0089. 閑話・【氏兼】採用活動第二弾!畿内で仲間探し
GWなので、今週土日は更新します。
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鞍馬衆と飯母呂一族をこの間、無事に勧誘して、姫御子様の神領の民も少しはおるように出来たな。まだまだ足りぬとは思うが、光賀殿も甲斐で人集めをされておるので、あとは任せればよいかの。
オレも宮司として、社作りと神領を整えることもせねばならぬしな。とはいえ、今日、殿に呼ばれたのはなにゆえだろう。まだ社と門前町は作り始めたばかりで、話さねばならぬようなことは無いが。
「氏兼、参りました。本日は、何用でございましょうか」
「氏兼、先日は鞍馬衆と飯母呂一族の勧誘、大義であった。両一族とも、無事に神領とすべく平砂浦の地に向かってもらったわ」
「ありがたきお言葉、ありがとうございまする。まだまだ、門前町を作るにあたり、人手は足らぬようではありますが、こればかりは、光賀殿の御尽力も必要でありましょうから、少しづつではあります」
「そうよの。まだまだ、人は足らぬな。特に生活するうえでは、生活道具や住む家の修繕等が必要になってくるであろう」
「仰られるとおりです。そこを出来る者が今の鞍馬衆と飯母呂一族では、ほとんど居ないでしょうな。早めにそのような人を集めて来ねばならぬでしょう」
「よう、そこまで理解してくれていて、助かるわ。それでな、そちに番匠・宮大工、石工衆、瓦師、鋳物師等を探してきて、鞍馬衆、飯母呂一族と同じように移住をさせてほしいのじゃ。
京の都なら、そのような職人も多かろうし、少し前にも大和で戦もあり、畿内では土民の蜂起もあったとも聞く。戦を避けて、こちらに来ても良いと考える者もおろう。鞍馬衆と共に、人集めをよろしく頼むぞ」
また、人集めであったか。確かに人が足らぬのは、間違いないが、そうそうに上手くいくかの。とりあえずは、鞍馬衆と行くとしても、伝手が無いからの。
また、鞍馬寺に頼むとしかないか。大和なら、興福寺じゃな。まずは職人衆を引っ張ってこれるようにすることじゃな。中々、社と門前町の町作りが進んでおらぬが、今は仕方なしとするしかないか。
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「沙門殿、わざわざ来てもらってすまぬな。殿より新たな指示があってな。わし一人では難しいため、沙門殿にも、手伝ってもらえとのお言葉でな。なので、来てもらったというわけじゃ」
「なるほど、承知しました。して、我らが動くということは、どこぞの様子を窺うということでございましょうか」
「いや、そうではない。今、主たち、鞍馬衆と飯母呂一族が神領で町作りをしておるが、今後の生活を考えると、生活するうえでは、生活道具や住む家の修繕等が必要になってくるであろうと言われてな。
番匠・宮大工、石工衆、瓦師、鋳物師等を畿内、特に京の都や大和あたりから、おぬしらのように移住させて欲しいのじゃと。わしは向こうの地に明るくないからな。畿内に住んでおったおぬしらに力を貸してもらえとのことじゃよ」
「確かに、我らと筑馬殿の一族だけでは、この先の生活に苦労するかもしれないですな。鋳物師等の職人衆が居ると助かります。
とはいえ、職人衆を連れてくるとなると、親方の職人を説得するか、若い弟子を譲ってもらうかになるましょう。なかなか難儀なことになりますな」
「そうよな。ぬしの言う通りだろうな。戦場に近い村を回って探すか、都で寂れたところに住んでおる者を探すしかなかろうが、どちらにせよ、寺に世話になるだろうから、話をせねばならぬか」
「それでは、鞍馬寺は、我らからお願いをしてまいりましょう。大和は、筒井家が苦労していると聞いたことがあるので、そちらを回るのが良かろうと思いまする。
京の都は、下京の右京が廃れておりますので、そちらに住んでおるものなら、家族でくるやもしれませぬ」
「なんと、そこまでわかっておるのか、助かるわ。それでは、先に行って寺に話をしてもらえるか」
さすがは鞍馬衆だな。ちゃんと畿内のことを調べておったの。人集めは、思うた以上に進むかもしれぬな。
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鞍馬寺に挨拶と今回の件での協力依頼を兼ねて、久しぶりに来たが、少し村が変わったな。我らもかなり寄進をさせていただいたが、鞍馬衆など生活が厳しい人を抱えていたのが減って、本来の形になりつつあるのだろうな。
だが、沙門殿を見て少し驚いておったな、少し肉付きがよくなっておるから、しっかり食べられていると知って、気が気でない様子であったわ。
今後も畿内で人集めをするであろうから、寄進も定期的にするように殿に進言せねばならぬな。儂らはこの畿内に拠点となる地がないからの、鞍馬寺とは懇意にしておかねば。
それと大和は、いかがするかな。興福寺の衆徒で村が荒れているのは、筒井家だとは沙門殿から聞いたが、当主に話さず、人集めをしておったら、何されるか分からぬからな。興福寺と筒井家当主の順永殿に話を通しておくかの。
鞍馬寺の副貫主から文を書いてもらうか。