0066. 閑話・【八百幻:カーター】村への移動と戦闘準備
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クエストについての話がついたので、ユミルさんの後について、チームを組む相手のところに行く。
「勇なる者の皆さん、今日はリトルボアープの討伐依頼を受けていただき、ありがとうございます。一緒に同行するメンバーを紹介します。琴音さんになります」
若菜さんのところに行くと、若菜さんからソロプレイしているという女性の方を紹介してもらった。背が普段会うクラスメートの女子より高くスレンダーでモデルのような方だった。めっちゃキレイな人じゃん。なんでこんな人がソロでやってんだろう。若菜さんに引けを取らないというか、双璧だぞ。この人。
「琴音です。チームクエは初めてなので、よろしくお願いします」
「初めまして、私が勇なる者のリーダーをしています戦士のカーターです。右側にいるのが、大剣使いのドレット、左側にいるのが、盾士のバーニ、最後に私の後ろにいるのが剣士のジルです。よろしくお願いします」
うぉ、ちょっと緊張し過ぎて、堅苦しい挨拶になってしまった。でも、最初の挨拶だし、まぁいいか。
このまま話をしているとボロが出そうな気がするので、さっさとクエストをする村に行こう。
「若菜さん、ユミルさん。琴音さんと紹介してもらったチームクエストを受注したいのですが、手続きしてもらってもよいですか」
「承知しました。それでは、窓口で処理をしますので、琴音さんとカーターさんはこちらに来てください」
その後、受付窓口でチームクエストの受注処理をしてもらったので、これで村に向かうことができる。
「さて、クエも受注しましたし、現地に行きますかね。琴音さんは、何か移動手段をお持ちですか。それと報酬配分をどうしましょか」
まだまだ自前の移動手段を持っている人は少ないけど、もしかしたら移動手段を持っているかもしれないので、念のため確認して。それと報酬配分は、人数割にすると8対2になってしまうななんかもらいすぎのような気がするので、7対3ぐらいにしておこう。ちょっと琴音さんが多めだけど、こんなキレイな人なら気にならない。何だったら、オレの取り分をあげてもいい気がする。
結局、移動手段はギルドの馬車を借りることにした。こういうときにギルドで借りられるのは、便利でいいが、問題は馬車を操作出来るのがオレだけってことだ。このままだと、後ろの荷台に琴音さんと3人組で乗ることになる。
3人組は声をかけられても、初対面だから何も話さないだろうから、特に琴音さんのようにキレイな人ならなおさらだ。荷台は重苦しい空気の中、村に向かうことになるだろうな。琴音さんにめっちゃ申し訳ない。でも、御者台に琴音さんと2人で乗るのは、嬉しいが、緊張して上手く操作できるかわからない。下手すりゃ、道を踏み外して馬車を壊してしまうかもしれない。ここは琴音さんに希望を聞いてみるか。
「琴音さん、馬車ですが、荷台に座られますか。それとも、外の景色を楽しみながら、御者台に一緒に座られますか。御者台ですと、少し狭いかもしれませんが」
さすがに荷台に座る3人組が無口でコミュ障だとは言えないので、当たり障りのない聞き方をした。
「う~ん、そうですね。御者台でもいいのですが、狭いと馬の操作の邪魔になるかもなので、荷台で大丈夫ですよ」
琴音さんは少し悩んだようだが、結局、気を使われて荷台に座ることになった。目的の村まで5時間位だが、長くなればなるほど、精神的な迷惑をかけそうなので、少し早くして、3時間ぐらいで着くように馬に頑張ってもらおう。
ーー出発して3時間弱
予想通り、馬車の荷台は無言で空気が重いぞ。初めの10-15分くらいは、琴音さんが気を使って話しかけたのだが、3人組は誰も反応しないので、自ずと琴音さんも話しかけず、静かに荷台で揺られている。最初から会話が無いなら、まだよいけど、話しかけられて答えないのは困る。
そんなことを考えていると、村が見えて来た。はぁ~、助かった。
「琴音さん、みんな、お疲れ様。もう目的の村に着くよ。準備して」
村に着いたら、早々に村長さんか誰かと挨拶とリトルボアープの被害の状況やどう討伐するかの話をして、クエストに着手しないと。このままでは、琴音さんが離脱してしまうかも知れない。
到着して、すぐに村の人に村長さんを紹介してもらい、リトルボアープの被害が出ている畑に案内をしてもらう。
さっきまで村の人が巡回していて、今日はまだ被害が出ていなかったので、早速、準備をして、畑と森の間に向かい討伐の体制を整えた。
「森のかなり近く来たけど、森の中に見当たりませんね。カーターさん、どうしますか」
「そうだね。みんなの幻獣を召喚しつつ、ギルドからもらったリトルボアープの好きなエサを撒いてみようかと」
リトルボアープ自体、そこまでの大きさじゃないし討伐は難しく無いが取りこぼすと、また数を増やしてしまうイタチごっこになるらしいので、ギルドを出るときにユミルさんが、エサをくれたんだよね。