0268. 両親と久しぶりに再会
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父上と母上は、お昼前には大聖宮に到着したので、せっかくなので、みんなでお昼ご飯を食べることにして、その後に今日までの話をすることにした。
本当は姫御子の立場があるから、上座に座らないといけないんだけど、今日は久しぶりに会うし、心配かけたことをちゃんと立場を除いて、親子として謝りたいから、車座のような形で、座ることにした。
父上や母上、氏兼達にはそんな座り方ではと怒られたが、ここは私の気持ちを優先してもらい、渋々ながら納得してもらった。
はぁ~、こんな形式ばっか気にしていてもしょうがないのにね。体面を重んじすぎるのもどうかと思うよ。
「父上、母上。お久しぶりです。今日はわざわざこちらに来ていただき、ありがとうございます。顔を見れて、非常に嬉しいです。それと私の鍛錬の中で、大変ご心配をおかけして、ごめんなさい」
そう言って、頭を床につくぐらい下げた。
「……、琴音様。……いや、琴よ。今まで姫御子としての立場、御苦労様じゃな。姫御子の立場を汚さぬように努力している姿、氏兼達の式神より手紙をもらい聞いておるぞ。だがな、里見家当主としては嬉しいが、父親としては、まだまだ小さなお主が頑張っている姿は、胸が痛くなる………。無理をかけすぎておらぬか、………儂が不甲斐なさすぎぬのではないかと………。
此度の件、手紙を読んだとき、心臓が止まりそうになったのだ。…無事に戻ってきたら、御神託を破り姫御子を辞めさせてしまうのが良いのではないかとな………。まぁ、姫御子を辞めさせるのは、真里に止められたがな。しかし、それほどまで心配しておったのじゃぞ」
父上が声を震わせながら、時々、目を閉じながら言葉に詰まっている。本当に心配してくれていたのだなと実感する。父上の横で母上も目に涙を浮かべながら、私の顔をしっかりと見つめている。
「そうですよ、琴。殿の言うとおりです。妾達に心配をかけすぎですよ。もっと頻繁に手紙を送ってきなさい。様子がわからないから、余計に心配するじゃない。琴、そなたは、こちらに来る前の日の話を忘れてしまったのかしら」
忘れる訳ない。あの日の夜の父上と母上の温かい言葉があったからこそ、この大聖宮に来て、みんなのために頑張ろうと思えたんだから。
「母上、忘れてはいません。あの日の母上からの言葉、今も胸にしかと刻んでおります。あの温かい言葉を。
『そなたの母と父はわらわと殿じゃ。そのことは忘れないでおくれ。
姫御子としての振る舞いに困った事、苦しい事があったら、遠慮なく文を書くのですよ。絶対に力になりますから。
あなたの父と母は殿とわらわしかおらぬのです。どのような立場になっても、それは変わらぬことなのです。
だから、そなたが寂しくなったら、何時でも文を書き、会いに来ておくれ』
とかけられた言葉を」
「そうですね。その言葉、忘れずにいた事ありがとうね。でも、それならもっと頻繁に手紙を出して、頼ってもいいのですよ。そのことだけはもう一度忘れずに」
「母上、ありがとうございます。次は頼らせていただきます」
「それで、どのように天堂というところで過ごしておったのだ」
「父上、それはですね。………………………
………………………
………………
…………
…
」
父上と母上への話は二人が納得するまで、丁寧に説明することになった。本当は今日、日帰りで帰る予定だったようだけど、結局戻る時間がなくなってしまったので、泊まっていくことになった。
久しぶりに母上とお風呂に入ったり、一緒に寝れたりしたので、とても良かったが、説明するのはだいぶ疲れたよ~。まぁ、心配かけたから仕方ないけど、もう二度とこんなことはしたくないな。ちょっと最後の方は恥ずかしいことになってしまったので、また一つ黒歴史が増えてしまった。
父上と母上のあの視線がぁ~。今思い出しても恥ずかしい。でも、父上と母上には本当に感謝しかない。
次会うときは、もっと堂々と会えるようにしたいね。それともう少し頻繁に会わないと、母上が大変なことになりそうだ。まずは、手紙を出す回数を増やそう。週1回とか。