63話 絶望して
数日が立ち、今日は試験結果が張り出される日だ。私たちは、張り出されるのを今か今かと待っていた。学園での初めての試験ということもあり、みんな集まってきている。順位が高い上位50位まで生徒の名前と点数は表示される。それよりも低い順位の生徒の名前は張り出さない。
テストは、これから各授業ごとに返される。後は自身で、合計して今自分がどの位置にいるのかを理解するというものだ。
先生が大きな紙を丸めて持ってくる。壁の高い位置に固定し、丸まった紙が下にころがっていき、試験結果が表示される。
1位・・・アトラン・フォン・ユースティア 495点
2位・・・ロベルト・フォン・ユースティア 493点
3位・・・ステラ・アルテミス 485点
4位・・・シルフィ・ミネルヴァ 482点
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10位・・・リーネット・パーシー 466点
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42位・・・ルセリア・アストライア 436点
良かった。50名の中に入っていて安心した。上位のみんなはすごいなぁ。流石苦手科目がない人たちだ。周りの生徒は喜んだり、悔しんだり、安心したりと様々だ。
私たちは、クラスに戻ったがまだ試験結果の話が続いていた。
「負けましたわ、アトラン様、ロベルト様、次回は必ず私が1位を取ってみせますわ」
「僕は負けませんよ。次回も僕が必ず1位を取って見せます。実力を証明するためにね」
アトランはステラだけでなく、ロベルトにもかをお向けて宣言する。
「俺もぜってー、負けねえからな、次はからず、1位を獲る」
上位三名は、早くも次の試験に燃えていた。
「リーネットさん、すごいわね。10位なんてすごいわ」
「いえ、私なんてまだまだですよ。一生会のメンバーとしてもっと、上を目指さないと」
「ぜひ、次回も勉強会で問題を出し合って、お互いがわからないことを理解していきましょう」
リーネットとシルフィが笑顔で話している。
私は話に入らず、ただ座っているだけ、やっと試験が終わったのに、また試験の話をするのは、どうなのと思い話に入れないでいた。
各授業でテストを返され、放課後になる。私は帰ろうと荷物をまとめていると、
「ルセリア、これから一生会のメンバーとで会議なのですが、見学していきませんか」
「私がですか?でも、私はメンバーではありませんよ」
「ええ、わかっています。しかし、一生会の会議をどのように行われているのか、気になりませんか?」
「いえ、私はいいです。」
「・・・。そうですか?」
「また、フラれたな、アトラン。早くいくぞ」
アトランとロベルト、リーネットが一緒に部屋を出ていく。
私は、ステラとシルフィと三人で廊下を一緒に歩く。前方から三人の生徒が歩いてくる。二人が貴族で一人が庶民の生徒だ。仲がいいわけではなく、庶民の生徒はひきつった顔をして共に歩いている。まるで、連れていかれているようだと思った。
私達は校庭に出ると、一生会が会議をしている部屋を眺める。
「どんな会議をしていると思いますか、ルセリア様、ステラ様」
シルフィが笑顔で聞いてくる。
「まぁー、二生会と三生会の会議よりは有意義な会議をしているのではないかしら?」
「そうね。きっとそうでしょう」
私は頑張っているアトラン・ロベルト・リーネットが頑張る姿を思い浮かべ、会議をしているクラスを眺め笑顔になる。そして、前を向き学生寮が眼に入る。
不意に、私の眼が熱くなる。魔眼が発動するときの状態だ。
「なんで、庶民のお前が俺たちよりもいい成績取ってんだよ。ああー。」
「俺なんて、数学赤点だったわ。マジで!腹立つわ」
「僕は勉強しかないから、勉強を頑張って・・・」
「だから、勉強しかない、お前が俺たちより目立ってんのが気に入らないんだよ、マジで!消えてくんない」
「ああそうだ、お前、俺の領地の庶民だったなぁ。親父に言ってこいつの両親が仕事できないようにしてやろうかなぁ」
「両親は関係ないです。お願いします。妹もいるんです。どうかお許しください」
「じゃあ、消えてくれよ、俺たちの前から今すぐに」
場面が変わる。ここは屋上か?
「ごめんね。父さん母さん、サラ、兄ちゃん勉強しかないのに、その勉強でもみんなに迷惑かけることしかできないみたいだ、ほんとにごめん////」
男子生徒は泣きながら前に一歩一歩進んでいく。
「この世界は、救いがないよ。さよなら」
男子生徒はその言葉を最後に屋上から飛び降りた。
ハーハー、私は息を切らしている。
「ルセリア様どうしましたの?」
「ルセリア様しっかりしてください」
二人が私のことを心配してくれる。
どうしよう。ステラは予知の魔眼のことを知っている。でもシルフィは知らない。
「ルセリア嬢、そなたが平穏を望んでいるのは以前聞いた。私もできる限り、その思いを組みたい。今回はまだ規模が小さい村でのことだったため、噂は広まらないだろうが、もしこれから先、もっと大きな規模になった場合、私とて庇いきれるものではない。そのことを忘れないでくれ」
以前に言われた陛下の言葉が頭をよぎる。
でも私は、今はそんなこと考えている場合じゃない。
「ステラ様、シルフィ様、協力してください」
私はシルフィに予知の魔眼のこと、そして今みた予知の話をする。
二人は驚くが、頭のいいステラがすぐに役割を分担する。
ステラとシルフィは別の場所に向かう。
「必ず、救います」
私は学生寮の屋上に向かって走りだした。
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