28話 犬猿の仲
屋敷に帰ってきた私は‘一生の友達‘ではないく、‘生涯のライバル‘が出来てしまったことに、ずっと、うれしいような、恥ずかしいような、楽しいような、どうにも言えない感覚を抱いていた。ルセリアとしての以前の記憶がないため、これまでルセリアがどのような人間関係を作ってきたのかわからない。
ルセリアのノートを呼んだが、
{お父様とお母様と、パーティーに出かけました}
{きれいなドレスを着て、みんなが私のほうを見ていました}
{食べたことない、食事が出てきて、最初は驚いたけれど、食べてみると、とてもおいしかったです}
{かっこいい男の子がいました。男の子が話かけてくれるまで、待っていましたが、話しかけてはくれませんでした}
{私よりもきれいな服をきている女の子がいました。今度お父様にお願いしてもっといい服を買ってもらう}
という内容が多く、ルセリアの友達のような存在は書かれていなかった。この国では、12歳まで貴族は、専属の家庭教師や先生を招き教えてもらう。そのため、私の前世の小学校のようなものはなく、子供だけで交流する場が少ない。今日のお茶会で私のように一人グループだけの子が何人かいたが、12歳くらいになれば、性格や思考も自立してくる。私の世界で言えば、反抗期や難しいお年頃の時期になる。
もしかして、ルセリア!友達がいないことに絶望して、と3冊目のノートのことを思い出し考えたが、それはないだろうと思う。公爵令嬢ということもあり、学園に行けば何かしらの注目は受けるし、いじめや仲間外れのようなことも多分起きない。自分で言うのもなんだが、少なくとも友達はできると思う。
その夜、両親との夕食のとき、お茶会でのことを話した。ステラ様にライバル宣言されたと。‘一生の友達‘はできなかったが、‘生涯のライバル‘が出来たと。
「そうですか。アルテミス侯爵の令嬢がそのようなことを」
母親のティアナは笑顔だが、なぜかその笑顔が怖い。
はーー。と父親のカイムがため息をはく。
前からティアナとアルテミス侯爵夫人の中が犬猿の仲だと言ことは知っているが、女の戦いに男であるアストライア公爵もアルテミス侯爵も口は出せない。静観して見守るくらいだ。実際パーティーなどに参加し、顔を合わせたときは、龍虎のように向き合う夫人を後ろに、すべてを諦めたアストライア公爵とアルテミス侯爵の姿があった。
「ルセリア、学園では決してステラ嬢に負けてはなりませんよ」
いつもは優しい母親のティアナの性格と口調が変わっている。ライバルの存在というのはこれほどまで、人を変えてしまうのか?自分も将来こうなるのかと、まだ12歳? の私は将来が少し不安になった。
同じ時間帯にアルテミス侯爵家の夕食でも似たような状況だったことは、ルセリアは知ることはなかった。
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