5話 朝食
朝食は父親と母親と食べることになっている。
「おはよう、ルセリア」
「おはようございます!ルセリア」
メイドに案内されながら、両親が待つ食堂?台所??に来た。大きな屋敷なので、広い部屋なのだろうと予想はしていたが、予想以上に広い部屋で私のことを待っていてくれた。少し緊張した声で、
「おはようございます。お父様。お母様」
お辞儀をし、机の上に食事が置いてある席を探し、そこに向かい歩き出す。私が椅子に座ると、
「それでは、いただこう」
「はい」
「いただきます」
朝食は米食ではなく、パン食で、マナーに少し困るも、父親と母親の食べ方、ナイフやフォークの使い方を見て真似をする。
出された食事は、前世で私が食べたことのない料理だった。パンも食パンではなく、クロワッサンのようなパンだ。そして、サラダとスープが並べられている。サラダはドレッシングがかけられているが濃いわけではなく、さっぱりしている。新鮮なため、しっかり野菜としての歯ごたえも残っている。スープはコップではなく丸皿に注がれており、スプーンですくって飲むと、コンソメ?のような味がする。しかし、その中に何かの肉?のような味もしている。
どれもおいしい。
しばらくの間、食事をしていると
「もう身体は、平気なのかい」
と父親が尋ねてくる。
「は、はい!!お父様。もう大丈夫です」
少し慌てて私が返事をする。
「ご迷惑かけたようで、申し訳ありませんでした」
「記憶のほうは、まだ戻らないか」
「はい!すいません」
父親も母親も表情が少し曇るが、
「ゆっくり思い出していくといい、私たちは家族だ。ともに支えあっていこう」
「そうですね」
「ありがとうございます」
また、しばらくの間食事をし、終える頃に私から両親に尋ねる。
「お父様もお母様も、お身体のほうは、大丈夫ですか」
「・・・ああ。私は平気だよ」
「ええ、私も平気よ。ルセリアの熱も下がって安心したから、昨日はよく眠れたわ」
私は二人の顔色を見て、嘘は言ってないと思い。
「よかったです」
と安心する。父親はともかく、母親のティアナは昨日、大分顔色が悪かったから。私は立ち上がり、母の前に進む。腕を握ろうと手を伸ばし、指を手首の近くに置き確認する。脈診だ。動脈の流れる皮膚の上に指をあて、脈が正常なのか確認する手段の一つだ。介護の仕事をしていた時は利用者の方によくやっていた。時計がないため、心の中で10秒間数える。そして、その間に打った脈の数×6で一分間のだいたいの脈の値がわかる。脈が72だったため、安定していると思い、私は手を放す。
「随分と、おしとやかになりましたね。私は以前の少し我儘なルセリアも好きですよ」
と笑いながら母親が言う。心配で手を握ってくれたのかと思っているようだったが、
「???。私は我儘だったのですか」
「ええ。覚えていないなら仕方がないですが」
「そうだな。確かに以前のルセリアは我儘といえなくもなかったかな」
私を見ながら、二人とも笑う。
以前の記憶がない私は何と言っていいのかわからず。微妙な笑顔を作る。そして食事が終わり、両親も私も部屋に帰っていった。
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本当は食事を終え、しばらくしてから脈診などはするのですが、申し訳ないです。
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