0239. 閑話・【???】転生者 琴の観察日記③ 結
定期的に長く投稿しようと思いますので、ブックマークと☆、「いいね」で評価をしてくれたり、ゆるめの感想とご意見もらえると、嬉しいです!!
ーーーー
ついにダンジョンに行く準備が整ったようね。まぁ、なんの武器も防具も用意はしてないようだから、今日は入って中を確認して終わりかな。
中に入ったときの驚く顔が楽しみだわ。どこまで驚くのかしら。
あれは一部の建築マイスター、ヲタが琴ちゃんの記憶を基に再現しているから、驚かない方がおかしい。
ダンジョンのある広場まで来たね。ダンジョンに直接入れないように、建物を用意したみたいだけど、ちょっと驚いているというより、呆れてる感じだね。どうしたんだろう?琴ちゃんがこっちに来る前に結構、こういう建物を見ていたから、もっと驚くか喜んでくれると思ってたのに、反応が薄いわね。
琴ちゃんは建物をよく観察すると、頭を振っているわ。なんか、小声で喋っているわね。
聞き取りづらいけど、
『……。どうしてこうなった。卑弥呼様達は、日本の神様だから、こんな感じの建屋は建てないと思うんだよね。オーパーツとまでは言えないが、この時代にはまだ無い建築様式でしょうよ。……。』
あぁ~、そういうことかぁ。琴ちゃんがいる今の日本だとこういう建物がないのね。まぁ、建築マイスターは、ヨーロッパの神だから、日本の建物は建てる気が無かったのよね。私達もまぁ良いかって思ったけど、そこまでのことかなぁ。
もう琴ちゃんが姫御子で神の加護があるのをみんな知っているから、気にすること無いのに。
建物のことも中のステンドグラスのことも、うまく説明したようで良かったわ。変な事になって、琴ちゃんの生活が上手く行かなくなったら、観察の楽しみが減っちゃうからね。ほっと一安心だ。
それにしても、ダンジョンの中になかなか入らないわね。そのままの勢いで、あの扉の中にも入ると思ったのに。まぁ、建物以上に見たこと無い様式で従者や侍女が警戒しているから、しょうがないけど。
これは今日じゃなくて、別日になるかな、ダンジョンに入るの。
いろいろと部屋を調べて、ついにダンジョン入りそうね。いろいろと理由をつけてるけど、入りたいって気持ちを隠しきれてないわよ。聞いてる男達もうすうす気づいてるんじゃない。
『宇迦之御魂神様、我、貴方様の御使いたる琴、今、この扉を開け、御身のもとに参上仕る』
やるわね。それっぽい言葉を唱えて、扉に向かってきて、開けようとしているわ。ちなみにあの扉、重そうに見えるけど、接触型の自動ドアになっていて、琴ちゃんが触ると、開くようになっているのよね。さすがにそこまでは琴ちゃんも気づいてないと思うわ。
扉に触って、琴ちゃんも重さは感じずに、サラッと開いてしまったことに驚いてるわね。いいお驚き顔いただきましたぁ。
『中を確認せず、帰るは宇迦之御魂神様に失礼極まりない事かと考えます。………。」
どうやらちゃんと理由付けして、入りそうね。それじゃあ、中から入ってくるところを動画でしっかりと撮ろう。
もう顔に【ダンジョンの中は、どんな感じになっているのかな。ワクワクが止まらない。】って書いてあるよ。
おっ、八百幻の待合室に気づいたね。懐かしそうな顔して、これもいただきましたぁ。少し思い出し笑いをしながら、嬉しさを噛み締めて、感傷に浸っていてる感じね。
琴ちゃんも丁寧っていうか心配性ね。この待合エリアは広くないのに、しっかりと周り全てを確認するなんて。ダンジョンの入り口以外に扉を2つ増やしてあるだけなのに。
琴ちゃんの令和のときの自宅マンションの部屋の扉と学生時代の学校の部屋ね。
今日はマンションの部屋だけかしらね。確認するの。電気ガス水道はちゃんと使えるよ。どういう原理か知らないけど、きっちりと再現したって言ってたから。ここにいれば、ストレスフリー、戦国時代の生活で疲れた心身をこの部屋で快適に過ごしてリフレッシュよ。そして、入り浸ってぐうたらしている琴ちゃんの様子を観察して、私もリフレッシュよ。
いやぁ~、琴ちゃん喜んでくれてるわね。あの顔、【ここに引きこもって、狐火ちゃん達と遊んで暮らすって、最高じゃない。】って思ってるわね。
あと窓の外の様子にも気づいたようね。これも謎の技術で実際の琴ちゃんのいた令和の外が反映されてるのよね。どうやって別世界の別の時代の様子を投射しているのかなと不思議でしょうがないわ。私には理解できない。
あぁ~、あの建築ヲタ達めぇ~。勝手に手紙を書いて、伝えちゃったな。完全にいろんな関係者が関与しているってわかっちゃったじゃない。この先もまだまだいるのに。はぁ~、これは調整案件になりそうね。
ーーーー
ダンジョンから戻ってきて、みんなと情報共有しながら、今後の進め方を決めるみたいね。もっとゆっくりと決めればいいのに。そんなに入りたいのね。ダンジョンに。
『……。天堂の中は、戻ってきたときも言ったけど、入ってすぐに広間があって、それ以外には、二つの扉があったの。一つは休憩できる部屋で、もう一つはたぶん、鍛錬する部屋だと思うわ。鍛錬する部屋の方は、入ってないから、あくまで推測だけどね。……。』
って、結構隠さずに共有するのね。でも、入ってないの学校の扉のことは言わないのね。いい選択ね。
『……。それに武器や防具がないと、鍛錬の部屋の中を確認できないし、したくないしね。……。』
かなり慎重ね。あの動きが出来るんだから、陰陽五行のスキル使わなくてもダンジョン低層1層、2層くらいなら、素手でもいけると思うけどな。
八百幻の初心者ダンジョンだってわかってるのにね。
まぁ、次の担当のときは、ダンジョンに入って、探索してるかしらね。
ーーーー
あれから少し経ったけど、まだダンジョンに入ってないのよね。
武器は、槍薙刀で片鎌槍の刃のようなものにしたようだけど、出来上がるまでに時間がかかりそうね。まだ待ちかしらね。ダンジョンに入ってる様子を観察できるのは。まぁ、次回以降の楽しみに取っておきましょうかね。