0280. 狐火ちゃん達を感じられてる?
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朝餉を食べ終わり、天堂に行く準備をしていると、たきから声をかけられた。
「琴音様、今朝はどなたかとお話をされていたのでしょうか。お声は聞こえなかったのですが、どなたか居るような感じがしまして」
おぉ~、すごいぞ。たきは狐火ちゃん達の存在を感じ取れるなんて、今までにはなかったことだ。狐火ちゃんが起こした事象の結果(火がおこったり、水柱が突然上がったりなど)を見ることはあったが、狐火ちゃん達本人の存在を感じられるなんて。
もしかして、私が狐火ちゃん達と話せるようになったからかな。
「そうなんだ。今日は朝餉の支度ができるまで御使い様達と少しお話をしていたんだよ。ところで、なんとなく誰かいるなって感じるようになったのは、いつ頃からなの」
「そうでございますね。確か琴音様が御使い様達と話ができるようになったと聞いた翌日だと思います」
やっぱりそうかぁ~、話せるようになったからかぁ~。たき以外も感じられる人がいるのかな。
「たき以外にも、感じられるようになった人はいるのかな。いたら、誰が感じられるようになったかまとめてほしいのだけど」
「他の人が感じられるかは、わかりません。そのような話を氏兼殿達やまつなどとしたことがなかったので、後ほど、みんなに聞いて確認しておきますね。ところで、どうしてそのようなことを知りたいのでしょうか」
「いやっ、大したことではないんだけど、私と御使い様の関係性が良くなるとみんなが御使い様の存在を感じ取れるようなるのか、たきだけが何か特別な力があるのかを知りたいってことと、もし前者なら、もっと良くなったらもしかしたら、みんなも御使い様の姿が見れるようになるんじゃないかなと思ってね。そのへんを確認したくてね」
「なるほど、承知しました。それでは、琴音様にお会いしたことのある力士衆や勝手方などにも確認しておきます」
「そうね。よろしくお願いね」
これで狐火ちゃん達のことがどう感じているのか、わかるね。もし本当に前者なら、みんなにこの素晴らしい狐火ちゃん達のモフモフを見て感じてもらえるわね。
まつだったら、ぜったいモフモフは好きだと思う。狐火ちゃん達を見たら、ハマると思うの。沼るっていうか推しになるというか、そんな感じになりそうな気がする。
意外に式神のときの様子を見ると氏兼と沙門も怪しいけどね。ハマりそう。
まぁ、どんな結果になるか、どう動くかは、たきの報告を聞いてからかな。
「それじゃ、天堂に行きますかね。御使い様との鍛錬を頑張らなくちゃ」
………
……
…
「それじゃ、行ってくるね。いつもと同じかな。遅くならないように戻ってくるか。それとたき。確認お願いね」
みんなといつもの別れの挨拶をしてダンジョンの中に入る。
早速、マンションの部屋に行き、いつものルーティンをこなそう。
「ところで、みんな。ちょっと確認したいことがあるんだけど、いいかな」
『…んっ。どうしたの。何かまずいことでもあった?』
「いやっ、そんなことはないよ。違う、違う、今来たばっかでそういうまずい状態になることもないでしょ。せっかく話ができるようになったから、いろいろとスキルのこととかで確認したいというか、気になってる疑問を解消したいというか。まぁ、スキルとか諸々のモヤモヤを解消してさっぱりしたいなと思ってね。いろいろ聞いてもいいかな」
『あぁ~、そうだね。いろいろとスキル習得に時間かかってたからね。神々もモヤモヤしてたりするから、うん、まぁ答えられる範囲で答えるよ。神々からの制限があって答えられないこともあるかしれないけど、大抵のことは答えられると思うよ。それでスキルの何を知りたいの』
3人が揃って、私の顔を見ながら、水蓮くんが答えてくれた。この様子だと、戻ってたときに神々とどこまで答えるかを調整してくれていたようね。助かるわぁ。
今日、質問して、回答は明日以降だと思ってたから。さて、質問したいことはたくさんあるけど、し過ぎると時間がなくなっちゃうから、今日は2−3個に絞って聞くことのするかな。
でも、神々もモヤモヤしていたってことは、やっぱり私の様子を観察していたのね。まぁ、いいけどさ。観察してんだったら、もっと早めにヒント出すとか、難易度下げるとかの調整を入れてほしかったな。