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0060. 閑話・【八百幻】初チームクエは旨味の無い討伐系

定期的に長く投稿しようと思いますので、ブックマークと☆、「いいね」で評価をしてくれたり、ゆるめの感想とご意見もらえると、嬉しいです!!

 狐火ちゃんとの初料理を終えてからのしばらくは、課長の目が厳しく、残業を毎日していて、長い時間入れなかったのだ。まぁ、課長のネチネチさに負けないように、今までよりは短い残業で終わらせたので、少しはマシだが。なので、平日は町中依頼をしつつ、図書室で本を読んだり、買い物したり、料理したりとまったく、街の外に出ずにいたのだ。

 もう冒険ってなにって感じで、NPCですかと思われていたかもしれないぐらいだった。とはいえ、毎日ログインだけは欠かさず、狐火ちゃんと生活できていたので、それだけは良かったと思っている。

 八百幻が始まって、2度目の週末の時も楽しい依頼だったと私は思っているが、一緒にチームクエストを受けた彼らは、唖然とさせてしまったので申し訳なかったなとは思っている。



ーーーー

「若菜さん、おはようございます。最近、ずっと短い時間の町中依頼しかしていなかったので、長くいられる今日は、何か別の依頼を受けたいなぁっと考えているんですが、何かオススメはありませんか」


「そうですね、琴音さんはいつもソロの依頼を受けているので、たまにはチームクエストを受けてみるのはどうですか。それと冒険者登録するときにクラッガが迷惑をかけたことに対する補償も決まったので、あとでお渡ししますね」


「あぁ~、補償って話がありましたね、すっかり忘れてましたよ。もう気にしてないのでなくても良いですが、そういう訳にもいかないでしょうから、あとで受け取りますね。

 それにしてもオススメがチームクエですか。ご存知だと思いますが、私の武器の扱いレベルでは討伐系とかは、厳しいと思うんですが、大丈夫ですか」


「今回は、大丈夫じゃないかなぁ~、あは(苦笑)」

 あっ、ちょっと目が泳いでそらした。若菜さんも自信がないな。でも、どうして、それなのにオススメしてくるんだろう。


「もぉうぅ、そんな感じなのに、なんで私にオススメしてるんですか、何か理由がありますね。さぁ~、吐け、吐くんだ、若菜〜」

 最期の部分は、前におじいちゃんが話していた昔のスポーツアニメ(あした〇〇ー)調で問いかけてみる。


「何なのよ、その口調、そんなに言わなくても説明しますよ。単純に、近くの森の村にリトルボアープの集団が現れたらしく、畑が荒らされ始めているので、討伐でも撃退でもしてほしいと依頼が来ているんですよ」


「リトルボアープ?あれ、この間見た魔獣・魔物図鑑には載って無かったような。そんなのがいるんですね」


「リトルボアープは、魔獣でも、魔物でもないから、図鑑には載ってないですよ。見たいなら、動物図鑑には載っているので、あとで見てください。

 動物なので、素材になる部分がほぼなくて、肉とかも少ないので、依頼報酬以外の旨味が無くて、依頼をもらってもGランクでも、あまりやらないんですよ」


「動物ですか、それなら、そこまで危なくないですかね。具体的に大きさとか特性とか教えてください。私でも大丈夫そうなら、受けてみます」


「相変わらず、ありがとうね。リトルボアープ。ボアという魔獣の亜種の亜種で、30センチくらいのリトルボアがモフモフとしたのがリトルボアープなのよ。

 雑食性が強くて、集団になると、あっという間に畑を食い荒らすから、大きい集団になる前に、撃退したり、討伐したりすることになっているんだけどね。さっき言った通り、旨味が少なくて」

 なんかお願いすれば、なんでもするチョロい人だと、思われてそうな視線を感じるが、まぁ困ったときはお互い様だから、気にしない。気にしない。


「うぉ〜、モフモフですかぁ~、いいじゃないですか。討伐せず、飼いましょうよ」

 ボアープって、ボア+シープってことかな。そうすると、羊のようなイノシシってことで、さらにリトルってことで豆柴みたいに小さいんでしょ。30センチくらいって言ってるし。まさにKawaiiは正義を体現しているかもしれないわ。


「もう、何言ってるのよ、飼えるはずないでしょう。あとで本を読めばわかるけど、この動物は、数匹だけで飼おうとするとすぐに死んじゃうのよ。

 集団行動が基本になっているので、数が少ないとストレスなのか何なのか、わからないけど、死んでしまうの。だから、討伐しなくても、集団をバラバラにして、撃退できれば、数を減らせるのよ。

 ちなみに、雑食性が強いからか、集団を維持できる数を飼おうとすると、1回の食費だけで銀貨数枚は必要よ。さらに繁殖力も強いから、すぐに食費が金貨になると思うわよ」

 なっ、なんと、そんなに食費がかかるのか、1-2頭だけでも飼おうと思ったのに、少ないとすぐに死ぬなんて。しょうがない。

 可哀想だけど、撃退するしかないかぁ。まぁ、まだ見たことないから、向こうで見てから考えてもいいよね。裏技があるかもしれないし。


「とりあえず、受けるとして、チームということは、この旨味の少ない依頼を受ける人が私以外にいるんですよね。それは、どなたなんですか」

 こんな旨味の無い討伐クエを受ける奇特なチームはどうなんだろうと思うが、何かこだわりのあるロープレをしているのかな。ちょっとだけ会うのが楽しみだね。

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