71話 アロマキャンドル
王妃の部屋には、多くのプレゼントが並んでいた。何個あるのか、わからないくらいの数、王妃は気にせず、私たちを迎えてくれた。
「母上、僕たちからのプレゼントです。受け取ってください」
「母上、お誕生日おめでとうございます」
「お母様、おめでとうございます」
「「「おめでとうございます」」」
王子と王女が前に並び、私たちは後ろでお祝いの言葉を言う。
エクリシアはきれいなバラの花束を持っている。そして、アトランとロベルトはおしゃれな箱を持っている。それを王妃に渡す、箱が気になった王妃は
「開けてもいいですか?」
「「どうぞ」」
王妃が箱の中を開けて中を見ると、
「ロウソク?ですか」
「アロマキャンドルです。母上、」
「アロマキャンドル?」
「はい、アロマオイルやエッセンシャルオイルなどで香りをつけたキャンドルです。ルセリアに母上へのプレゼントは何がいいか相談したのですが、ジュエリーやドレスなどは他の方々がプレゼントするから、もっと別のものをと」
王妃が私のほうを向いてくる。私は王妃にアロマキャンドルについて、説明していく。
「アロマ、つまり香りなのですが、気分が晴れたり、深いリラックス効果をもたらす香りや花粉症や食欲不振などの体の不調を改善へと導いてくれる香りなど、様々な香りがあります。自分にあった香りを選び、後はその精油をろうに混ぜ固めるだけなのですが、今回は王妃様へのプレゼントということもあり、綺麗な花を一緒に固めてみました」
私の説明を受けて王妃が箱からアロマキャンドルを一個取り出すと、
「きれいなキャンドルですね」
白く固まったキャンドルの間から綺麗な花が現れ、そこだけ時が止まっているかのようにキャンドルの中で咲いている。王妃はとてもうれしそうにされていた。
「今回は二種類のアロマキャンドルを用意しました。アトラン様が渡したキャンドルは、【ラベンダー】の香りのものです。【ラベンダー】には「心身の緊張」をほぐす効果に加えて、「抗菌」や「免疫力向上」の効果も高いと言われています。就寝前に使用することで、心安らぐ香りが質の高い睡眠へと誘ってくれるでしょう。」
「そして、ロベルト様が渡したキャンドルは【グレープフルーツ】と【レモン】の香りのものです。フレッシュでみずみずしい香りは、気分をスッキリとさせる効果に優れています。仕事で気分転換される時などにお使いください」
私が説明を終えると、王妃は私たちのほうを向き、そして、自分の子供のほうに向く。
「ありがとう。今までで一番の誕生日プレゼントです」
王子たちと王女を抱きよせ、親子ともに抱きしめあった。
後ろにいた私たちは3人で顔を合わせ、言葉は出さなかったが、上手くいったことをお互いの顔で確認しあった。
王妃様へのプレゼントも終わり、私たちは王子達と王女に馬車までの道を共に歩いていた。
「母上もすごく喜んでいました。皆さん、本当にありがとうごさいます」
アトランがみんなにお礼を言ってくる。
この3週間王妃のプレゼントのために、色々みんなで工夫してアロマキャンドルを作った。材料探しから、作り方を私がみんなに教えていったが、難しくはないため、みんなすぐに作れてしまった。ただ、そこから、もっと華やかさが欲しいや、香りはどんなものがいいかで時間がかかった。綺麗な花を入れようという案はステラとシルフィの案だ。そして、香りは、王子達から王妃の様子を聞いて、私が選んだ。みんな香りの効果に興味津々だったから、今度作るときには、また別の香りについて教えてあげようと思う。
「本当にありがとうございました。このお礼は必ずします」
「母上があんなに喜んでいる姿は久しく見てなかったからなぁ」
「お姉様、皆様、本当にありがとうございました。次からはわたしも誘ってくださいね、絶対ですよ」
エクリシアは今回仲間外れだったことが、腑に落ちないようで、ちょっと怒っている。
「はい、絶対、お誘いします。エクリシア様」
「今度はもっといいものを作りましょう」
「私は、違う花を入れて、季節ごとのアロマキャンドルを作りたいです」
私とステラとシルフィはそれぞれの家の馬車に乗って、屋敷に帰っていった。
王妃は次の日からプレゼントのアロマキャンドルを使い始めた。眠るときや仕事をしているときに使い、香りにより、眠りや疲れの状態がよくなり、体調も改善していった。王妃は友人たちにアロマキャンドルの話をし、「私も欲しい」と友人達が王妃に尋ねる。そんなこともあり、貴族社会の中でアロマキャンドルブームが起きることになんるのはまた別のお話。
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皆さんはアロマキャンドルと聞いて、どんな香りを思い浮かべますか。お好きな匂いをぜひ、私に教えてください。感想やコメントなどで待っています。時間がある方は評価をよろしくお願いいたします。この作品が面白いと思ったら、ぜひ友達にも教えてあげてください。




