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0007. 閑話・【八百幻】出会いには準備と努力が必要

活動報告にも書きましたが、第1章で4月末までの予約投稿(週2回)ができたので、ゲーム世界(八百幻)側のプロローグ3話を今日から毎日(8日〜10日)投稿します。


定期的に長く投稿しようと思いますので、ブックマークと☆、「いいね」で評価をしてもらえると嬉しいです。


1話1話は、短めかもしれないですが、慣れてきたら、少しづつ長くしていきたいと思ってます。


あと、ゆるめの感想とご意見もらえると、嬉しいです!!


皆さんのおかげで、

日間ランキング(1月7日夜更新) 

 異世界転生(文芸・その他)で15位に入ってました。


歴史(文芸)の方では無かったです。どうやら、「異世界転生」のタグを付けてたの影響したようです。

なので、異世界転生の公式タグは外しました。


これからも各話でいいねを押してもらえると嬉しいです。

「里見〜、悪いが明日のポケップ社とのミーティング資料の修正、あとはよろしく頼むなぁ、ちょっと、このあと接待に行くことになったんで」

 笑いながら、課長が私に声をかけてきた。


「そんなぁ~、今日は残業出来ないって、前から言ってたじゃないですかぁ」

 相変わらずなブラック企業である私の働いている会社は、理不尽に仕事を部下に押し付けてくる。


「オレも行けないって、言ったんだけどな。部長がどうしてもって言うから、まぁ、今度、何かするから頼んだぞぉ〜。最近、多少の残業はしても、長い残業を避けて来たんだから、今日ぐらいは長く残業して、会社に貢献しろよ」

 相変わらず、昭和、平成初めの古い価値観を押し付けてくる、長い時間働いているのが()()()()()()()()()()のだ。

 部長や課長も昭和なんて知らないのに、まぁ、うちの会社もなんだかんだで昭和からあるらしいから、そのときの社風が引き継がれているのだろうけど。

 古くからある社風は、良いけど、悪しき社風は、廃れてすぐに無くなって欲しい。


「あぁ~、課長、残念なお知らせですが、今日は残業すらせず、と言うか早上がりで今から帰らせていただきますので、ポケップ社とのミーティング資料の修正はお任せします。

 自分で修正やらないと説明できませんよ。それと、少しはパソコンの使い方を覚えてくださいね。それじゃぁ、あとはよろしくお願いします~。お先に失礼します」

 課長と話をしながら、すでにパソコンはシャットダウンしていたのだ。私は、課長にそう一言かけると、笑顔でオフィスからサッサと出た。


「は?はぁ?はぁぁぁぁああ! ちょっ、ちょっ、ちょっと、里見、何言ってるんだ!早上がりなんて、認めるわけぇないだろぉう。まだ16時30分だぞ、戻って仕事しろ!終電ギリギリまでは仕事しろ、なんだと思ってるんだ。仕事を」

 後ろから聞こえる課長の罵声を気持ち悪いバックミュージックにして、私の心はすでに今日から始まるVRMMO一色になっていたのだ。


 私がここまで気になっていて、心待ちにしている、早上がりまでしてやりたいVRMMOは、正月に始まり、旧正月、バレンタイン、イースター、夏祭り、七夕、お盆、ハロウィン、クリスマスといろいろなイベントをごった煮で、何でも取り込んで昇華させようとする日本人の企業らしい、和風VRMMO【八百万の幻獣物語】なのだ。

 このゲーム、名前負けしないぐらい、ギリシャ神話から始まり、ローマ、北欧、ケルト、メソポタミア、エジプト、マヤ、インド、日本、中国、アメリカ、アボリジニ、東南アジアの地球規模の各地の神話とクトゥルフに代表される創作神話、鬼、天狗などの妖怪・付喪神、民族宗教などの仏様、天使・悪魔をこれでもかって、盛り込んでいるVRMMOで、さらに最近には珍しい和風をベースにしているのだ。

 いや、ここまで盛り込んでいて、どこが和風なのだというツッコミをβテスター達も言ってたそうだが、テストが終わるころには、和風で間違いないって、評価になっていたらしい。

 それを聞いて私もPR用の動画を見たけど、和風要素のあるVRMMOにしか見えなかったので、どこが和風で間違いないって言える要素があるのか、今から探すのが楽しみなのだ。

 まぁ、最近は剣と魔法の中世ヨーロッパ風世界がVRMMOの主流だからね。そんな中での和風VRMMOを謳っているので、【八百万の幻獣物語】の注目度は非常に高く、βテストの参加応募も10数倍あったらしい。

 当然、私も応募したのだが、残念ながら落選してしまって、リリースされる今日までずっと楽しみに待っていたのだ。

 そして、なんの問題もなく、βテストも評判良く終わり、第1陣の応募が開始されたのだが、応募数はβテストを遥かにしのぎ、ゆうに100倍を超えたのだ。私も当然、1陣の応募をして見事、この難関を飛び越えたのである。

 今日の【八百万の幻獣物語】オープニングデーから参加できるのは、たった7万人。たったの7万人なのだ。最終的には、応募倍率から最低でも700万人、1000万人は余裕で超えると言われているVRMMOのリリース記念日、そんな超重要な特別の日に残業なんて、できるかっての!

 そういうところがわかってないんだよね、うちの部長と課長は。人生は一度しかないのだ。今、優先しないといけないことは、仕事以外にもたくさんあるし、人それぞれ違うのだから、もっと大らかに送り出してほしいものだ。


 そんな【八百幻】『プレイヤーからは八百幻やおげんと呼ばれている』のことや部長と課長への不満をあれやこれやと考えながら、無事に帰宅する。

 いやぁ~、電車が止まったり、事故や不測の事態に巻き込まれずでよかったわ。これも日頃の行いの良さのおかげだね(自己申告制)。


 「さあて、よっし、予定通り17時過ぎの帰宅だね。ゲーム開始は会社員に優しい19時からだし、事前のアバター作成も18時スタートだから、今のうちに夕食とお風呂を済ましちゃいますかね。

 お腹を満たして、ちゃんと身を清めてから、このオープニングを迎えないと、あとで後悔しそうだしね。何事にも準備が大切だと思うのよね」

 今日は、このオープニングにしっかりと間に合うように参加するために朝いつも以上に早起きして、おかずだけ作っておいたのだ。ご飯はレンジで温めるだけのご飯で時短。

 お風呂もちょっともったいないけど、朝から一度溜めて沸かしておいたので、追い焚きをするだけで、すぐに入れる状態でこちらも時短。ごはんを食べている間にお風呂も温かくなるだろう。チャチャッと夕食とお風呂を終わらせて、八百幻に対するこの気持ち、心を落ち着かせる時間が欲しいからね。


 「よぅーし、ちょうどあと1分位だね。夕食完了、お風呂完了、トイレ行った、直前の水分補給OK。VR機器電源OK、フルフラットチェアの準備OK、準備万端だね!ゲームスタートしてログイン待ちできるよ、さぁ~、始めようか」

 私はHMDヘッドマウントディスプレイを被り、どんな幻獣との出会いが待っているのか、ワクワクが止まらず、ニヤけながら、ゆっくりとVRMMO専用のフルフラットチェアに仰向けになり、順番を待った。



ーーーー数分後ーーーー

「お待たせしました。ようこそ、八百万の幻獣物語ヘ。開始まで、まだ時間がありますので、アバターを作成をしますか?」


「はい、作成します。よろしくです」


さぁ~、出会いの準備は万端、そのための努力もしてきたし、Kawaii子に会えますように。

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