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130話 肉ばかり食べていると

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これからも、よろしくお願いいたします。

運ばれてきた肉料理を食べる獣人たちを見てステラは唖然としていた。無理もない、私も今朝獣人達が食べるのを見たときとても驚いたのだから。私たち2人の視線にお構いなく「うまいうまい」と言いながらワイルドに食べていく獣人達。中にはフォークを使い礼儀よく食べる獣人もいた。しばらく獣人たちの食べ方に、驚いていたステラだが、だんだんと慣れてきたのか、表情が変わっていく。そしてその視線は、獣人達から食べてる皿に目がいく。


「獣人って、野菜を食べないのですか?」


疑問に思ったことをステラが訪ねてくる。サラダやパンなどの穀物がなくても肉料理には、もちろん付け合わせに野菜などは添えられている。しかし獣人たちは添えられている野菜さえ食べていない。本当に肉だけしか食べていないのだ。


「そのようですね。昨日の歓迎パーティの時でも肉以外は全て残してましたから」


私がそう答えると、ステラは目を見開いて


「まさか食生活が問題なの?」


ステラが犬獣族の問題の原因を導き出す。


「.......おそらくですが」

ステラの答えに私も同意する。


本当にそれが原因かはまだわからないが、それでも食生活が問題になっているのは確かだと思う。前世の知識で肉ばかり食べてる生活をしていると、様々な病気なることを学んで知っている。心疾患、大腸がん、脳梗塞、糖尿病といった大きな病になる可能性が高いことを。

そして、野菜などをとらないために起こる身体の不調を。

獣人の身体のつくりが人間とどれだけ違うのかは分からないが、衣装が縄文人の衣装だから・・・

確かテレビで縄文時代の人間は平均寿命が20~30歳くらい、平安時代の人間は30~40歳くらいって言っていたかしら。寿命の原因が食生活だけではないと思うが、食生活は深く関係していると思う。


ステラが獣人たちの様子を少し睨んだ表情で見ていたが、特に注意する様子もなく、静かに食事が終わるまで眺めていた。そして、獣人たちの食事が終わると、


「ルセリア様、行きますよ」

と言って、私の手を引いて、部屋から出ていこうとする。突然手を引かれたので、「ちょ、ちょっと!ステラ様」というが、気にする様子もなく、部屋から出て最初に案内された部屋に戻ってくる。部屋に入りステラが手を放してくれる。そして、腕を組んだステラはソファーに座り、私もしばらくしてから向かいに座る。




しばらくして、ステラが口を開く。

「考えられる可能性ですが・・・・」


ステラは自分の知識や魔眼から獣人たちについて、考えられることを話していく。

肉ばかり食べていると、

1. 骨が弱くなる (肉類の食べ過ぎで動物性タンパク質を過剰に摂取すると、カルシウムの排出を促してしまう)

2. 腎臓結石 (動物性タンパク質の摂取により、シュウ酸や尿酸などの物質が体内に増える)

3. 疲労感 (肉ばかり食べていると、消化に時間がかかるため、胃腸が疲れる原因になります。また、肉を消化するためには多くのエネルギーが必要)

4.脱水症状(肉類を多く食べると、いつもより喉が渇くように感じることがあり、尿酸が増えた結果、腎臓がその有害老廃物を薄めるのに多くの水を必要とする)

5.頭痛 (血液が濃くなり、その結果、脳への酸素の流れが悪くなる)


ステラは指を折りながら、勉強し身に付けた知識を私に話してくる。ステラの話を聞きながら、私はステラが本当に本気で医師を目指しているのだと改めて思った。まだ12歳なのに、これだけの知識がある。将来が楽しみだと親ではないが、親目線でステラを眺めていると、私の視線に不満を持ったのか


「ルセリア様はいかがですか?」

と今度は私に意見を求めて来る。


「私もステラ様と同じ意見です。なので、今からどうすべきか、考えていきましょう」


ステラは私の言葉に頷き、二人でこれからどうしていくかを話し合う。





それから、一時間は二人で話し合い。お互いに納得できる答えを導き出していく。

やることが決まるとステラはすぐに行動に移す。

外にいる従者に「陛下はどこですか?」と尋ね、従者が困った顔で「わかりません」と答えると、「探しなさい。そして私たち二人から進言したいことがあるので、時間を作ってくださいとそう伝えてくださらない」。従者は「え、えっと?」としどろもどろになるが、ステラの真剣な顔に「か、確認にしてましります」と慌てて廊下を走り出す。


伯爵令嬢のステラだがまだ12歳の少女なのに大人の従者に命令している。私は感心しながらその様子を眺めていた。




やがて、従者が戻ってきて、陛下が待っていることを伝えてくれると。

ステラが今度は私の方を振り向いて。


「行きますわよ、ルセリア様」

ソファーから立ち上がり、私に手を差し伸べて来る。


「ええ、行きましょう。ステラ様。陛下の元へ」

差し出された手を握り、私もソファーから立ち上がる。

自信に満ちた眼でお互いに見つめ合い、私たちの考えを陛下に進言するために、そして、犬獣族の問題を解決するために、私たちは互いの手を握りしめ陛下が待っている部屋に向かった。








最後まで読んで頂きありがとうございます。面白かったなら高評価ポイント、あまり面白くなかったら低評価ポイントをよろしくお願いします。




ブックマークと感想もよろしくお願いいたします。m(__)m

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