過橋米線で過橋米線を:末広町
今日は秋葉原に、友人である豆田麦先生の新刊、『給食のおばちゃん異世界に行く』を買いに行ったのだ。
発売日直前が多忙でフラゲ購入ができなかったのに、わざわざ秋葉原まで行った理由は、書泉限定で給食のおばちゃんコースターが有償特典として購入できるからである。
ちなみに先月は私の作品、『追放された公爵令嬢ヴィルヘルミーナが幸せになるまで』にも付属していた。
さておき今日は昼に時間が空いたので秋葉原に向かったのだ。書泉で『給食のおばちゃん』を購入して店を出たのは午後1時ごろ。
さて、昼はどうしようと思ったところであるが、実のところ先日入院した関係で少々食えるものが限られているのである。
少なくともがっつり肉や脂っこいラーメンなどはダメなのだ。
体調不良と言えばうどんやお粥であるが、うどんは結構食べ飽きているし、お粥は外食で食べるのは難しい。
中華粥ならあるが……と思ったところで中華うどんの店があったなと思い出したのだ。
それが過橋米線である。
秋葉原からはちと歩く。秋葉原駅と御徒町駅のちょうど中間あたり、地下鉄の末広町の駅のすぐそばである。
さて、店の名前が食べ物の名前と同じなので、今回のタイトルが間抜けな感じだ。カレー屋の名前が『カレー』であるようなものだ。
この末広町の店、『過橋米線』は中華料理の店である。正確には中国南部の雲南料理の店である。
過橋米線とは雲南料理の代表的な料理の名だ。読みはカキョウベイセン、中国語で読めばグオチャオミーシェンとなる。
米線とはビーフンに似た米粉による麺だが、もっと太く、乾麺にはしない麺である。店の前の看板には「米線は米粉のうどんです」と端的な説明があった。
では何が過橋なのか。この食べ物の由来は有名である。
雲南省のとある湖に浮かぶある小さな島では書生たちが科挙試験を受けるための猛勉強をしていた。
その中のある男の妻は食事を作って島へと運ぶのだが、橋を渡って彼が食べるまでのうちに冷めてしまう。ある時、鶏を鍋で煮込んで届けたところ鶏油が浮いていたために料理は熱さを保っていた。そこに米線を入れたところ、夫はとても美味しいと喜んで食した。
妻は度々この料理を作り、橋を渡って夫の元へ運ぶ。後に夫は科挙に合格し、妻の料理のおかげで合格できたと語られるようになった。
というものだ。
さて、店で雲南風過橋米線を頼むと、出てくるのはスープのみ入った丼、薄切りの生肉、ハムの載った皿、茹でられた米線がたっぷり載った器、葉物野菜やもやしの載った皿である。
私のTwitterを見ていれば、『給食のおばちゃん過橋米線を食す』と書きながら、それの横に『給食のおばちゃん』の書籍を並べた写真があるだろう。
店員は言う。「熱いからスープの器触っちゃダメだよ」と。
澄んだスープには油が浮き、熱湯を閉じ込めている。そこに肉をしゃぶしゃぶのように落とせば肉の色が桃色から茶色へと変わる。鶏のスープにハムの出汁が加わっていく。次いでそこに麺を投入、結構重さがあるのでスープの跳ねには気をつけて。最後に葉物野菜を入れれば完成である。
卓上で調理を完成させるのが過橋米線の作法である。
味はなんというのかな。鶏出汁ベースの清湯スープの塩ラーメン、その麺がもっちりと太いしたビーフンになっているようなものだ。
当然美味い。
卓上には自家製であろう辣油もある。
途中それを垂らして味変して食えばさらに美味い。
米の麺なので割とボリュームがあるというか、小麦より腹持ちが良いのも嬉しいところ。満腹して店を出たのであった。
渡橋米線
配膳時
完成形、給食のおばちゃんと一緒
ξ˚⊿˚)ξつまり『給食のおばちゃん異世界を行く』を買えってことよぉ!
ついでに『追放された公爵令嬢ヴィルヘルミーナが幸せになるまで』もよろしくお願いします!








