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0234. 閑話・【八百幻】初調合 with 狐火ちゃん

「………。ふんふん。……うんうん。…………大丈夫そうね。問題ないわ。あっ、それとさっき聞き忘れたけど、買い取った素材の採取場所をあとで教えてね。今日の調合作業が終わってからでいいから」


「あっ、そうですね。報告し忘れてましたね。作業が終わったら、報告します」


「それじゃあ、水溶液の調合始めちゃいましょうね」

 そう言って、アンネさんは、コンロの火をつけたあとに小鍋に水を入れて温め始めた。


「琴音さんは、まずはこの茎から葉を取り除いてもらえますか。必要な部分だけに材料を加工しちゃいましょうそれが終わったら、こっちの花から花びらを取って選り分けてください。出来たら、茎と花びらを鍋に入れて、煮ましょう。ここまでが、このメモに書いてある。手順2までですね」


「あっ、ありがとうございます。丁寧な説明で助かります」

 アンネさんに言われた通り、葉と花びらの処理をして、茎と花びらを煮ることにする。ここまでで5分くらいだろうか。サクっと作業がすすんいる。


 鍋で材料を煮ながら、狐火ちゃんの様子を見ると、狐火ちゃんが残っている葉っぱと花びらがない花弁をちょいちょいしながら遊んでいる。まるで猫じゃらしで遊ぶ猫のような感じだ。

 いやぁ〜〜、可愛らしい。尻尾をフリフリしちゃって、もう何時間でも見てられるわぁ~~。


「………。……さん。琴音さ〜ん。聞こえてますか〜。鍋から吹きこぼれてますよ」


「えっ、なんですか。アンネさん」


「もう、琴音さん、火、火。鍋から汁が吹きこぼれてますよ」


「あっ、ほんとだ」

 アンネさんに声をかけられて、鍋から汁が吹きこぼれていた。慌てて鍋を火から離して、吹きこぼれを抑えるが、2−3割の汁が減っている。

 あちゃぁ、やってしまったぁ。狐火ちゃんの様子に見蕩れてしまって、鍋のことを忘れてしまった。まだこの汁使えるだろうか。


「アンネさん、すみません。っで、この汁ってまだ使えますかね」


「う〜ん、この色だと煮出し過ぎてますね。使うのは難しいと思いますよ」


「水で薄めてもダメですか」


「水で薄めると、成分が薄くなって、必要な効果が出ないと思いますよ。品質が悪くなるのを覚悟するなら、使えなくもないですが」


「えぇ~、それじゃあ、意味無いです。せっかく初めて作るので、できる限り高品質の魔導具を狐火ちゃんに作ってあげたいので。諦めて、もう一度準備して、煮出します」


「そうですね。それがいいと思います」

 

 ボフッ


「きゃっ、びっくりしたぁ。えっ、何が起こったぁ」

 アンネさんと話をしていると、狐火ちゃんのいる方で、なんか音がした。爆発したと言うよりは、空気が大きな穴から抜けたような音。なんだろうと、狐火ちゃんを見ると、狐火ちゃんの毛が逆立っている。これはこれで可愛らしい。


「あぁ~、やっちゃいましたねぇ」

 って、アンネさん、どうして音がしたか、理由を知ってますね。


「えっ、アンネさん、理由わかるんですか」 


「わかりますよ。時々、同じように調合を失敗する人がいるので原因は、さっき取った葉に魔力を注ぎ過ぎて、葉が破裂したんですよ」


「葉っぱって、破裂するもんなんですかぁ」


「この植物はね。全ての植物が爆発するわけじゃないから、安心して。この植物が特殊なのよ。でも、派手に破裂しちゃったわね。このあとの作業で必要だったけど、しょうがないわね。まぁ、茎の煮出しも失敗してるし、両方新しく準備してやるしか無いわね。って、あらっ、普通のモノがもう無いじゃない。こっちの変種でやるしか無いかしらね」


「大丈夫ですかね、その変種を使っても」


「まぁ、大丈夫じゃない。変種を使っての調合はしたこと無いけど、そんなに貴重な植物でもないし、イケると思うわよ」

 なんか、軽い、判断が軽すぎる気がするが、私では、そんな判断も出来ないので、アンネさんの言う通りにするしか無い。

 先ほどと同じように茎から葉っぱを取り除いて、花からも花びらを取る。作業自体は簡単なので、サクッと終わらせる事ができた。

 さて、同じ失敗をしないように、狐火ちゃんは後ろに控えてもらって、目に入らないようにする。

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