0061. 閑話・【八百幻】相手メンバーにSAN値を削られる
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「確か『勇なる者』とかいうチームですよ。4人チームなので、ソロであれば誰が入っても構わないって言ってたんで、琴音さんを混ぜちゃおうかなと」
おぅっふ、何たる厨二病の名前のチーム、自ら勇者を名乗るかぁ~。これはハーレム系チームかな。
「へぇ~、それでどんなチーム構成なんですか」
「剣士と盾士、それに戦士に大剣使いです。男4人のチームだと聞いているわ」
なんじゃ、その猪突猛進の脳筋チーム、単なる勇敢に突貫する事しかしないチームってことじゃない。あぁ、大丈夫かしら、会話できるかな。
「あのぉ~、私、会話成り立ちますか。女子もいないし、脳筋っぽいんですが、聞いてると」
「まぁ、大丈夫だと思いますよ。ユミルがリーダーの人は、しっかりとした人だと言ってましたので。あっ、ちょうど来ましたね。ユミルの後ろにいるのが、『勇なる者』だと思います」
「紹介しますので、行きましょうか」
若菜さんの後について、相手チームのところにいく。
「勇なる者の皆さん、今日は、リトルボアープの討伐依頼を受けていただき、ありがとうございます。一緒に同行するメンバーを紹介します。琴音さんになります」
「琴音です。チームクエは、初めてなので、よろしくお願いします」
無難な挨拶して、リーダーと思われる人と握手をする
「初めまして、私が勇なる者のリーダーをしています戦士のカーターです。右側にいるのが、大剣使いのドレット、左側にいるのが、盾士のバーニ、最後に私の後ろにいるのが剣士のジルです。よろしくお願いします」
なんだ。すごいまともの人じゃない。ちゃんと挨拶できている。あっ、でも、カーターさん以外、目を合わせようとしないし、声も出さない。どういうこと?コミュ障か。
まぁ、依頼が達成できればよいから、良いけどね。
「さて、クエも受注しましたし、現地に行きますかね。琴音さんは、何か移動手段をお持ちですか。それと報酬配分をどうしましょか」
「移動手段は、持ってないので歩いていくかなと思ってました。配分は、人数割でいいんじゃないですか。私は1人ですし」
「移動手段は、ギルドの馬車を借りましょう。こういうときに借りれる馬車があるんですよ。それと人数割だとうちがもらい過ぎな気がするので、7対3で3割琴音さんでいかがですか」
「そんなにもらって良いんですか。ありがとうございます」
なんかカーターさん、すごい私に気を使っているような気がする。女性1人でプレイしているのが、珍しく思っているのかもね。周りにそういう人が居ないのかしら?
「それじゃぁ、馬車を借りていきましょう」
馬車のどこに座るか、わざわざ確認して来たけど、どうしたんだろう。普通、荷台に座るわよね。まぁ、仲の良い恋人同士なら、御者台に2人で座るかもしれないけど、今日、会ったばっかりでそれはないわ。
ギルドで馬車を借りて、目的の村まで3時間弱ぐらいだったのだが、馬車の荷台は無言で空気が重い。話ができるカーターさんが馬車の御者をしているので、荷台には無口3人組が座っていたのだ。私も最初は、気を使って話しかけたのだが、誰も反応してくれないので、自ずと会話が話しかけれなくなり、今に至るのだ。早く村に着いてクエをしたい。もうここには居たくない。
出発するときにカーターさんが座る場所を確認してきたのは、こういうことだったのね。もっと強めに聞いてくれれば、恥ずかしいけど、御者台に座ったのに、はぁ~、失敗した。
「琴音さん、みんな、お疲れ様。もう目的の村に着くよ。準備して」
おぉ~、救いの言葉が御者台から聞こえた。天に御座ます神よ。次からは、もう少し距離を近くにしてほしいと切に願う。
無事に村長さんと(カーターさんが)挨拶をし、リトルボアープの被害が出ている畑に案内をしてもらった。村人が巡回していたので、今日は、まだ被害が出ていないようだった。私達は準備をして、畑と森の間を森に向けて歩き始めた。と言っても森まで十数メートルも無いのだけどね
「森のかなり近く来たけど、森の中に見当たりませんね。カーターさん、どうしますか」
「そうだね。みんなの幻獣を召喚しつつ、ギルドからもらったリトルボアープの好きなエサを撒いてみようかと」
そんなエサをいつの間にかもらってたのね。まずは、様子見かしらね。
狐火ちゃんを召喚し、エサを森の近くにばら撒いてから、休憩しつつ待っていると、森の中から走ってくる音が聞こえる。結構な数がいそうなぐらい、重低音で聞こえてくる。
「カーターさん、何か森から向かって来ますよ。リトルボアープですかね」