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0065. 閑話・【八百幻:カーター】チームクエストへの誘い

 冒険者登録が終わった後は、そのまま討伐系クエストを選んで、ギルドの初心者向けサービスの武器適正確認してもらった。オレも含め、全員使いたい武器の適性があったので、それぞれ好きな武器と防具を借りた。

 3人組を連れての初クエストの結果は予想以上に良かった。まぁ、前衛職だけのパーティーだから、火力は高いので、苦労はしないのはわかっていたが。

 その後も、何度かパーティークエストを受けながら、ゲームを楽しんでいる。まだまだ新しい武器や防具を買ったり、ランクが上がるような状況ではないが、少しづつ、魔物を倒すのに慣れてきた感じがする。

 さて、今日も同じようにパーティークエストでも受けて行くかな。

「ユミルさん、おはようございます。今日もパーティークエストを受けて行こうと思います」


「今日もパーティークエストですか。たまには、チームクエストでも、いかがですか。若菜さんから受けてもらえるパーティーを探せって言われてて、どうですか。若菜さんが人を探してるクエストはほとんどないので、受付担当としてはオススメだと思いますよ」

 いつものように最近、話せるようになった受付のユミルさんに声をかけたら、チームクエストをオススメされた。探せって言われてるって素直に教えてくれたけど、探さないといけないくらい難しいか、報酬が少ないのだろうな。でも、あのキレイな若菜さんとお近づきになれるチャンスでもあるな。ユミルさんもいいが、やはり異性の受付の人とも話がしたい。

 どうするかな。3人組に聞いてもしょうがないから、決めるにしても、悩ましい。俺としてはたまには別の人とクエストを受けて気分転換をしたいし、若菜さんともお近づきになりたい。このパーティーはクエストはクリア出来るが、話が無いから、息苦しくてツマラナイのだ、なんだろう、作業ゲーをしてるみたいな感じなんだよね。

 でも、チームクエストをしたら、相手チームに迷惑をかけそうでトラブルにならないか、不安が残る。相手がソロなら、オレが相手をすればどうにかなるか。もう限界だから、失敗してもいいから受けるでいいか。


「わかりました。そうオススメされるなら、受けてみたいと思いますが、どの程度のチーム数で行うチームクエストなんですか」


「チームクエストって、なっていますが、5人程度いれば十分に結果が出せると思うレベルのクエストなんで、気負わなくてもよいと思います。

 クエストの内容は、近くの森の村にリトルボアープの集団が現れて、畑が荒らされ始めているので、討伐でも撃退でもしてほしいとの依頼ですよ。

 魔獣でなく小型の動物なので、素材になる部分がほぼないうえに、肉も少ないので、依頼報酬以外の旨味が無くて、Gランクの方も正直あまり受けてもらえなくて」


「小型動物の討伐クエストですね。まぁ、旨味が少ないのは、少々やる気に影響しますが、たまには別の方とクエストをやるのも楽しいでしょうから、しょうがないですが受けようと思います。

 それでそのリトルボアープの具体的な大きさとか特性とか教えてください」


「そうですね。詳しくは動物図鑑を見てもらえるとより詳しくわかると思いますが、リトルボアープはボアという魔獣の亜種の亜種で、30センチくらいのモフモフとした動物ですね。

 雑食性が強くて、集団になると、あっという間に畑を食い荒らすので、大きい集団になる前に、撃退したり、討伐したりすることになっている動物です」

 話を聞く限り、大型のねずみみたいなものかな。まぁ、うちのパーティーは、前衛職ばっかりだから、大丈夫だろう。


「わかりました。その内容であれば、クエストを受けたいと思います。ただ、一緒にやるパーティーの人たちが多いとうちのメンバーが迷惑かけそうなので、相手はソロの方がいいのですが、そんなワガママ通りますか」


「あぁ~、大丈夫ですよ。若菜さんが声がけしようとしている人は、ソロでやっている人なので、希望通りになると思います」


「それじゃ、気兼ねなく受注できますね。それにしても、ソロでやっているなんて、珍しい男の人ですね」


「いや、女性の方ですよ。若菜さんが声がけしようとしている人は」


「えっ、そうなんですね。もし一緒にやるとなったら、うちのメンバーは余計に喋らないと思うので、どうしましょうか」

 ただでさえ、コミュ障で人見知りなのに、女性でソロってなったら、何も喋らないはずだ。

 でも、こんな旨味の無い討伐クエを受けようとするなんて、何かこだわりのあるソロロープレをしているのかな。ちょっとだけ会うのが楽しみだ。

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