32話 静止の魔眼
しばらく、騎士様と歩いて、私は思っていたことを口にする。
「騎士様は、王子達の生誕祭の日に起きた事故で馬車の前に出て、馬を転ばせた騎士ですよね」
「・・・、はい、そうです。いつ、気が付かれたのですか」
「先ほどの男が私たちに向かって走ってきた時です。同じように思えたので」
「なるほど」
「聞いていいですか?・・・、何をされたのですか」
私の質問に騎士は息を吐く
「・・・魔眼ですよ。自分が持つ静止の魔眼です」
「静止の魔眼?」
「視覚の時間的な精度を上げて「良く見える」ようにしている状態になるんですよ。時間精度 を上昇させる魔眼です」
「できれば、他言無用でお願いします。騎士団では、ほとんどのものが知っていますが、できれば知っている人は少ないほうがいいので、予知の魔眼を持っているあなた様ならわかるでしょう?」
驚き、青い眼と騎士様の琥珀色の眼が合う。
どうしてそのことを知っているのか?そのことを知っているのは、あの日王族の方たちと会った時、部屋の中にいた人達だけだ。
少し考えて、答えを導いていく。
「国王陛下ですか?」
「正解です」
と少しうれしそうに答えてくれる。
「国王陛下から信頼されている騎士団長が自分の父なのですが、その父から事情を聴き、この護衛の任務を受けました。絶対にあなたを守るようにと」
答えを聞き、国王陛下に対し、すこしむっとするが、私のことを思っての采配なのであきらめる。
「しかし、さすがは予知の魔眼を持つ御方ですね。罪人であっても救おうとされる、先ほどの行動を見て、まさしく聖女の行動だと思いましたよ」
楽しそうに騎士は話してくる。
「私は、聖女では。ただ、ほおっておけなかっただけです」
「そうであっても、同じ行動ができる人間がどのくらい、いるでしょうか?」
以前のルセリアは聖女を夢見ていた。でも、私は・・・。
「すいませんが、騎士様、私が男の方を整復、、、なおしたことは秘密にしてください」
「・・・わかりました。ルセリア様の御心ののままに。それでは、自分の魔眼のことも秘密で、あと国王陛下のことも、ばれたら私が怒られますので」
私と騎士様はお互いに顔が笑顔になり笑い出す。
「あと、ルセリア様、自分のことはメシスとお呼びください」
「わかりました。メシス様、午後の護衛もよろしくお願いします」
今日一番の目的場所に向かって、歩きだした。
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