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0097. 閑話・【氏兼】姫御子様!安房に何を作る気ですか

定期的に長く投稿しようと思いますので、ブックマークと☆、「いいね」で評価をしてくれたり、ゆるめの感想とご意見もらえると、嬉しいです!!

 近頃、わしは何をしておるのじゃろうな。京や大和に常陸に出向いては、人を探して、人を集めて、安房に連れてきたり、社を建てるために神社や寺に赴いて、宮大工と話をしたり、職人衆と門前町の町づくりの話をしたりと、わしは姫御子様と殿や奥方様のために武士としてではなく、宮司としてお仕えすることにしたはずじゃったのにな。

 今のわしは、連雀なのか、職人の親方なのか、武士なのか、何をしておるか、分からなくなったな。姫御子様が大きくなられたら、また変わるのかもしれぬが。はよう、このようなことは終わらせて行かねばな。


 そのような中で、今日は久しぶりに姫御子様にお会いして、話をすることになっておる。なんやら、殿からは町づくりについて、姫御子様が御神託をお聞きして、それを用いたお考えがあるらしく、そのお考えを町づくりに活かして欲しいとのことじゃったが、姫御子様には、そのような事まで御神託があるのであろうか。

 御神託のことについては、儂には分からぬ事ゆえ、信じる事しかないがな。とはいえ、かなりの御神託を授かっておるのであろう思われる。殿からのご指示は、儂だけでなく、二郎太郎様や光賀殿にもあるようじゃし、儂らに対しての指示はほとんどが御神託に絡んでおろうしな。

 ふと、色々と考えておったら、たきが儂のことを呼びに来たな。たきも御神託や姫御子様に戸惑いつつも、日々、お仕えしておる。たきの娘のまつも、姫御子様に驚きつつも、しっかりと侍女として動いていると聞いておる、このまま社が出来るまで、バレぬように生活してもらえるとよいのだがな。


「氏兼様、琴様の準備が整いましたので、ご案内致します。今日は、かなり時間がかかるかも知れないと琴様からお聞きし、中食ちゅうじきをご用意しますが、本日のご予定はいかがでしょうか」


「琴様との話し合いより優先するようなことは、今の儂には無いので、中食をいただこう。琴様が中食のご心配をされるとなると今日は、日が落ちるまで話を聞くことになるやも知れぬな。心して聞かねば、対応を間違えてしまうやも知れぬ」


「そうですね。氏兼様にどうお伝えすれば、上手く進むか、琴様は悩まれながら、紙にたくさん書いておられましたので、話を聞くと長くなるのは、間違いございませんよ」

 たきと廊下を歩きながら、斯様な話をしていると、琴様がお待ちの部屋に着いた。部屋に入ると、紙が部屋のあちこちに拡げられており、これは話が長くなりそうだと、先ほどのたきとの話を思い出しながら、気を引き締めた。


「姫御子様、氏兼、ご指示により参集致してございまする。本日は、門前町の街づくりについて、お話があるとのこと。何かお気に障る事がございましたでしょうか」


「氏兼、本日はわざわざご足労いただき、ありがとうございます。父上より、私の住む社とその門前町の街づくりに尽力されていることを聞いておりまする。気に障ることはございませんので、ご安心を。本日、氏兼とお話をしたかったのは、門前町の防災都市開発計画のことでございます」

 防災、都市、開発計画、姫御子様は、何をおっしゃられておるのだ。言葉は聞き取れるが、言っている意味が全く分からぬ。まずは、言葉の意味を理解せねば、話ができぬ。


「防災都市とは、いかような事でございましょうか。開発計画をおっしゃられたので、門前町の街づくりに関してのことだとは思いまするが」


「防災都市とは、街づくりの基礎の考え方になります。昔の奈良の都や京の都のように街づくり計画をしっかり作られる際に、防災、つまり、災害が起こりにくくする街づくりを考え、その考えに基づいて作られた街のことを防災都市と呼びます。

 今回は、新たに門前町を作られるとのことだったので、しっかりと防災都市としての機能が発揮出来る街づくりを氏兼と話をして決めたいと思いまして」

 言葉は理解できたが、そのような都と同じ様な造りをこの安房で必要になるのか。災害とは言っておられるが、海の波が来るか、火事ぐらいしかここでは起きることが無いじゃろう。

 何を姫御子様は考えておられるのだ。とはいえ、御神託があっての話であろうから、ここは姫御子様の話を聞いてから、どこまで行うか考えねばならぬな。


「なっ、なるほど。承知致しました。某には、その防災都市なるモノの全容がわかりませぬゆえに、姫御子様のお話をお聞きして、それを実現するように動き回ると言うことでよろしかと思いまする」


「たき、絵図をこちらに持ってきてもらえるかしら」

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