0294. 試食会は無事完了
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ーーーー数日後
試食会をする日がやっと来た。ただ、ダンジョンから持って帰ってきた山の幸は、季節が合っていないモノもあり、大聖宮近辺で手に入った食材は半分も無かった。まぁ、これはしょうがないので、味の比較はせず、試食することにした。でも、その中の一部は氏兼達が食べた事あるモノだったので、記憶にある味と比較してとは言ってある。
あとこの試食会までの時間は有効に使い、4層で材木と鉱石を少し伐採、採掘して鍛冶師と木地師のみんなに確認をお願いした。
使い道はあると思うんだけどね。そうなったときにどう安定供給するかを考えないと。はぁ~、時間を有効に使ったとはいえ、考え無いといけない事がまた1つ増えてしまったかな。
そんなことを考えながら、今日は奥之院の調理場に来ている。いつものように広間でも良かったんだけど、できるなら、出来立て熱々の料理を食べてみたいと思って、氏兼に無理を言って、調理場の空いてるスペースで試食できるようにしてもらったのだ。
「さて、たき、氏兼。お疲れ様。今日は無理を言って、この調理場で試食できるようにしてもらってありがとうね。それでは早速、始めましょうかね、試食会を」
「それでは、本日の試食会での料理になりまするが、料理は3品になりまする。山菜の衣揚げ、山の幸の塩炒め、それと汁物になりまする。汁物以外は、某達も初めての料理になりますゆえ、どのような味なのか、楽しみでございます」
「新しい料理が美味しいといいね。みんなが作って食べたいと思ってもらえると、食生活が豊かになるしね。そうなったら、山の幸を取りに行くのではなく、栽培できるようにしないとだね」
「栽培ですか。山の幸を某達で育てられるのでしょうか。米や蕎麦のように」
「そりゃあ、育てられるでしょう。最初は上手く行かないと思うけど、何度か失敗していけば、徐々に上手く育てられると思うよ。育てるものによっては、御使い様にお願いして育てやすくしてもらえればいいし。米や蕎麦とかだって、先人達、ご先祖様達が頑張って、栽培の仕方を見つけたから、今、田畑で育てられてるんでしょ。それと一緒だよ」
「そうでございますな。苦労をして、初めて育てられるというものですな。美味しければ。町のみんなに育ててもらいましょう。それで、どれから試食されますか」
「まずは、衣揚げにしようか。熱々のうちに堪能しよう」
まずは、山菜の天ぷらを箸で取って食べる。天つゆが無いので、塩を少し振りかけて食べる。
ほふほふ、揚げたて熱々、んっ、美味い。本当に美味いな。
周りを見ると、氏兼達も天ぷらを口に入れて、食べている。少し驚いた顔をしているな。まぁ、この時代だと、揚げ物って無いだろうからね。
「どう、みんな。美味しかった。口に合ったかな」
「………。………んん゙~~、……いやっ。美味しゅうございますな。山菜がしゃきしゃきして、薄っすらと苦味がある中、ちょっとかけて塩が程よく塩味を出し、山菜の味を上手く引き立てておりまする。
びっくりして、喋ることを忘れておりました」
おっ、よく食べ物チートである反応だね。美味しさのあまり言葉を無くすって。自分がそういう風に食べ物に対して、思ったこと無いから、目の前で見ると新鮮だね。それと食レポみたいなことを言ってて、面白いね。やっぱり人間、美味しいものを食べると、その感動を言葉にして、伝えたいんだね。うんうん、良いことだね。
たき、沙門、筑馬達もお互い味の感想を言い合っていて、天ぷらの良さを実感出来ているようでよかったよ。
「山菜の衣揚げを堪能してくれてよかったよ。大聖宮の山の中で採って来た山菜と私がもらって来た山菜と何か違いがあったかな」
「いえ、どちらも非常に美味しく食べれました。正直なところ、その違いは何もわかりません」
「それじゃ、次の料理を食べようか。次は、こっちの炒め物にしようか」
「炒め物でございますか。先程の揚げ物といい、聞いたことのない調理方法でございますな。見た感じ焼いているようですが、炒めとはどういうことなんでしょうか」
焼くと炒めるって、違いが分かりづらいよね。私も前世じゃ、そこまで料理をしてなかったから、違いなんて説明できなかったけど、ここでは違うよ。図書室で、気分転換にいろいろと料理本とかも読んだから、説明できるのさ(どや顔)
「そうだよね。違いって何かわからないよね。私も御使い様に聞いた話をするだけなんだけど、御使い様曰く、『食材の中までじっくりあまり大きく動かさず火を通すのを「焼く」って言って、食材をかき混ぜながら熱を加えるのを「炒める」って言うんだよ』だってさ。だから、この料理は山菜などを炒めながら作ったものだよ」
「なるほど、そうでございましたか。違いがようわかり申した。とはいえ、某が勝手方の料理人のように料理することはございませぬが」
なんだよ。興味持ったから、料理でもしたいのかと思ったら、しないのかよ。ほんとにじいちゃんのじいちゃんのときにいたっていう亭主関白って奴か
、氏兼は。
「まぁ、料理方法に興味あるなら、たまには、自分で料理を作ってみたらどう。まぁ、無理には進めないけど。それはさておき、食べてみて」
氏兼の話は、どうでもいいので、すぐに試食を促して、味の感想をもらおう。
……
…
こっちは、まだ天ぷらよりも反応が薄いな。まぁ、単純に塩でしか炒めてないから、味の深みと複雑さは無いからね。想像よりもちょっと美味しいって程度なのかな。
さて、最後に汁物を食べて、この試食会も終わりにしよう。