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0068. 閑話・【二郎太郎】御神託という名の混乱

今日から戦国時代の閑話になります。


定期的に長く投稿しようと思いますので、ブックマークと☆、「いいね」で評価をしてくれたり、ゆるめの感想とご意見もらえると、嬉しいです!!

 先日、母上におれの妹が生まれたのだと聞かされた。さすがにまだ会えてないが、早うに会ってみたいと思っている。おれには兄がいるが、妹や弟はいないので、嬉しい気持ちでいっぱいだ。

 ただどうすれば、兄らしく見えるか、分からぬから、今度、氏兼叔父上にでも、聞いてみるとするか。氏兼叔父上には、弟と妹がいたはずなので、何か良いことを聞けるかもしれない。

 


ーーーー

 館内がドタバタとせわしなく音がする、どうやら氏兼叔父上が急に呼ばれているようだ。普段は、そのような呼び方を父上はしないので、何か良からぬことが起こったのか。

 外から使者や報告が来た雰囲気は無いから、館内で何か、起こったのかもしれないな。おれの妹になにかあったか。何があったか、知りたいが、何もおれに言って来ぬということは、そこまで大事ではないのかもしれぬな。


 しばらく、いつもと同じ様に部屋で過ごしていると、父上の小姓の1人が来て、声をかけられた。何用だ。


「若様、いらっしゃいますか。御方様から殿がお呼びになっておりますので、広間に来なさいとご指示がございました」


「おぉ、わかった。今から向かうと母上と父上に伝えてくれ」


「承知しました。御方様にお伝え致します」

 なんで、父上の小姓が母上から指示を受けているんだ。父上の側から離れておったのか。まぁ、広間に行けばわかるか。

 部屋を出て、広間に向かっていると、母上と母上の侍女のたきが廊下を歩いていた。母上はもう出歩いて大丈夫であろうか。


「母上、先日、お子を産んだばかりで、もう部屋から出歩いて大丈夫なのですか」


「あぁ、二郎太郎。ありがとうね、この通り、もう歩けるまでになっているので、大丈夫よ。

 ちょうどよかったわ、一緒に殿の下にいきましょう。殿と氏兼は広間で待っておいでですよ」

 母上とたきと一緒に広間に行くとすでに父上と氏兼叔父上が居て、座っていた。


「真里、ご苦労じゃったの。二郎太郎とたきも、こちらに座れ、たきは部屋の隅に控えんでもよい。そなたにも話があるゆえ、呼んだのじゃからな。

 それと、誰ぞ、部屋の襖を取り外し、部屋を開け放て。その後、遠くまで離れぃ。話はそれからじゃ」


「父上、そこまでの話にございますか」

 たきをわざわざ、父上が呼んだことも驚きであったが、さらに部屋の隅でなく、叔父上やおれと同じ様に座らせるとは。

 さらに部屋をすべて開け放ち、周りを遠ざける。先ほどおれを呼びに来たのも母上自らだったのはなぜだ。今までにない事で、これほどの話とは何事だ。

 父上も母上も落ち着いてられるし、母上がここにいるということは、周りとの戦ではないであろうし、妹の事でもないな。何も分からぬ。叔父上、おれ、たきに何を話したいのだ。


「そうじゃ、その方らにする此度の話は、ここにいる五人以外、何者にも話をしてはならぬぞ。この話がどこぞに漏れた場合、如何様なことになるのか、分からぬゆえ。心にしっかりと持って聞いてくれ」


「承知致しました」

 父上の言葉に驚きながらも、三人で平伏した。そこまでの大事とは何なんだ。頭が混乱して、父上の話が理解できぬ。


「さて、これで準備が整ったの。話の始まりは、先日、真里が琴を産む前の日まで遡る。

 あの日の夜、儂の夢枕に御使い様が立たれたのじゃ、話の内容は、また後日に話をするが、御使い様の話を真里にすると、真里も儂と同じ日に夢枕に立たれておったのじゃ。

 二人揃って同じ日に同じ内容の話を御使い様がされたということは、我が里見家の家運隆盛のまたとない機会だと考えておる。そなた達には、その御使い様の御言葉、御神託に則り、動いて欲しいという事じゃ」

 夢枕?御使い様?父上も母上も何を言っておられるのだ。全く理解できぬ、僧侶や神主でない父上と母上に御使い様が夢枕に立つなぞ、あり得るのか。今までこのような話を聞いたことが無いぞ。もしかして、あやかし物の怪(もののけ)に誑かされておるのか。

 これは、しっかりと父上と母上の話を聞いて確認せねば、お家の一大事になりかねぬ。氏兼叔父上がいるとはいえ、どのようになるか、分からぬ。

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