23話 新たな覚悟
夕食で、両親と一緒に食事を摂っているが、食欲がわかず、食事が進まなかった。
「ルセリア、どうしたんだね」
「ルセリア、大丈夫?」
私の様子を心配した両親が声をかけてくる。
「少し、気分がすぐれないので、すいません」
両親がお互いの顔を見てまた私を見る。
「一か月前のルセリアとそっくりだったから、心配してしまったよ」
「えぇ、そうね、一か月前のルセリアも同じような表情だったわ」
「え、?そうだったんですか?あの、その時、私は何か言っていなかったですか」
「いいや、理由は聞いても話してくれなかったよ。無理な笑顔を作って、大丈夫です、と」
「そうですか」
それからおよそ5分くらい無言の時が過ぎる。
「少し聞いていいかい?ルセリア」
「はい、なんでしょう」
「いつ、自分に予知の魔眼があると知ったんだね」
これは以前の私が、、ということだろうか、それとも今の私が、、というとだろうか。なんと言っていいのかわからないため、
「・・・、わかりません」
「・・・、そうだったね、高熱でそれまでの記憶がないんだったね」
私の眼を真剣に見てくる。おそらく、私が嘘をついていないか、確認しているのだろう。親バカでも公爵、人を見る目はあるのだろう。
父上は一度目を閉じ、深呼吸する。
「ルセリア、ありがとう」
「えぇ。なんですか、いきなり」
「憶測になるかもしれないが、私たちや使用人に我儘なことをしていたのは、もしかしたら、私たちを助けるためだったのではないかと、ルセリアが予知の魔眼を持っていると知った時思ってしまってね」
そして、両親は優しい笑顔で
「ルセリア、私たちを助けてくれて、本当にありがとう」
「ありがとう、ルセリア」
とゆっくり、お辞儀をされる。
両親の姿が映る眼から気が付けば、涙が出ていた。なぜかは分からないがとても切ないような、うれしいような気持になる。今まで、自分一人で頑張って、みなに我儘と言われながらも、、助けていたことに感謝された、それがどれほどうれしいことだったろうか。たぶん私が今涙を流しているのは、私ではなく本当のルセリアなのではないだろうかと、私は思った。
食事か終わり、自室に帰ってくる。食事前の不安や恐れの感情は今はない。
そうだ。たとえ、どんなにつらいことが待っていようと、私の生き方は変わらない。長生きしたい、恋がしたい、誰かを助け笑顔にしたい。それだけは、絶対に変わらない。
「ルセリア、私、絶対に負けないから、みていて」
と私の覚悟を口にする。
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