0056 . 閑話・【八百幻】初ソロクエfeat.狐火ちゃん
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「ありがとうございます。それじゃ、行ってきます」
銀貨1枚か。若菜さんは、町中は住民向けだから安く設定されているって言ってたけど、金額としては十分じゃないかな。
確か硬貨は、
石貨:10円
大石貨:50円
鉄貨:100円
大鉄貨:500円
銅貨:1,000円
大銅貨:5,000円
銀貨:10,000円
大銀貨:50,000円
金貨:100,000円
大金貨:500,000円
白金貨:1,000,000円
大白金貨:5,000,000円
の価値だったはず。
銀貨1枚なら、1万円だし、追加で3千円出るなら、十分お得な依頼だね。
あっ、山の大きさ聞いてないや、何メートルもあると、割が合わないかも。なんか浮かれすぎてるな、こんなことも確認し忘れるなんて。まぁ、行ってから考えるか。などと考えているうちに、南12番街に着いた。
ゴミ置き場は、広場から少し離れた公園のような空き地に山積みされていた。山の大きさは思ったより小さく、2メートルくらいで1山にしてあった。
燃やす場所も指定してあって、ゴミをチマチマ移動させてから燃やすことになるので、かなり面倒だ。これは、中々減らないはずだよ。まぁ、やるしか無いか。さてと、狐火ちゃんは何ができるんだろ?確認せず来ちゃったなぁ。
「ねぇ、狐火ちゃん。ここにあるゴミを燃やしたいんだけど、なにかできる?」
しゃがんで、狐火ちゃんと視線を合わせて、聞いてみると、ドヤ顔した感じで頷いている。なにか出来そうなスキルがあるんだろう。ちょっと試してもらおう。
「あるんだ、スゴイね。ちょっとその先に向かって、小さくやってもらえる」
そう言うと、狐火ちゃんが、3メートル位先に向かってスキルを発動した。これは、ファイヤーウォールかな?四角い箱のような形で、炎が揺らめいている、大きさは1辺が1メートルくらいの立方体があるので、これでも十分かもしれない。あとでスキルを確認してみるかな。この世界に来る前に見たときは、まだスキルが無かったけど、いつの間にかスキルを習得したのかな?
「おぉ~、十分じゃない。これって、それなりに長く持つ?まぁ、休憩しながらやればいいから、あまり持たなくても、大丈夫よ」
任せろって顔していたが、持たなくても大丈夫って言ったら、ムスッとした感じになってしまった。感情豊かで楽しいし、カワイイわね。
「無理しないで、いいってことよ、そんなムスッとしなくても。さぁてっと、やりますかね。近くに受付の人がいるらしいから、受付して始めましょう」
周りを見渡して、近くにいるそれらしい人に受付受理票を見せて、簡単に焼却処理について確認する。
予想通りだったので、ゴミを大きめの台車に移しつつ、良さげなゴミが無いか探してみる。リサイクル、リユースとかって、大事だよねって、ゴミ漁りを自分の中で正当化しつつ、何度も焼却場所とゴミ置き場を往復する。
狐火ちゃんの方はというと、焼却場所に1メートル四方くらいのファイヤーウォールを発動し続けてくれていて、私は確認したゴミを投げ込んでは、ゴミを燃やしてくれている。完全な肉体労働だが、まぁ、狐火ちゃんとの共同作業なので、心地よい疲れしかまだない。
結局、5つほどのゴミ山を焼却処理して、かなりやったと思っていたが、まだまだ残っている。とはいえ、今日は、これ以上時間的にできないので、あとは他の人に任せることにする。
良さげなモノも4つほど見つかったので、後ほど、ギルドに持って帰って報告しよう。当然、ここにいた受付の人にも了承はもらっている。
「若菜さ〜ん、依頼、達成してきましたよ~、思ってた以上に重労働の肉体労働でしたが、狐火ちゃんと一緒だったんで楽しめました。ありがとうございます。
これが依頼受理票です。達成のサインもらってきましたよ。あと、こっち側は良さげなモノです。もらって大丈夫か、確認お願いします。一応、現場でサインしてくれた人には持ち帰りを確認してあるので大丈夫だと思ってますが」
「お疲れ様〜、それじゃ受理票をチェックして、報酬準備しちゃうわね。それと持ち帰りの品も預かって確認するわね。現場のサインもあるから大丈夫だと思うわよ」
私は、受理票と持ち帰り品を預けると、ホールのイスでちょっと休憩をする。しばらくすると、若菜さんが戻ってきて、呼ばれる。
「琴音さん、報酬と持ち帰りの品の確認もできたわ。報酬はゴミ処理、5山だったので、銀貨1枚と銅貨6枚ね。持ち帰りの品も問題無いのが、確認できたから、お返しするわね」
そう言って、トレイに銀貨1枚と銅貨6枚、持ち帰ってきた4品が乗っていた。
持って帰ってきた品は、赤オレンジ系のスカーフと青紫っぽい首輪、同じく青紫っぽいブレスレットと金メッキのアンクレットだ。
スカーフは、少しほつれていて、薄汚れている。まぁ、洗濯すればきれいになるだろう。他の3つも少し傷がついたり、凹みがあったりしているが、十分使うのに問題無い。
どれも祭りの出店の見本商品で、ゴミ捨てするときに混じってしまったのでは無いかと思うが、私としてはラッキーであった。狐火ちゃんに首輪とスカーフ、私にブレスレットとアンクレットでわけた。
初めての依頼は、冒険者らしくないのかもしれないが、オマケ付きで報酬もそれなりで悪くなかったので、大満足であった。狐火ちゃんと共同作業も楽しかったし、次も楽しめる依頼を探そうっと。