poisson-rougeでフレンチを:大井町
北海道在住の作家の友人が東京に来るというので、飯でも食おうという話になったのである。
軽く作家オフ会でもということで埼玉の方と、ここ大井町在住の方と私の四人で会うことになったのだが、どこで食事をしようかという話になったのだ。
北海道の彼女は羽田からの移動であり、バスで大井町まで出るのが楽ということで、大井町でランチということになった。
やはりここはせっかく地元の人がいるのだ。聞いてみるのが良い。
「大井町で何か良い店ない?」
そう尋ねると流石である。すぐに何店か挙げてくれた中で、今回はpoisson-rougeという店に行くことにした。
予約が必要な人気店だが、カジュアルなフレンチの店、つまりビストロであるという。
私はその場の気分で飯屋を選ぶタイプなので、予約が必要な店に行くことは極めて少ない。大井町はたまに行くが、この店には自力ではまず辿り着けないということであり、このランチはかなり楽しみにしていた。
バスロータリーの南、阪急ストアの裏手にある店である。このあたりは飲食店が立ち並んでいる。今回調べて初めて名前を知ったが、大井三ツ又商店街という並びであるらしい。
平日の昼であったが、人通りの多い道ではない。九月下旬になるというのに暑さの残る日というのもあったからだろうが。
さて、ランチの注文はメインディッシュ+前菜かメインディッシュ+スープ、あるいは両方をつけるという形であった。
そしてそれぞれに何種類か選択肢があり、好きなものを選べるという形。
メインに前菜をつけるなら2000円を切ると手頃な価格だが、やはりせっかくなのでとスープと前菜、メイン料理後にデザートとドリンクまでつけてしまったのである。
今回注文したのは以下の通り。
スープ:トマトのガスパチョ
前菜:エスカルゴのブルゴーニュ風
メイン:牛肉のハンバーグ網脂包み焼き
デザート:ゆず風味のチーズタルト
どれも美味かったが、ハンバーグはこの店のランチの名物であるということで頼んでみたものである。
マッシュポテトの上に鎮座する、表面が硬めで中に肉がみっしり詰まったハンバーグ。少し崩れやすいが、それをソースやポテトに絡めて食うのがまた美味い。人気あるハンバーグ専門店など行ったこともあるが、個人的には正直それより美味いと感じるものであった。
お洒落な店に行くと料理が小さく盛られていて物足りないこともあろうが、この店のものはしっかりとしたボリュームがある。
ボリュームに関してはスープや前菜のエスカルゴにパンがついているのもあるな。たっぷりのパセリやガーリック、エシャロットの溶けたバターをパンで拭うようにして食べるのは冒涜的に美味いと分かっているのだから。
なるほどまた行きたくなる店だ。例えば北海道から来た作者さんはメインディッシュに牛の頬肉を食べていたが、あれも見るからに美味しそうであったし、メインディッシュにトリップ、牛の胃であるハチノスのトマト煮があったが、私はあれが好物であるのだ。次に行ったら何を食べようと思う店は良い店である。
オマケ
ちなみにその日の夕飯、北海道と埼玉から来たのは東京でローストビーフやらパフェやら食おうとしていたようだが、満腹で行く気にならなかったようであったので、以前にもこのエッセイで紹介した大井町の立ち食い寿司屋、いさ美に二人を連れていったのである。
あそこは寿司のサイズが小さいのだ。飲み屋を梯子するときに小腹を満たすのに最適といったような店だから。
六時半に店に行けばカウンターにはすでに三人組と二人組がついていて、あと二人なら入れるかなという風情。多分全員がこの店初めてだと入店が断られた気もするところであるが、私が階段に座って二人をカウンターに。
それぞれ寿司を一人前にサッポロビールの缶を片手に乾杯。
寿司をぺろりと平らげ、刺身の盛り合わせまで追加で注文して、さらっと退散するのである。
実に満足の一日であった。
poisson-rouge
ガスパチョ
エスカルゴ
ハンバーグ
ケーキ








