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0032. 思い出五 下 おねだりの結果は大成功

 父上に御神託おねだりを伝えてから、氏兼達がいろいろと動き回っているようだ。二郎兄ぃも駆り出されているようで、数日いない日もある。みんな頑張って集めて欲しいもんだ。



ーーーー1ヶ月後

「琴よ。待たせたな。鯉と鶏と鴨については、二郎太郎達が頑張って、どうにかこうにか集めおったわ、これで足りるのか、わからんので、あとで確認してくれ」


「父上、ありがとうございまする。二郎兄ぃにも、感謝をお伝えください。獲ってきていただいた鯉や鶏などは、後ほど、数を確認しておきまする。そのうえで、当面は数を増やすように努めまする」

 ついに鯉農法、合鴨農法、畜産を進めることができるね。どうにかこうにかってことは、二郎兄ぃは、かなり苦労したんだろうから、感謝だね。

 どれくらい獲ってきたのかわからないから、まずは、養殖していかないと、すぐにうまく養殖できるわけじゃないから、数を減らさないように、慎重に注意が必要だね。



ーーーー2ヶ月後

「だいぶ待たせたが、ようやく、椎茸が見つかったようじゃ。木も切って準備もしてある、蜂の住処もそなたの指示通りに作ったと申しておったので、確認を頼むぞ」

 

「ありがとうございまする。やはり貴重なモノを探すとなると時間がかかりますね。探してくださった鞍馬衆、飯母呂の皆様にも、お礼をお伝え下さいませ。

 また、蜂の住処や椎茸を育てるための木の準備など、皆様にはご苦労をおかけしました。これから、御神託に沿って、栽培の準備を進めてまいりまする」

 おぉ~っし、椎茸が原木栽培出来るようになれば、金銭の余裕も出てきて、食文化を充実させられるだろうから、頑張って原木栽培を成功させるぞぉ~、大量栽培するためにも、ここで躓いてる場合ではないのだ!!



ーーーー3ヶ月後

「時間がかかったが、綿については、種子を二袋分、入手できたそうじゃ、後ほど、光賀から受け取ってたモノを確認してほしい。

 牛と豚か、それについては、牛は南蛮からさらに先に行かねば、おらぬらしいぞ。どうにか琉球の商人に頼んで手配を進めておるそうでの、今しばらく待ってほしいとのことじゃ。

 豚は、琉球から連れて帰ってきておるらしい。牧場なるものも社のそばにほぼ完成しておるので、豚などが到着したら、連れておくので、確認をしてくれ。

 それと琉球からいくつか食べられそうな物などを買って来ていると言っておったぞ。名を聞いてもわからぬゆえ、すべてそなたの牧場に運ばせることにしておいたので、運ぶ前に合わせて確認してくれぬか」

 

「父上、ご苦労をおかけしました。ここまで時間がかかるものとは、想像できておりませんでした。連雀の光賀には、大変ご苦労をかけました。

 牛と豚の事は、承知しました。その他の食べ物も含め届いているものから、確認致しまする」

 時間はかかったけど、どうにか農業チートをするために必要なモノは揃ってきた感じかな。綿花は季節的にまだまだ植えられないから、社に引っ越してからだね。

 いやぁ~、こんだけ、揃ってくるとワクワクするねぇ~。トライ&エラーで、頑張るわよ~~~、美味しい食事は心を豊かにすると思うし、父上、母上達にここまでいろいろと手を尽くしてもらってるんだから、少しは恩返ししないとね。

 あと、光賀が買い付けて持ち帰ってきた食べ物ってなんだろう?琉球と南蛮から持ってきたって事は、熱帯系の食べ物だよね。バナナとかそういうモノかな。楽しみだね。



ーーーー琉球買い付け品の確認日

 光賀に買い付けてもらった品々を確認する日が来た。結構、楽しみにしていたんだよね。琉球と南蛮からの買い付け品だからね、前世(令和)で言うと海外ブランドで現地でしか売ってない限定品を買ってきたっていう感じかな。


「たき、光賀が買い付けて持ち帰ってきた品は、これで全てですか」


「いえ、いくつかはこちらに持ってくるまでに腐ってしまったとのことで、悪臭がしておりましたので、庭に置いてあります」


「わかりました。そちらは、後ほど確認しましょう。それでは、こちらに置いてあるものから、確認しましょう」

 そう言って、目の前のお盆に乗っているモノを見るが、もう興奮して、落ち着いて話せたか分からない。

 だって、5つほどあるお盆に乗っているのは、サトウキビ・カボチャ・トウモロコシ・ジャガイモに甘藷かんしょ(さつまいも)だよ。これはもう神々に即、感謝を伝えないと。この時期に日本にあるものじゃないからね。ご都合主義ありがとう〜。

 トウモロコシ、ジャガイモ、甘藷は社に引っ越してから、がっつりと増やそう。サトウキビは、この安房の気候だと難しいかもしれないけど、温室を造って頑張る価値はあるな。枯れる前に、どうにかしてアイテムボックスにしまっておこう。カボチャも良いね。パンプキンパイとか甘味になるし。


「たき、この食べ物は社に引っ越してから、育てないとダメだね。ここで育てたら、争い事になるぐらい有用な作物だよ。

 光賀はスゴイ事をしたね。ただ、こちらのモノは暖かいところじゃないと育たないと思う。神々に相談できるかわからないけど、一日、私が預かります。他のも含めてね」

 よし、これで夜にでもアイテムボックスにしまおう。


「それでは、庭に置いてある悪臭のするモノを見ましょうか」

 そう言って、たきと部屋を出る。

 

 庭で見てきた結果、こちらも大当たりだった。だって、スイカ、ハニーメロン、チク、パパイヤ、ロンガン、サワーソップ、カスタードアップルだよ。

 よく琉球まで持って来れたし、これって、さっきの作物と一緒で日本いや、琉球にないでしょ、この時期。

 まぁ、こっちもありがたいけど。どれが安房で育つかわからないな。サトウキビと一緒で温室で育てるしかないか、最初は。

 全ての果物の実は腐ってたけど、種が大量に採れたから、来年に作ろう。でも、光賀って、スゴイわね。こんなに当たりの作物と綿を買い付けられるなんて、実は神の誰かが『なりすまし』してんじゃないの。

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