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0059. 閑話・【八百幻】初料理 for 狐火ちゃん

定期的に長く投稿しようと思いますので、ブックマークと☆、「いいね」で評価をしてくれたり、ゆるめの感想とご意見もらえると、嬉しいです!!

 料理レシピ本だけ読むことにした。今日買った食材で出来そうな料理がレシピ本に載っていたので助かった。キッシュやミートボール、フィッシュスープとかだったので、どうにか作れそうかな。

 結構、手順が丁寧に書いてあるし、載っているレシピの数もかなりの数が載っているので、この初級者向けレシピ本だけ買っておくかな。どの料理が狐火ちゃんの好みになるかわからないから、作れるレシピ数を増やさないと。

 さて、下に降りて若菜さんに本を買いたいと伝えて買いますかね。料理を作るのが楽しみだね。


「若菜さん、料理の初級者向けのレシピ本をください」


「あら、初心者向けはいらないの」


「えぇ、今日買った食材だと初級者向けのほうが合いそうですし、レシピ数も初級者のほうが多かったので。今後、お金ができたら、初心者の方も買おうかなとは思いますが」


「そう、分かったわ。そしたら、初級者向けのレシピ本は銅貨2枚になるわ。本はもう用意してあるから、どうぞ」

 そう言うと、若菜さんは受付の机の中から私が頼んだレシピ本を取り出して、私に渡してくれる。


「えっ、よく私がこの本を買うってさわかりましたね」

 そう言いながら、銅貨2枚を出して、本を受け取るが、図書室の後ろに居て、私の様子をうかがっていたのかな。えっ、ストーカーですか、若菜さん。


「まぁ、料理するって言ってたし、買えても本は1冊だとも言ってたからね、そしたら、この本しかないでしょ。

 簡単な推理よ。このギルドに居る受付なら、誰でもできるわよ、1名除いて。それに琴音さんが言う通り、初心者向けはレシピ数も少ないしね」

 なるほどね。確かにそうだ。この本一択だった。それと1名除いたら、誰でもにはならないが、若菜さんに軽口でツッコミをすると、どうなるかわからないので、ここはスルー1択で。たぶん、除かれたのは、クラッガさんだろうし。


「それじゃぁ、本、ありがとうございます。これで狐火ちゃんに美味しい料理を作ってあげられます。これから寮に戻って、料理作ろうと思います」


「えっ、あの寮で料理を作るの。無理だと思うわ。あの寮で自炊する子なんて、ほとんど居ないから、共同キッチンは物置きと化してるわよ。

 そもそも、あの寮は宿泊代を削らないと、食事がままならない初心者向けの寮だから、食事もみんな、外食してるのよ。

 ほぼ寮の子たち向けにやってる安い食堂が近くにあるから。まだ、このギルドにある仮眠室に付いてるキッチンのほうが、まともよ」


「えぇ、そうなんですか~。それじゃぁ、狐火ちゃん用の食事が作れないじゃないですか~。どうしましょう。どこかでキッチン借りれませんか。若菜さん」


「しょうがないわね。昨日、クラッガが迷惑かけたから、特別にギルドの仮眠室キッチンを貸してあげれるように話をしてみるわ。ここのキッチンなら、幻獣の子に料理を作ってあげるぐらいならできると思うわ。本格的な料理は作れないけど、そこまでの料理を作るわけじゃないでしょ」


「あっ、ありがとうございます。ここのキッチンを貸してくれるなんて。料理は手の凝ったモノは作らないので、大丈夫だと思います。ところで、本当にお借りしても大丈夫ですか」


「大丈夫よ。ギルド職員なら、誰でも申請出せば、仮眠室が使えるから」


「えっ、でも、私はギルド職員じゃないですよ」


「だから、私が代わりに申請してあげるから、使っていいわよ。特別にね。その分、明日はゴミ処理をしてほしいのよ。今度は南10番街の」


「なるほど、交換条件ですね~、いいですよ。明日も街中依頼を受けようと思っていたので、それぐらいで貸してもらえるなら、ありがたいです。でも、場所は相変わらず南街なんですね。確かに住宅街ですが何で10番街なんですか。他は終わったんですかね」

 

「いや、私の家の近くが10番街と12番街だからよ。12番街のほうが近いから、先に12番街を終わらせてほしかったのよね。それじゃぁ、申請してくるからちょっと待っててね。申請終わったら、案内するから」

 若菜さん、完全に公私混同じゃないですかぁ~。自分の周りからキレイにしてもらうなんて。


「えっ、そんな感じで依頼を冒険者に進めちゃってよかったんですか。支部長に怒られませんか?」


「怒られるわけ無いじゃない。期限内に終わるようにみんなに声がけをしてるだけで、どこから終わらせてようといいのよ。ただ単に自分の家のそばから終わらせてるだけで。他の受付担当もみんなしていることよ。

 冒険者によっては、気に入った受付嬢から感謝されたくて、依頼を受けてるんだから。まぁ、それだけでしか受ける人がいない依頼ではあるんだけどね」


「わっ、わかりました。クエストの依頼掲示板を見てますので、声かけてください」

 その後、ギルドの仮眠室キッチンを借りて、狐火ちゃん用にミートボールとキッシュを作ってあげたのだが、作り終わって、自分の分を作ってないのに気づき、腹を空かせたまま、ログアウトしたのは、黒歴史とも言えないご愛嬌だ。

 明日は、残っている食材で自分の料理を作ってから、ゴミ処理をしよう。今日は、狐火ちゃんが美味しそうに私の料理を食べただけで十分だね。

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