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0237. 閑話・【???】転生者 琴の観察日記③ 承

ーーーー

 町ブラをしてから、1週間以上経ったけど、すっかりあのダンスのことは忘れているみたいね。

 もう記憶の彼方に受け流しているのかな。と思っていたら、またあの侍女の娘にガツッとツッコまれて、思い出されたわね。あの娘、ほんとにいいわ。いい感じで琴ちゃんのことを追い詰めていくわね。ナチュラルに出来ているってところが恐ろしいわ。

 琴ちゃんも頭を抱えて【のぉ〜】って、感じになってるし。やっちまったことにもだえている姿もいいわぁ。過去の自分に言いなさい。先送りしたのは自分何だからね。

 おっ、忙しくて練習できてないから、無理ねと、素直に断りをしているわ。ちょっと遠回しの言葉を使ったから、これじゃ、説得できないんじゃない。

 『えっ、お披露目しないのですか。……。』って、『町の人達もあの舞を見たら、びっくりしながら喜ぶと思いますよ』って、言われちゃったねぇ。

どう返しをするかな。

『音も無いのに、奉納の舞をしてもね。みんな、よく分からないでしょう。………。神々にもちゃんとした舞を奉納して見てもらいたいし、見たいと思っているでしょうから。……』

 あらっ、定期的に観察されてるのを気づいている感じね。それもかなり短い周期だってこともわかっているわね、この発言だと。誰か、バレるようなことをしちゃったのかしら?観察日記を読む限り、バレている感じはしないのに。これは、ちょっと注意しないといけないわね。しっかりと今日の観察日記に書いておかないと。

 それにしても、観察に気づいた瞬間に立ち会えるなんて、ラッキーだわ。もう目に焼き付けておかないと。脳内リピート確定だわ。


 おっと、少しトリップしていたら、話が進んでいたわ。男の従者?になにか言われたのか、ぐぐっと追い詰められているわ。いいぞぉ~、もっと追い詰めて、ダンスをさせちゃえ。

 おっ、別の侍女からもお願いされて、ぐぅと唸っているわね。もう少しよ。もう少し追い込めば、同意するはずよ。頑張れ。


 あぁ~、引いちゃったぁ。惜しかったわねぇ。まぁ、琴ちゃんがダンスを教えることになっただけでもいいか。教えている姿を見るのも楽しみだわ。それにしても琴ちゃん、問題を先送りできて、ほっとしているわね。1年後って、すぐなのに。まぁ、私達の時間にしたら、もっとすぐだから、楽しみだわ。これは、早くも来年の秋祭り前から観察担当にならなければ。


 おっ、男が何か言ってるな。

『………。姫御子様の舞を見たあとに……。武芸と同じ様に繰り返し鍛錬するしかありません。体捌きを覚えるまで、姫御子様に舞を見せてもらうしかありませんが、よろしくお願い申し上げます』

 いいじゃない。良いこと言うわね。これは秋祭り本番の担当にならなくても、それまでの担当になれば、琴ちゃんのダンスを見れるってことね。他の担当をうまく言いくるめて、担当にならないと。

 琴ちゃんたら、悔しそうな顔をしているわね。そんなに嫌がらなくてもいいのに。観察されてるのに気づいているなら、諦めればいいのに。



ーーーー

 いやぁ~、うまく担当になれて、琴ちゃんのダンス指導を何回か見れてよかったわ。眼福、眼福。琴ちゃんの幼稚園児体型でのダンスって、もう尊みが過ぎて、何度、鼻血が出そうになったか。実際は、1,2回出ちゃったかもしれない。

 あと1人の時、時々独り言言ってるのに気づいてないわね。【あぁ~、卑弥呼様とかは私の様子を観察してるだろうから、もしかしたら、腹を抱えて笑ってるかもね。気にしないというか、メール・チャットとか念話とかができないから、向こうの様子がわからないし、コミュニケーション断絶、適度な距離感ってやつでホント、精神的安寧が保たれて助かってるわ。のんびりできて、よいわぁ~】

 って、侍女に聞かれたら、やばいことになりそうで、ちょっと心配だわ。やろうと思えば、コミュニケーションは取れるんだけどね。まだまだ、そんなことはしなくていいかな。

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