76話 注文する
クラスからの注文に、屋敷に帰ってきた私は、料理長のもとに向かった。キッチンの中に入ると、他の料理人たちは、料理を作っており、料理長が指示を出していた。料理長が私に気づき。
「お嬢様、帰っていらしてたんですね」
「ただいま、今帰ってきたところです。今日はお弁当をありがとう。みんな喜んでくれました」
「そうでしたか。お嬢様の創作料理は、私もいただきましたが、簡単なのにおいしい料理ばかりで、今度まかないに出そうと思っているくらいですよ」
料理長が笑いながら、私の創作料理をほめてくれる。
「実は、料理長、またお願いがあるのだけれども」
「何でございましょう?」
私は今日のお昼休みのことを料理長に話した。私の話を聞いて、料理長が目を大きく開ける。
「クラス全員分の弁当ですか?」
「はい、そうなんです。機会があれば、と言ったのですが、・・・」
「ちなみに、クラスの人数は?」
「30人です」
「30人ですか」
料理長が腕を組み考える。本当は、今日唐揚げを食べていない生徒の分だけでいいのだが、それだとまた取り合いになってしまったり、喧嘩に発展してしまうことにもなりえる。だから、前もって料理長にはクラスの人数を言った。
「明日・明後日は無理ですね。3日後でいかがでしょう」
「いいんですか?料理長」
「鶏肉や他の野菜を用意するのであれば、それくらいは時間がかかります。あと容器も用意しなくてはなりません」
「確かに、そうですね」
「それでは明日クラスの生徒に、そのことを伝え、欲しい人の人数を聞いてきます」
「聞かなくても、全員だと思いましよ」
笑いながら料理長が言ってくる。
「本当にありがとう。料理長。感謝します」
「あの、お嬢様、できれば一つお願いがあるのですが?」
「何ですか?」
「もし、まだ創作料理が他にあるなら、ぜひ教えてほしいのですが?」
私は少し驚いて、料理長を見る。
「私も一人の料理人です。新しい料理には興味を惹かれるのです。先日、お嬢様の創作料理を食べましたが、今までにない独創性の料理で感動いたしました」
そう言ってくれる料理長には悪いが、前世の知識で作ったものなので、なんだかパクリで褒められている感じで、私としてはなんだかなぁ、といった感じだ。でも、そんな知識で喜んでもらえるなら、
「かまいませんよ。時間があるときにでも何か作ります」
「おおぉ。ありがとうごさいます。お嬢様。弁当はしっかり準備させていただきます」
私の答えで、料理長が張りきる。
部屋に帰ってきた私は、制服を脱ぎ着替える。それから、今日までに返してもらったテストを机の上に出し、机の引き出しにしまう。そこには中間試験のテストもあり、その上に置く。悪い点数ではないが、私の両親はあまり成績に興味がないのか、テストのことは聞いてこない。もし、尋ねられたときは、いつでも見せれるように置いているのだが。
夕食の時間になり、両親が待つ部屋に向かう。
「ルセリア、学園お疲れ様。試験も終わり、もうすぐ長期休暇に入るが、友達と何か約束はしたのかい?」
「いえ、まだ約束はしていません」
「そうか。実は陛下から、長期休暇に王子達に隣国から招待があり、ぜひルセリアにも一緒についていってほしいとお願いされたのだ」
「え、私がですか?」
そういえば、学園でアトランが聞いてきたような。
「私、一人ですか?」
「まさか、一人ではなく、行くなら私たちも一緒だよ」
「そうですね、王子達やルセリアはまだ12歳なんですから、保護者が一緒に行くのは当然ですよ」
それなら、行ってもいいかもしれない。この世界のことはまだそれほど知らないから、前世のやりたかったこと一つに‘‘もっといろんなところに行ってみたかった。‘‘という願いがあったから。
「でしたら、私、行ってみたいです」
「わかった。明日、陛下に伝えよう」
笑顔で父親のカイムが私に言う。
それから私は、両親に今日の出来事を話し、料理長にクラス全員の弁当を作ってもらう話しをすると、驚いていたが、すぐに笑い出し、母親のティアナは「私も食べたいです」と言いだす。楽しい夕食の時間がすぎていく。部屋に戻った私は、明日クラスのみんなに弁当の話はなんて聞こうか?と悩みながらベッドに入る。
そうだ。料理長からお願いされた創作料理も何にしようか?決めないと。手の込んだものは作れないし、簡単なものになるだろうが、何がいいか。いくつかの料理が頭の中に浮かび、頭の中で料理していく。2品くらい作り終えた時点で、考えるのをやめ眠りについていた。
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