2話 救いたい
眼が熱くなり、何かの映像のようなものが映る。
屋敷の廊下を父親と母親が歩いている。
「本当によかったわ。ルセリアが目を覚ましてくれて」
「ああ。そうだな。私たちのことを覚えていないと言っていたが、高熱のせいで、、、いや、たとえ私たちのことを覚えていなくても生きていてくれされすれば、、それだけでいい」
「そうね。私とあなたのルセリアが生きていてくれれば」
母親の表情がすぐれない。
ルセリアの看病でだいぶ疲れていたため息も少し荒く。父親と同じ速度で歩いていたが段々とスピードが遅くなっていく。そして、屋敷のロビーの階段を降りようとしたとき「キャァッ」という言葉が響く。
先に降りていたカイムの横をティアナが横切り落ちていく。ティアナが1階で止まると、カイムは目を見開き
「ティアナァァァーーーー」
カイムの声が屋敷に響いた。
急いで階段を降りティアナに駆け寄るが、頭から血が滲み、返事がない。
「ティアナ、ティアナ、目をあけてくれ、頼む」
悲鳴を聞き、近くにいるメイドや執事たちが集まってくる。
何度も話しかけるがティアナから返事はなく。カイムはティアナを抱きしめ涙を流し
「ああああああぁぁあぁぁぁああぁ。」
カイムの声が一度目よりも大きく屋敷に響いた。
「奥様ー」
「奥様、しっかり」
「早く医者を」
はっ。。私は何度も瞬きをする。
今の何?
眼の周りを手で触ると、
「眼が熱い、なにこれ?」
目の周りが熱くなっていることに気が付く。でも今はそんなことよりも、先にみた映像について考える。
私の父親と母親の夢でも見たのか、と思ってしまうが今の映像はリアルさがあり、とても夢とは思えなかった。
居ても立ってもおられず、急いで部屋を出ようと走り出す。
ただの夢ならいい、しかしもし本当に現実として起こる正夢のようなものなら、‘救える命を救えるのなら‘私は助けたい。
バターーーーン
力強く扉を開け、先ほど窓から屋敷の形は見ているため、屋敷の中心に向けて足を走らせる。思ったよりも体が小さいのか、スピードが出ない。さらに高熱で何日も動いてなかったのか、重心がうまく取れず、何度もこけそうになり、
「あ!」
右足首を捻ってしまった。
「痛っ、足が!」
痛みと疲れで、上手く息ができない。
「ティアナ、ティアナ、目をあけてくれ、頼む」
さっきみた映像で父親の言ったセリフが頭に浮かぶ。
助けなきゃ。助けなきゃ。助けなきゃ。助けたいだから。
手を強く握り、足に再び力を入れて懸命に走りだす。途中、すれ違うメイドや執事から
「お嬢様!」
「どうされました?」
何度も言われたが気にしている余裕はない。
「ハァー、ハァー、まだ見えない」
夢中で走っていると、父親と母親が歩いている姿を見つける。
夢?と同じで母親は少し父親よりも離れて歩いていた。そしてあと数mで階段がある。私はできる限り大きな声で
「お母様ぁぁぁーーー」
と叫んだ。私の声で二人は歩くのをやめ、私のほうを見る。息を切らせた私と目が合う。
少しの間お互いに無言になる。
母親が階段ではなく、私のほうに向かって歩き始める。
その行動を見て息を整えながら私は救えたのだという思いに涙がにじんでくる。そして母親に駆け寄り抱きしめる。
「ルセリア!大丈夫ですか?」
驚いた表情をするが母親も同じように抱きしめてくれる。
泣きながら私は救えたんだ、救えたんだと心の中で何度も思い。母親が抱きしめる力よりも強く抱きしめかえした。
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