0249. 御使い様の玩具を作ったんだよ
定期的に長く投稿しようと思いますので、ブックマークと☆、「いいね」で評価をしてくれたり、ゆるめの感想とご意見もらえると、嬉しいです!!
1/3から閑話で書いてました転生前(現代)の話【八百幻】については、別作品化しました。
本作の戦国時代での話のスピード感を上げるため、今後、本作では【八百幻】の話は投稿せず、以下の作品で投稿します。
始めの数か月は基本的に本作品の2章(2023年12月31日)までの八百幻の話の焼き直しで、一部言葉を変更したり、追記した作品になりますが、2024年1月1日以降に書いた話は以下でしか投稿しない予定です。
良かったら、こちらの作品も読んでください。投稿済みの話は週2回、それ以降は週1-2回を予定してます。
作品名
【八百万の幻獣物語 〜モフモフしたいがためにVRMMOを始めました。スキルを全て幻獣のために使ってたら、相棒が可愛くなりすぎてモフモフが止まらない〜】
https://ncode.syosetu.com/n6636io/
ーーーー昼寝後
ふわぁ~~。はぁ~。いやぁ~、よく寝たわ。頭がスッキリしているし、体の疲れも取れたみたいだわ。今日はそこまで体を動かしてなかったつもりだったけど、疲れたみたいね。
どれくらい寝たのかしら。まだ完全には暗くなってないから、一刻半ぐらいかな。
横を見ると、何もせずたきが座っていた。私の寝姿をずっと見ていたのかな。他にやることがあればやってくれてよかったのにな。
「ふわぁ~、たき、おはよう。ずっとそばに居たの。なにか用事があれば、してもらってよかったのに」
「琴音様、おはようございます。ぐっすりとお休みになられて、良うございました。寝ておられる間に少し用事はさせていただきましたので、大丈夫でございます」
「そう、それならいいけど。氏兼達も自分達の用事をしっかりとしていたのかな。それじゃあ、待たせたけど、御使い様向けの貢ぎ物について、みんなに話をしたいから、広間に来るように伝えてもらえる。私も準備できたら、広間に行くから」
「承知しました。それでは氏兼殿達を呼んでまいります」
たきではなく、たきと一緒に部屋に居たまつがみんなを呼びに部屋を出ていった。私は残ったたきと一緒に着替えをして、広間に向かうことにする。
ーーーー10分後
着替えて広間に行き、氏兼達が来るのを待つ。たきがお茶を用意してくれたので、棒茶を飲みながら、ぼーっとしていると、氏兼達が部屋に入ってくる。
「氏兼。お疲れ様、お昼寝しちゃって待たせちゃったね。さっそく、天堂の広場で見せた御使い様への貢ぎ物について、話をしたいと思うけど、良いかな」
「いえ、お気になさらず。それではお話をお願い致します」
「まぁ、そこまで大したことではないのだけど、御使い様ともっと仲良くなって、会話出来るようにならないかなと考えていてね。御使い様の好きなものを作ってお渡しすれば、一緒に遊んだり、使ってくれたりして、仲良くなれるかなと。会話ができるようになれば、今、教わっている陰陽師の御技の習得ももっといろいろと直接教えてもらえるんじゃないかなと、それ以外にも、神託も今まで以上にわかりやすくなったりとか、意図をきちんと理解できるんじゃないかなと。
今は何となく御使い様の言ってることが理解できる程度だからさ」
今回、物を作ってきた理由を氏兼達に伝えたんだけど、ちょっと驚いたというか、呆気に取られたというか、またかぁって顔をされてしまった。
やらかしなんてしてないのに、そういう顔をされるのは、遺憾でしかない。
「はぁ~、そうでございましたか。琴音様は、御使い様ともっと仲良くなるためにとお思いなんですね。でも、我らからすると、すでに御使い様の意図を感じられるだけでも十分過ぎます。これ以上のことはよいのではないかと思ってしまいまするが、とはいえ、琴音様がそのようなご意思をお持ちであるならば、我らができることをさせていただきまする。して、我らは如何様なことをすればよろしいでしょうか」
なんか渋々手伝うって気持ちが漏れ出てるな。というより、呆れてるのか。まぁ、手伝うって言ってくれたんだから、手伝ってもらおうかな。
「ありがとう、氏兼。それじゃあ、手伝って欲しいことは3つかな。今、御技を教えてもらってるのは、3柱?3体?なんだよね。
それで、目の前に置いてもらった3つがそれぞれ一個ずつ渡そうと思ってるんだ。
まず一番左にあるのが見てわかると思うけど、大八車みたいなものね。本当は、氏兼とか乗れるぐらい大きなものなんだけど、御使い様の大きさに合わせたので、これぐらいの大きさにしてみた。この日ノ本じゃない国で戦車って呼ばれてるものらしいんだけどね。
それで、手伝って欲しいことは、これをもっと可愛らしく飾り付けたいんだよね。これを所望した御使い様の話をなんとなく理解すると、花とか木々、草花なんかを模倣したのを飾り付けて欲しいみたい。
それで、真ん中にある人形は、衣装を着せてないから、この人形に合う衣装を作って着せてあげて欲しいのよね。
で、最後のはほぼ出来上がっているんだけど、まだ表面がざらついてたりするから、もっと滑らかに触り心地の良いものにして欲しい。あと、表面に漆とかは要らないからね。そのままの素地でお願い。
少しきょとんとしてしまってるけど、大丈夫かな。まぁ、花梨ちゃんの以外はそんな難しくないだろうし、花梨ちゃんの戦車もデザイン画を後で作って渡せば、どうにかなるだろう。
「………承知……しました?おっしゃられてることはわかるのですが、このようなものを御使い様はご所望されておられるのでしょうか。なぜ、ご所望されるのか理解ができず、申し訳ございませぬ」
あぁ~、きょとんとしてたのは、実用性もないものをもらってどうするのかって事がわからないからね。まぁ、コレクターズ・アイテムになるって言っても、わからないよね。好事家とか蒐集家って言えばわかるかな。
「氏兼、一応、もう少し説明しておくと、これらの品に実用性は無いよ。普段何かに使うことが無くて、集めておくだけだよ。好事家とか蒐集家とかって言葉は知ってるかな。御使い様達もそんな感じで、単にいろんなものをたくさん集めたいみたいよ」
「はぁ、そうでございまするか。ただ単に手元に置いておきたいものと言うことでございまするな。その好事家や蒐集家という言葉は知りませぬし、あまり理解は出来ませぬが、御使い様の皆様がご所望と言うことであれば、いろいろと皆で準備したいと思いまする。
ところで、この戦車とやらを飾り付けるところのみ、どのようにすればよろしいのか、わかりませぬので、ご指示いただければと思いまする」
「あぁ~、そうだよね。後で御使い様がどんな感じに飾り付けたいかなんとなく理解はしてるから、絵図に書いて渡すね。それを見て、参考にして作ってもらえるかな」
「承知しました。それでは、後ほど絵図をいただきましたら、町の大工の皆で作りまする。それとこの人形の衣装については、どう致しましょうか琴音様のような衣装にすればよろしでしょうか」
「そうね。一旦、そんな感じで作ってもらえるかな。それのほうが作りやすいでしょ」
これで一旦、最後の仕上げは氏兼達に任せて、私は狐火ちゃん達の好きな食材で何か料理を作ろうかな。