出てきて、俺を問い詰めようとするが、

一目見て使い物にならないと悟り、

伸ばした手を引っ込める。

そのまま去っていく。

立ち上がり、再び歩き出す俺に、二度と来るなと言わんばかりの厳しい眼差し。

汗してまた歩き続ける。

そろそろ酒が欲しい。

フロンティアは広く、果てしなく続く。

森の中の日陰でまた休む。

鳥が騒ぐ。

撃たなかったんじゃない。

撃てなかったんだ。

疲れ果てた俺にそんな気力はなかった。

だらんとした俺を見た強盗も撃たなかった。

最高な奴らだ。

どっかでまた会ったら今度はちゃんと撃ってやるよ。

その時まで、盗んだ金に目がくらんでいろ。

俺はまた眠りにつくから。

木にもたれかかり、木陰で、帽子を下げ、目を瞑る。

今はただ、休みたい。

夜になったらまた歩き出すつもりだ。

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