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0062. 閑話・【八百幻】初チームクエは燃えて消えた

定期的に長く投稿しようと思いますので、ブックマークと☆、「いいね」で評価をしてくれたり、ゆるめの感想とご意見もらえると、嬉しいです!!

 森の中から走ってくる音が重低音で聞こえてくる。

「カーターさん、何か森から向かって来ますよ。リトルボアープですかね」


「そうですね、リトルボアープだと思います。みんな、戦闘準備だ。討伐するぞ」

 勇なる者のメンバーは、剣を抜き、それぞれの幻獣を脇に居る形で戦闘準備を整えていた。私は、彼らの後ろでそれらしい感じで薙刀を握って戦闘姿勢を取っていた。もちろん、狐火ちゃんも私の足元で、戦闘ポーズを取っている。


 準備が整って、少し立つと、リトルボアープの先頭集団が森から出てきた。思ったより数が多い。後ろまではまだ見えないけど、見える範囲だけで、40-50頭はいる。


「戦闘開始、畑に抜かれないように注意しながら、動けないように斬りつけろ。琴音さんは、抜かれたリトルボアープの対処をお願いします」

 そう言いながら、カーターさんは、リトルボアープの群れに突っ込んでいった、いや、チームメンバー全員で突っ込んでいる。いやぁ、脳筋すぎるんではとも思わなくはないが、私には出来ないので、お願いしよう。

 まだまだ、森からリトルボアープが出てくる。これは、飛蝗のような感じで集団行動しているのか、100頭は超えてる気がするが、まだ後ろが見えない。

 そうこうしていると、ちらほらカーターさん達を抜いて、こちらの畑の方に向かって来ている。さぁてっと、頑張ってみますかね。


「うりゃぁ〜、とりゃぁ~、お前さん、素早いな。私が捉えられないなんて」

 ちょっと戦闘をしたが、予想通り、リトルボアープに当たらないというか、当てられない。だって、超Kawaiiだもの。シープっていうから、羊の姿を想像していたのだけど、実際は、巻き毛モルモットみたいな感じで、狐火ちゃんとじゃれ合ってるように見える。いやぁ、モルモットなら、寂しがってストレスで死んじゃうのも、わかるわ。1頭ぐらいなら、飼えるかな。

 ちょっと、ボーッと考えていたら、私の横も抜け、畑に到達しそうだ。しまったぁ~。と思っていたら、狐火ちゃんが、リトルボアープを殴っていた。助かったぁと思っていたら、別のリトルボアープが狐火ちゃんに突進して来て、狐火ちゃんをふっ飛ばしてしまった。


 その瞬間、プチンって、何かが切れた気がした。

「何さらすんじゃ、ボケぇ~、うちの狐火ちゃんに何しとんじゃ~、カチ込んだる〜」

 そう言って、薙刀を振り回し、リトルボアープの群れに突っ込んでいったらしい。それを見ていた狐火ちゃんも、私といつの間にか合流して遠慮なく暴れている。

 後ろの様子が騒がしいのに気づいたカーターさんが、私に向かって何か叫んでいるが、気に留めない。


「えぇ、いやぁ~、ウソでしょ〜〜、琴音さん、そんなぶん回したら、畑にも被害が出ます、落ち着いてください~、あぁ~、狐火ちゃんもそんなに無闇矢鱈に炎を撒き散らさないで~、お願いします~(泣)」


10分後、周りに動くモノがいなくなって、冷静さが戻ってきて顔が青褪めてしまった、やっちまったぁ。

土下寝する勢いで、カーターさんに謝る。

「大変、失礼しました。何かプッツンしてしまって、ご迷惑をおかけしました。ところでどんな状況でしょうか」


「ふぅ~、やっと落ち着いてくれましたか。琴音さん。一応、リトルボアープは、全滅させましたよ。ただ、畑も半分くらい荒してしまったので、復旧作業が必要ですね」


「あのぉ~、荒したのは、私ですよね⤵すみません」


「まぁ、ほとんどそうですが、チームで受けて、我々もあなたを止められなかったので、同罪ですよ。一緒に作業しましょう。もちろん、琴音さんを中心に。それと今回は報酬無しで村長と話をしますね。こんな状況で報酬は貰えないでしょう」


「はい⤵、そうですね。それでお願いします」


「今日、1日では、終わらないかもしれないですが、頑張りましょう。それでは、私は村長と調整してきますね」

 やってしまったことをしょげていると、コミュ障3人組が、私の肩を順番に叩き、励ましてくれた。声はかけられなかったけど。

 やってしまったことは、しょうがない。もう消せないので、前向きに復旧作業をしよう。



ーーーー

 あれから、1週間、ようやく畑の復旧作業が終わった。勇なる者のみんなも、毎日村に行って、復旧作業をしてくれていた。時間が合わず、ほとんど会えてないが、村人が来ていると話をしてくれた。

 次からは気をつけて、クエを受けよう。あと狐火ちゃんが攻撃されても、キレないようにしないとね。



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