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0045. 思い出十 上 目指せ!令和生活第五弾 新たな湊と交易拡大

 ひきこもりモフモフ計画は、農業、寝具、道路作りと交通手段と、話が少しづつ大きくなって、氏兼や光賀、二郎太郎兄ぃなど、私の御神託(おねだり)に翻弄されながら、頑張ってくれている。

 私はただみんなの成果をまっているけでなく、絵図を描いたり、途中経過を聞いて、指示を出したり、スキルとかの練習をしたりと、思ったより忙しく動き回っている。将来のひきこもりモフモフのために、今から頑張るわよ~。って、なんか、3歳児がこんなに働くなんて、ブラック企業体質から抜け出せて無いわ。

 ちょっと自己反省をしつつ、ブラック気質はすぐに抜けないので、ならば、自分の将来のために新たな事に着手しようと考えている。そう、道作りを進めたり、工具を作るには、原材料が大量に必要になってくる、でも、この安房の地域だけでは全然足りないし、もとから原料とかが無かったりもするのだ。

 今は、光賀が商いで買って来てくれるが、運ぶだけでも、結構な手間になっていると想像できるし、大量購入まではできてないので、少し割高感がある気がする。

 父上も母上もお金のことは、何も言ってこないけど、やりくりは大変だと思う。私の住むところの社とか、防御施設なんかも、建設してるし、金がある分には、困らないはずだ。なので、新しくやろうと思っているのは、交易の拡大だ。

 でも、交易を拡大するにしてもどこの湊まで、出向いて商いをするかだよね、交易品はまた別途考えるにしても。

 この安房の位置を考慮すると日本海側やこれよりも北側の太平洋側はないので、ここより西側の太平洋側に絞ったとしても、交易出来そうな湊街は、小田原、下田、駿河の府中、沼津、大湊、宇治山田、津島、熱田、堺ってところかしら。

 確か光賀は、津島か熱田の出身だから、そっちの地縁に頼るってのもいいんだけど、ちょっと遠いよね。

 下田や小田原だと近いけど、近場が栄えるのは、ひきこもりモフモフには、危険だし。沼津だったら、駿河の府中のほうが栄えているだろうし、堺は、熱田より遠いしね。

 そうすると、候補は、府中、大湊、宇治山田かな。でも、宇治山田は伊勢神宮の門前町だった気がする。この時代の寺社は、面倒だからなぁ。ここも無しにしよう。そうすると、府中と大湊ね。

 大湊は、津島、熱田の手前だけど、府中より遠いから、船がしっかり出来てからじゃないと、難しいかしら。今のところは、府中で商売して、その後、大湊かな。

 でも、私の記憶は、元の世界の戦国時代(1500年代)だから、こっちの14XX年代でも、同じで大丈夫かな。まぁ、光賀がどこまでわかっているか知らないけど、父上経由で確認しつつ、船をどうするか考えようっと。



ーーーー

 「父上、本日は光賀に確認していただきたいことがございまして来ました。今後、いろいろと作ったり、モノを買ってくることが多くなると考えております。

 今は光賀が商いのため、各地に行ってもらっておりますが、そのうち、一人では足らなくなるでしょう。それに金子のことを考えると、安房の特産を作り、どこかで売って来ねばなりませぬ。

 なので交易、商いを拡大させるため、どの湊街で商いをするのが良いのか、光賀に話を聞きたいのでございまする」


「ちょっと待て、琴よ。我が里見家として、商いをすると言っておるのか、我らは武家よ。下賤な商いを自らするというのか。そちは」


「父上、なにをおっしゃっているのですか、父上のお言葉ではありますが、私は商いを下賤なモノとみてはおりませぬ。

 日々の必要なモノ、塩や食糧、衣服となる布地等は、光賀等の連雀が売りに来ているから買えるのであって、光賀達が来なければ買えないのですよ。

 それに、私の御神託で必要なモノのいくつかは、光賀に頼んで買ってきてもらっているでは無いですか。そのような事になっているのに、商いが下賤なモノと見ておられるとは、嘆かわしいですぞ、父上」


「んぐぅ、しかしだな、琴。我らは武家、里見家は、商いをしたことが無いのじゃ、商いをした経験がないのじゃぞ、それは、いかがするのじゃ」


「何も我らが直接、商いをする必要はありませぬ。里見家とは別に商家を新たに作り、光賀など我らのことをよく知っている連雀達に、商いをしてもらえば良いのですよ。光賀に新たに作る里見商家を任せれば良いのです」

 アレ、どの湊が商いに良いかを聞いてもらおうと頼みに来たのに、なんで商家を作る話をしてるんだろう、これも商いを下賤と言う父上が悪いのだ。

 まぁ、商家を作るのは悪くない。先を見据えればあって困ることは無いし、新しい船とかを貸せないから、どちらにせよ、どこかのタイミングで作っていたはずなので、良しとしようっと。でも、今では無いので商家作りは、横において、今日の目的を終わらせよう。


「父上、今はそのような話をしている場合ではないのです。商家を作る話は別の日に改めてお願い致しまする。

 光賀に確認してもらいたいことは、先ほども申しましたが、どの湊街で商いをするのが良いのかを相談したく思っておりまする。

 御神託で、いくつかの湊は聞いておりますが、その中でどれが良いのかは聞けず、私の方で選ぶことになるので、その判断をするため、連雀の光賀に確認したいのです。

 父上もおっしゃってましたが、商いの経験がなく判斷に困っておるのです」


「そうか、わかった。商家のことは、改めて話そうぞ。それと湊の方じゃが、光賀に確認はできると思うが、奴もここより西の地や地縁の頼れる地しか分からぬと思うぞ。それでもよいのであれば聞いておこう。それでどの湊に思し召しがあられたのじゃ」


「はい、如何なる理由かはわかりませぬが、この地より西側の湊のみ御神託がありました。

 小田原、下田、駿河の府中、沼津、大湊、宇治山田、津島、熱田、堺と数多あったのですが、府中と大湊が良いのではないのかと、まずは府中でと考えておりまする」


「そうか、そこまで絞られているのであれば、光賀に確認するのも楽じゃの、確認できたら、改めて、琴に伝えようぞ」


「よろしくお願い申しまする。商家については、光賀に確認してあとにでも、お話をされるがよろしかと思いまする」

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