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0227. 閑話・【八百幻】初グッズカスタム!グッズマスター?

 ギルドに戻ったあとは、予定通り首輪とブレスレットの鑑定をしてもらったのだが、ブレスレットは、普通の魔導具になっていただけだったので、問題無かったが、首輪は想定以上に品質が良く、また効果は少ないが能力向上スキルが付与されていた。

 今までに初期レベルの魔導具で、能力向上も含めて、能力付与された魔導具が出来たことが無かったので、若菜さんは、鑑定結果を見た時に死んだような目をしていた。

 たぶん、この件をギルマスに報告したあとのことが想像できて嫌になったんだろうと思う。

 若菜さんからは散々、何故こうなったのか、問い詰められたが、その場に居て素材の品質も確認している若菜さんに話せる内容は何も無く、最後は肩を落として、ギルマスの部屋に向かう若菜さんであった。

 ご愁傷さまである。私に責任は無い。手順を教えたのも若菜さんだし、素材収集のクエストを教えてくれたのも若菜さん、使う素材を確認したのも若菜さん、首輪を報酬としてもらったクエストをおすすめしたのも若菜さん、すべて若菜さんを起点にして、私は行動しただけなのだ。


 その後数日間、魂が抜けたような感じに若菜さんがなっていたので、翌日にカスタマイズする話は延期して、ショックから戻ってきたら、カスタマイズの話をすることにした。



「若菜さん、お疲れ様です。やっと落ち着いたようですね。今日の仕事終わりにこの間の続きのカスタマイズをしたいのですが、よいですか」


「もぉ~、『よいですか』じゃないわよ。琴音さんのやらかしのおかげで、ここ数日大変だったんだからね。ほんとにぃ、ギルマスも疲れてたわよ。報酬しないといけないって」


「そんな大事になったんですね。ご愁傷さまです」


「もぉ~、まぁいいわ。カスタマイズの作業は大丈夫よ。ただし、これ以上変な事にならないように、ギルマスも同席したいって。なので、作業する場所は、ギルマスの部屋の横にある会議室ね。必要な道具はもう揃えて置いてあるから」

 おっと、なんか知らないが要注意人物のような扱いになっているぞ。まぁ、初めてなのでどうなるかわからないから、周りにちゃんと聞ける人がいるのはありがたいな。


「わかりました。それじゃぁ、その会議室でお願いします」


「じゃぁ、行きましょうか。案内するわ。そして、ギルマスも呼んでくるわね」


「あのぉ、まだ仕事時間中じゃないんですか。いいんですか。私に付き添って」


「いいのよ。あなたのやることを見守るのも、大切な仕事の1つになったのよ。ギルマスも同席するんだから、仕事よ、仕事」

 はぁ~、そうなんだ~。まぁ、早めにカスタマイズができるから、私としてもありがたいけど。ほんとにそれでいいのか。


 会議室に案内され、部屋の机を見ると、手芸用品等が置かれている。前のような合成板は無い。今回は単純に手芸をするようだ。それだったら、何か不測の事態が起こることはないと思うが。


 5分ぐらい部屋で待ってるとギルマスと若菜さんが入ってくる。初日に会った以降は会って無いので、久しぶりの気がする。なかなかギルマスに会う機会なんてないだろうから、すでに2回目で十分だ。これ以上会うようなことがないようにしたい。


「おっ、琴音さん、久しぶり。また何かやらかしてくれて、こっちは大変だったよ。今日は何も無いようにお願いね」

 何だ。こっちはやらかしをしてる気ないし、勝手にやらかし認定してるのはギルド側だし、今日もやる前提で話されたので、ちょっとイラッとする。

 まぁ、この人の相手をしていると疲れるので、華麗にスルーするが。若菜さんも冷たい視線を浴びせてるし、対応に問題ないだろう。


「若菜さん、カスタマイズのやり方教えてください。ここにある道具を見ると、単なる手芸のような気がするんですが、そんな簡単な事で良いんですか」 


「そうね。ここでの作業は単純な手芸のようなものと思って大丈夫よ。終わったあとに蒸着処理のような感じで、きちっと外れないようにするから。その作業は別の部屋でするのよ」


「あぁ~、そうなんですね。だから、手芸用品ぐらいしかここにはないんですね。それじゃぁ、早速、作っちゃいますね」

 狐火ちゃんの雰囲気を忠実に首輪で再現しよう。素材として持ってきた毛皮や羽毛の特徴を活かしつつ、色模様を工夫すればどうにかなるんじゃないかな。あまり手芸は得意じゃないから、そこまでの出来にはならないかもしれないけど。細部まで丁寧に仕上げれば、それなりになるだろう。



ーー20分後

「できたぁ……」

 自分の手で作った首輪を見て、満足そうに笑ってしまった。狐火ちゃんの色合い等、うまく表現できているんじゃないかな。

 よし、私のブレスレットも同じように作ってしまおう。


 その後無事にブレスレットも手芸部分は完成した。このあとは、蒸着処理っぽいのをしたら、完成だ。ここまでは何も起きてないから、大丈夫だろう。というか、変なことなんて、起きる要素はないと思う。


 結局、蒸着処理も何事も無く終わり、ギルマスは何故か残念そうな顔をして自分の部屋に戻って行った。人のことをおもしろいおもちゃのように思っているんじゃないかな。何か起こすって。

 若菜さんは、ほっとした顔をしている。若菜さんも若菜さんで、私が何か起こすんじゃないかと、想定していたな。

 二人揃って、やらかし前提でいるなんて、もぉ~。

まぁ、これで少しは誤解は解けたし、やらかし期待値も下がっただろう。


 でも、やはり何か作るって楽しいな。今後も仲間が増えるだろうから、色んな幻獣たちと交流しながら、グッズを作っていこうっと。

 将来、「グッズマスター」と呼ばれるようになったらどうしよう。なる気は無いけど。

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