0296. 検証は丸投げしたけど、なんかブラック臭がしてきそうな
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氏兼達に渡した布と板は、若干の問題もありつつも、どうにか試作品を作ったり、町の周りを囲う板塀に使用したりできたようだ。
板塀は、そのまま設置して風雨や日照などの耐久性や木の板の間に仕込んで劣化するかなどを確認している。まぁ、1〜2ヶ月程度、様子見してからどう拡大するかを検討するみたい。
でっ、布の方は、もっと初期で躓いた。強度がありすぎて、みんなの使っているハサミだと、布を切り取れなかったんだよね。そりゃあ、刃などで斬られても大丈夫なように考えて、防刃性が高くなるようにしたんだから、普通に切れなくてもしょうがないよね。
なので、ウーツ鋼で切れ味を特化したハサミを1丁用意して、切れるのを確認してもらって、それから、何個か追加でハサミを作って渡した。
今は、布を衣服や甲冑の裏側に縫い付けて、強度がどうかや吸水性や肌ざわりの確認などをしたり、何度も斬りつけたりして耐久性確認したりしている。ちなみに縫い針も先端を鋭く尖らせた鋼で作ってある。
こちらは来週くらいには結果の報告をもらえるみたいだけど、今聞いてる限りだと、効果は高いようだ。
これでとりあえずダンジョン産の食材と木材系の利用のめどが立ったので、ひとまず安心だ。鉱石系は5層以下で採掘できるはずだから、その時にまた、みんなにお願いしよう。
でも、そろそろ1人でセルロースナノファイバーや鋼、オガ炭などの生産をするのもしんどくなってきたな。これに5層などでの鉱石系採掘やインゴット化が加わると、生産系の仕事で手いっぱいで他のことが出来なくなっちゃうか。
早めに何か考えておかないと、ひきこもりモフモフ生活が実現できないぞ。
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…
「花梨ちゃん、水蓮くん。ちょっと相談があるんだけど、このダンジョンって、私以外も入れるようになるのかな。今のままだと私の負担が増える一方で、減ることがないんだよね。何か解決策は無いかな」
一旦、神々に相談してみることにしよう。ダンジョンの仕様を作っているのは彼らなのだから。何か解決手段があるかもしれない。
「何かな。まだ回答してない質問あったっけ?」
「いや、この間の質問の件じゃなくて、相談したいことがあってね。今、4層まで来て生産や採掘などが出来るようになったじゃない。でも、出来る人間が私一人しかいないと、他のことが何も出来ないじゃない。そこでどうにかならないかなと思ってね。良いアイデアがあれば教えてほしんだよね」
「良いアイデアって、もうぅ、丸投げじゃないの、それじゃぁ。一応、神様に聞いてみるけど、期待しないでよね」
「わかってるわよ。なんか少しでもヒントになるようなことがあればと思って。まぁ、こうしてもらえるとすごく助かるって、わがままな希望はあるけど、さすがに最初からそれを言うのもどうかと思ってね」
「なんだぁ〜。そういう考えがあるなら教えてよ。神様に一応聞いてみるからさ」
「そんな大層なことじゃないよ。みんなが思いつく程度だと思うけど。例えば、4層とか5層とか、伐採、採掘、採取が出来るエリアにだけこの大聖宮人なら入れるようになるとか、鋼加工やセルロースナノファイバーの加工を鍛冶師か誰かができるようになるとか。ワークシェアが出来るようといいのよね」
「なるほどね。そういうことね。わかったよ、ちょっとそういう事もできるか確認してみるよ」
「うん、お願いね。あまり期待はできないだろうけど、ちょっとだけでもいいから、お願い」
……
…
ーーーー数日後
あれから数日。この間から何も変わりわせず、ボス戦を周回したり、モンスターハウスをクリアしたりしながら、4層での採取、伐採を行い、セルロースナノファイバーの布や板をどんどん作っている。
もうどれくらい作ったのか。数えるのもめんどくさくなるぐらいになっている。
そろそろこの間の質問というか、要望の答えを貰えそうな気がする。
「琴ちゃん、遅くなったけど、この間の質問の答えをもらってきたよ」
おぉ~、ついに来たぁ。どんな感じの答えなのか。今から楽しみだね。なんとなく予想はつくけど。