0224. 閑話・【八百幻】いよいよ始まるグッズ製作
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「ありがとうございます。今度、そのお店に行ってみます。きっと狐火ちゃんの毛や他の魔獣とかの毛皮、羽毛など使って、狐火ちゃんたちの姿を模したぬいぐるみやクッションなどを作ったら、もっと仲良くなれるのではないかと思うんですよ。そう思いません。だから、魔導具化が終わったら、グッズを作ってみようと思います」
さっきの若菜さんみたいに、ぐいっと顔を近づけて、熱量高めに話をしてみる。
「ちょっと、顔近いわよ。まぁ、たまにそういう人がいるから、今度紹介してあげるわ。良い話し相手になるんじゃない。それはそうと、クエスト受けると全部で6つになるから、順番でお願いね。いっぺんに受けちゃうと期限切れになるかもしれないからね」
「えっ、でも受けないと、他の誰かにクエスト取られたりしませんか。大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。この相談窓口に置いてあるクエストは、私達の手元にあるうちは、掲示板には出てないからね。2-3日は掲示板に出さなくても大丈夫よ」
「へぇ~、そうなんですね。それじゃぁ、安心してクエストを受けます。まずは、どれからがいいですか。あっ、もちろん、討伐系は最後にしてですが」
「そこだけはぶれないわね。まぁ、いいわ。採集系クエストなら、この順番かしらね」
ーーその後、若菜さんから、採集系と討伐系のクエストを受注して、どうにか少し時間がかかったり、黒歴史になってしまった思い出したく無い事もあったが、必要な素材は揃った。
一応、素材の一部は、調合が必要だったので、そっちの方も終わらせてはある。なかなか難しかったが。おかげで採集と調合のスキルが少しだけ上がった。何か新しいものを作れるようになるとか、品質が上がるとかまでは無く、少しスムーズに採集や調合の作業ができるようになったぐらいだ。慣れなのか、スキルレベルが上がった恩恵なのか、わからないが。
そして今日は、素材の準備が終わったので、若菜さんのところに来て、どう作れるのか、教えてもらいに来たのだ。ギルドの受付係に魔導具製作のことを教えてもらうなんて、なんか、若干の違和感はあるが、まぁ、私の知り合いに魔導具製作のことをわかっている人が居ないので、しょうがないと思っている。
「若菜さん、お疲れ様です。この間から集めていた素材がやっと全部揃ったので、魔導具製作のことを教えてもらってもよいですか。お願いします」
「あぁ~、やっと集まったのね。ちょっとまだ仕事中だから、仕事が終わってからでいいかな。もう少しで終わるから、隣のカフェかギルド内のどこかに居てもらえるかな」
「えっ、あっ、はい。待つのはいいですが、教えてもらうのって、ギルドの仕事としてじゃないんですか?てっきりギルドの仕事の中にこういう教えるとかのサポートの仕事もあるのかと思ってましたが」
「そんなの無いわよ。ギルドでサポートするのはクエストに絡む事よ。スキルのことはどんなスキルかの説明とかクエストで必要そうなスキルの話をするかぐらいで、いくらなんでもクエストのためにスキルを教えることなんてないわよ。これは、友達としてのおせっかいよ」
若菜さんに友達と思ってもらえてたんだ。なんか嬉しいな。仕事始めてから、面と向かって友達だって言われたの初めてかも。
「えっ、ありがとうございます。そこまでしてくれるなんて、嬉しいです。それじゃぁ、待っている間、ギルドの図書室で本を読んでます。終わったら、声をかけてもらってもいいですか」
「わかったわ。それじゃぁ、図書室に仕事が終わったら行くから、待っててね」
「はい、それと今日、教えてもらう場所ってどこ何ですか」
「あぁ~、それは近くにある生産ギルドの作業室よ。琴音さんも、素材から調合した時に使ったことあるでしょ。あのギルドよ。まぁ、調合した部屋とは違うと思うけど」
げっ、あのギルドかぁ、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、やらかしちゃったからなぁ。行ってまた白い目で見られなきゃ良いけど。まぁ、そん時はそん時だし、それに若菜さんと一緒だから、そこまでの目はしてこないだろう、たぶん。っと思っていると。
「琴音さん、もしかして、何か生産ギルドでやらかしましたか。その表情、怪しいですよ」
あっ、顔に出てたか。いや、そんな顔してないはず。
「なっ、何を言うんですか、そんな事あるはずないじゃないですか。ちょっと、ほんのちょびっとだけご迷惑というか、ざわついただけですよ、今回の件で調合しないといけなかったから」
「そんなことがあったのね。って、もしかしてあのことかしら、部屋を予約した時に、アンネに確認されたことがあって。なんで、そんなことを聞くのかなって、不思議に思ってたんだけど、もしかして琴音さんの事があったからなのかな」
「アッ、アンネさんて、生産ギルドで受付している方ですかぁ」
「そうよ。そのアンネよ。使ったことあるなら、知ってるでしょ」
ガックシorz。アンネさんと若菜さんが知り合いなら、もうバレているわね。若菜さん、知ってて私を遊んだなぁ。性根が悪いんだから、もぉ~。
「じゃぁ、もういいです。何も言うことありません。アンネさんから、詳しく話を聞いているでしょうから、私から言うことはないですよ。それより、早く仕事を終わらせてくださいよ」
「はいはい、それじゃぁ、仕事してくるから、図書室で待っててね。終わったら行くわ」
若菜さんがギルドの受付に戻っていったが、私はず〜んとした気持ちで肩を落としながら図書室に向かうことになった。