0223. 閑話・【八百幻】グッズ作製の素材が足りない
「それじゃぁ、足りない材料を集めてくるので、クエストで集められるのを教えてください、さっそく行ってきます」
「ちょっと待ってね。この2つとも、複数の魔道具化ができるわよ。どういう魔導具にするかで、材料も変わってくるから、先にどのような魔導具にするか決めちゃってよ」
へぇ~、そうなんだ~。最初の簡単な魔導具だと思ってたから、できるのは1パターンのみかなと考えてたけど、複数の選択肢があるのね。どれが良いか考えなきゃ。
狐火ちゃんは、魔法アタッカーぽいから、ほんとは後衛のほうが良いのかもしれないけど、私が前衛できないから、ここは前衛の仲間ができるまで、前も出来るようになってもらわないとかな。
そうすると、敏捷性を上げるか、属性を上げて火力アップを目指すかの2択かな。まぁ、首輪がどちらかの魔導具化ができればの話だけどね。全く別の効果の魔導具になったら、それはそれでしょうがないかな。
私は敏捷性とか属性が上がっても役に立たないから、生産系の品質が上がるほうが良いかな。そうなると器用さが上がるのが良いかな。
「そうなんですね。それでどんな魔導具に出来るんですか、それぞれ」
「首輪のほうが素早さがちょびっとだけ上がるモノかそれともちょっとだけ体力がつくのかどちらかだね。でっ、ブレスレットのほうがちょびっとだけ頑丈になるか、ちょびっとだけ魔法が使いやすくなるかのどちらかだね。どうする、どっちを選ぶ」
狐火ちゃんの方は、希望していた役立ちそうな能力が上がるモノになりそうなので、素早さを上げるので1択かな。それに比べて私の方はどうしようかな~。どっちもイメージしてなかったけど、どっちを選ぶかってなるなら魔法の方かな。前衛をやることはないから、頑丈になってもなぁ~と思うので。
「その2つなんですね。悩ましいけど、首輪は素早さが上がるやつで、ブレスレットは魔法が使いやすくなるやつにします。それで何を集めてくればいいですか。必要な素材を集めるクエストってありますか」
「両方とも必要な素材を集めるクエストはあるわよ。当然、クエストだから、必要数は納品してもらわないといけないけど、多目に採集してきて、納品しなかった分で作ればいいと思うわよ。足りない素材はそれぞれ3つだね。6つのうち、4つは採集のクエストで、残りの2つは討伐クエストで手に入るわよ」
「えぇ~、討伐クエストもあるんですか、それは私には難易度が高いと思いますが。大丈夫ですかね。この間のチームクエみたいなことにならなきゃいいですが、心配です。討伐クエストは無くてどうにかなりませんか」
「やっぱりそうきたわね。討伐クエストで納品してもらう素材の魔獣は、この間と変わらないレベルだから、1人でも、どうにかなると思うわよ。新人の冒険者が受けるレベル何だから。どうしてもダメだったら、最後の手段はあるけど、最初からそれに頼っちゃダメよ。失敗したら教えてあげるわ」
「えぇ~、最初から教えてくださいよ~。結局は最後には教えてもらうことになるんだから。最初に教えても変わらないですぅ~」
「そんなワガママ言わない。一応、冒険者でしょ。それにチームクエストも達成は出来なかったけど、ボアープも仕留められたでしょ。大丈夫よ」
「そんなのギルドの横暴だよ。私はもふもふしたいだけの、ある意味生産系の冒険者だよ。そんな、その辺にいるような戦うのが好きな冒険者とは違うのにぃ」
「はいはい、言いたいことはわかったわよ。でも、相談受けて、必要なクエストを紹介してるんだから、魔導具を作りたきゃ、はい、受注する。魔導具作らないの、作るの、どっちにするの」
「うぅ~、作りますよ、作ればいいんでしょ。でも、首輪もブレスレットとも、狐火ちゃんをオマージュしたモノにしたいから、そこは譲れませんよ」
「はいはい、わかったわよ。狐火ちゃんをオマージュして作りたいなら、魔導具化した後に見栄えのデザインでどうにかするしかないわね。狐火ちゃんの毛を使ったりすると良いと思うけど、大丈夫かしら。幻獣によっては、嫌がる子もいるから」
「そうなんですね。あとで狐火ちゃんに確認してみます。使っていいか。それと魔導具にならないものも一緒にデザイン変更ってできますよね。あと、他に幻獣の毛を使ったり、魔獣の素材を使って作れるグッズとかってあるんですか。イメージだと、自分の好きな幻獣たちの姿を模したぬいぐるみやクッション、マフラーなどが出来るかなと思ったんですが」
「そうねぇ、魔導具化をしないんだったら、なんでも出来るわよ、当然。今言ったぬいぐるみやクッション、マフラーでも、あとは素材次第じゃないかしら。そういう小物を売ってる店もあるから、今度、覗いてみたら、参考になると思わよ」