表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/324

0025. 思い出二 下 ウラ話の本編は予想通り

定期的に長く投稿しようと思いますので、ブックマークと☆、「いいね」で評価をしてくれたり、ゆるめの感想とご意見もらえると、嬉しいです!!

 母上は佇まいを整え、若干、緊張した面持ちで優しく語り始めてくれた。


「この話の最初は、さっき言ったように、琴、あなたが産まれる前日の夜のことであったの。出産を前にあまり眠れず、うつらうつらしていると、どこからか、わらわを呼ぶ声が聞こえてきての。

 声の主を探しながら、『殿の許しがあって、こちにきたのか』って、問い質したのよ。そしたら、声の主は少し掠れたような声をして、自分のことを宇迦之御魂神ウカノミタマノカミって、伝えてきたの。さらに、わらわに伝えることがあり、その言葉を忘れるなとね」

 母上は、御稲荷様のおねぇ様から御神託があった日の事を昨日の事ように思い出しながら、私がびっくりしないように優しく丁寧に描写しながら、話をしている。


「なんで、わらわが御稲荷様のお話を信じたかって言うとね。御稲荷様と話をしている間に、周りの音が聞こえなくなっていてね。

 居た場所の雰囲気が神々しく感じられるようになっていたのよ。あの場所がどこかは御稲荷様には聞けなかったけど、たぶん、御稲荷様の神域に連れて行かれたのではないかと感じたの」

 おぉ、いきなり神域に連れていくとは、これはまるで拉致(UFOアブダクション)の体験者になっているではないかぁ。うぉぉ、話が面白くなってきたぞ~。顔がニヤけてないかな。大丈夫かなぁ。ちょっと引き締めよう。


「琴、大丈夫ですか。少し顔に笑みが浮かんでますが、何か、わらわが冗談(てんごう言いましたか」


「母上ぇ、そのようなことはありませぬぅ。あまりの話に驚いたので、顔が呆けましたぁ」

 ヤバい、ヤバい。つい興奮して思ってた以上に顔がニヤけてしまっていたようだ。母上からの目が若干、厳しい感じに見える。


「まぁ、そうよね。いきなり、御稲荷様とお会いした話をされても、驚いて呆けるわよね。でも、琴、これは紛うことなき、本当のこと、殿にも身命を賭して、お話をしたことなのですよ」


「母上ぇ、わかりました。しっかりと、お話を胸に刻みまする」


「それじゃ、続けるわ。その時、御稲荷様からは、あなたに関することで、三つの事を言われたの。それを今から言うから、確と聞くのよ」

 そう言うと、母上はさらに引き締めた顔をなされて、父上と目線をあわせた。


「御神託として伝えられたのは、

 一つ、姫御子様として、そなたに加護を与える。

 二つ、わらわたちの目には視えないが、御稲荷様の御使い、白狐(びゃっこ様ををつける。

 三つ、そなたを嫁に出してはならぬ。

この三つを御神託として、わらわにくださったの。そのうえで、しっかりと子供を育てる事と言われたわ」


「それで御神託を受け終わると、いつの間にか、御稲荷様がお消えになって、周りの音も聞こえてきたの。でも、御稲荷様の御神託の事を殿にも話せず、すぐに陣痛がきて、そなたが産まれたのよ。

 殿に御神託の話をしたのは、出産が終わって、わらわの様子とあなたの顔を見に来たときだったわ」

 そう言うと、母上は、父上の顔を見た。視線に気づいた父上が、話を続けた。


「儂も、御神託の事を真里から聞いたときは、今のそなたのように、呆けた顔をしていた気がするわ。

 真里を労りに来たら、真里が真剣な顔して『わらわも他の人から聞いたら、信じられぬ事ではありますが、身命に賭して、今からお伝えすることは、嘘偽りない真のことにございまする』と言われてな。

 ただ事じゃないと思い、話を聞いたんじゃ。実際に真里から先ほどの三つの御神託の事を聞いたときは、腰が抜けそうで、言っていい事と悪い事があると問い詰めてしまったわ」


「御神託の内容を聞き、里見家当主として、そなたを姫御子様とすることにしてな。姫御子様に相応しい社と姫御子様の噂が広まったときに、人攫いに来れぬよう防備の拠点を作り、守り固めることと、周りに護衛衆を用意することにしたんじゃ。

 それが氏兼や二郎太郎、たきじゃ。他にもおるが、他はまたあとでな。社の場所を言っても、わからんじゃろうが、ここから南側にある地じゃ、我らが最初に、この地に来た白浜とこの地の間にあるような場所じゃ。

 それでな、姫御子となるそなたには、社が出来たら、そちらに移り住んでほしいんじゃ。今まで、この地で生活してきて、移り住むのは、気が進まぬかもしれぬが、よろしく頼む」

 そう言うと、父上は、私に頭を下げた。まさか、頭を下げるとは、ビックリした!

 それと、氏兼おじと太郎あにぃが護衛なんだ、よく会うなぁとは思っていたら、そう言うことだったのね。たきも世話してくれるのに、時々、周りの様子をうかがっているなぁと思ってたのよね、そんなに気にするぅって。

 あと、他の人って誰だろ?まぁ、引っ越せば、わかるか。それにしても、この時代はまだまだ『一所懸命』なのね。もともと住んでた所から離れるのは嫌なんだね。

 私は、前世(令和)の記憶があるから、全然、気にならないけどね。

 逆に守りを固めたひきこもり場所を用意してくれた上に、護衛まで付けてくれるんでしょ。もぉ~、至れり尽くせりじゃない。狐火ちゃん達とのモフり生活確定どころじゃなく、確変連チャンじゃない。

 でも、父上も母上も一世一代の話をしていて、神妙な顔つきしてるから、テンアゲで話を受けるとショックで倒れるかもしれないなぁ。私も顔を引き締めて、仕方なく受け入れた雰囲気を頑張って、作りましょう!!


「父上、頭をお上げください。母上もお話、ありがとうございまするぅ。琴には、だいぶ難しい話でしたがぁ、何となくわかりましたぁ。

 私は、姫御子?になってぇ、別の地で生きていけばいいのですかぁ。他に何かすることは、あるのでしょうかぁ」


「御稲荷様からは、先の三つの御神託以外は、わらわ達にはありませぬ。今後は、たぶん、そなたに御神託を授けてくれるやもしれぬゆえ、しっかりと気を持って、生活するのですよ」


「わかりました。何か御稲荷様から御神託?があればぁ、父上と母上にお話致します。その社を作っている別の地には、いつ頃向かえば、いいんですかぁ」


「御神託については、儂達に話しても問題無い話のみで結構じゃ。すべてを話す必要はないぞ。それと、引越しは、二、三年ぐらい先じゃ。まだまだ時間はかかるのでな。

 時期が決まったら、話をするので、安心するが良い。それと、社に行くまでは、姫御子のことは、公表せぬゆえ、軽々しく他のモノに話すでないぞ」


「わかりましたぁ」

 よっしゃ~、これで2-3年後には、ひきこもり生活確定じゃない。さぁ、この数年でいろいろと実験とかして、引越し後の生活を充実させるぞぉ〜〜〜〜、おぉ~〜〜。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ