0099. 悲しいけど姫御子に就任
本日から本編の第二章が始まります。
3月以降、忙しくまだ二章が完了していないのですが、ギリギリまで今の週4更新のペースで行きますので、応援よろしくお願いします。
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父上と母上と引っ越し前の最後の夜の時間を過ごした後、朝からすぐに引っ越しをするという事は無かった。どうやら、私の姫御子としてのお披露目を家臣の前でしたあとに、堂々と私の新しい住まいとなる社、【安房稲荷大聖宮】への引っ越し行列を作って行くことになったらしい。
らしいっていうのも、当日の朝に、父上と母上に引っ越しの挨拶に行こうとしたら、たきにお披露目会と引っ越し行列の事をさらっと言われただけだったので、父上と母上に確認もしてないのだ。
なんか、昨日の夜お別れの挨拶をして、盛り上がった気分のまま、社に行こうと思っていたから、拍子抜けというか、気分が下がって、す〜んとした感じになっている。早めに移動したいが、せっかく、準備してもらっているのだから、おすましして終わらせて行こうと思う。
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結局、お披露目会はお昼前ぐらいから始まることになったらしい。家臣の集まりが出来てないからのようだ。
まぁ、部屋でのんびりと狐火ちゃん達と遊んで過ごしていたから、あまり時間は気にならなかったんだけどね。次は何をして、遊ぼうかと考えていると、氏兼が呼びに来た。
「姫御子様、お待たせしました。準備が整いましたので、広間にお越しくださいませ。殿と御方様と一緒に入っていただく事になりますゆえ。某と二郎太郎様は、先に入ってお待ちしております」
あぁ~、先に皆を待たせて、『殿の、おな〜り〜〜』とか言ってから部屋に入っていくパターンね。前に動画で見たことあるけど、本当にそんなことをするのね。ドラマの演出だけかと思ってたわ。
広間に歩いていくと、その手前の部屋に父上と母上がいた。私が来るのを待っていたよう。待たしちゃったようで、申し訳ないわ。
「父上、母上、お待たせして、申し訳ありません」
「姫御子様、お気になさらず。早速、これからの話ですが、最初に真里と二人だけ先に部屋に入って話をします。話が終わり次第、お呼びしますので、部屋にお入りいただきたく。
上座を空けておりますゆえ、そこにお座りになられたあとに、私に対して一言の声がけをよろしくお願い申し上げます」
父上が私を上位者のような扱いをしてきた。
悲しけどこれが姫御子なのね。こういうのに慣れていかないといけないのかぁ。あぁ~、ここで生活していたときが楽しかったなぁ。社に行くと皆、こんな感じになっちゃうのかな。なんか悲しいな。
先に父上と母上が広間に行って、10-15分くらいを経ったときに、何か遠くから、『姫御子様』と呼ぶ声がし、たきが部屋にやって来た。どうやら、ここで私が登場する出番になったようだ。
部屋に入ろうとすると、皆、頭を下げていて、真ん中に道があり、上座が空いていた。父上と母上も上座から降りて、脇に控えている。これは、本当に『殿の、おな〜り〜〜』って、状況だ。いやぁ~、恥ずかしい、さっさと歩いて、座っちゃおう。
座ると、父上が声をかけてきた。
「姫御子様、本日からの就任、誠に祝着至極にございまする。我が里見家一同、誠心誠意、姫御子様にお仕え申し上げます」
「「「「お仕え申し上げます」」」」
父上が私に仕えると宣言をすると、それに続いて、家臣の皆様も宣言をしてくれた。この10-15分で何をどこまで説明すると、こんなに納得してくれるのかしら、まぁ、父上と母上がみんなに、信頼されている証なのかな。
父上と母上の言う事には、付いて行くって感じなんだろうね。それと太郎兄ぃと一門衆として氏兼も父上の話に積極的に同意していただろうし。
そうじゃなきゃ、こんな短い時間でこんな感じにはならないでしょ。あぁ~、やっぱり、父上と母上は私の誇りだな。父上と母上の信頼と信用を汚さぬように、私も頑張らないと。ここは、しっかりと姫御子として、父上に一言声がけをしないとね。
「義実、真里。姫御子になる前に二人の子として、今までありがとうございます。お二人のおかげで、楽しく生活が出来ました。また、今までの宇迦之御魂神の御神託を実現するための様々な尽力、姫御子として感謝する。今後もそなたらの忠勤に期待するぞ。よろしく頼む」
ちょっと上からの言葉にしたけど、はぁ~、難しいわね。こういう立場は、小市民のモブキャには、難し過ぎる。
「姫御子様、御言葉、しかと承知致しました。我ら里見家一丸となって、姫御子様をお支えいたしまする。それでは、姫御子様、新たに住んでいただく社、【安房稲荷大聖宮】への移動をよろしくお願い致します」