0222. 閑話・【八百幻】初ソロ報酬でグッズ作製したい
「はいはい。なんか急に態度変わったわねぇ。まぁ、いいけど、それでクエストの相談をしたいのよ。何か良いのないかしらと思ってね。でも、さっきのブレスレットの話とか聞いて、ちょっとだけ参考になりました。私、魔導具製作、採集、調合のスキルを持ってるから、そのスキルを活かせるクエストをしたいなと」
「あぁ、そうなの。それなら、前にお祭りの後始末のクエストでもらった小物のアクセサリーをカスタマイズしたり、魔導具化したりしてみたらどう?」
「えっ、あの小物って、魔導具の素材になったりするんですか」
「なったりならなかったりかな。モノによってよ、当然。でも、出来そうなモノを戦利品として持ち帰ってた気がするわよ。今も持ってる?まずは、魔導具化できるか、確認してみましょうか」
「あっ、はい。お願いします。まだどう身につけようかと考えていて、あまり身に着けて無かったので、仕舞ってありますよ」
そう言いながら、アイテムボックスから、この間のクエストの戦利品を出す。
クエスト報酬として持ち帰って来た品は、赤オレンジ系のスカーフと青紫っぽい首輪、同じく青紫っぽいブレスレットと金メッキのアンクレットだ。
どれが魔導具化出来るのか、わからないので、一旦、全部若菜さんに渡す。
「ありがとうね。それじゃぁ、ちょっと詳しく見てみるわね」
「あれっ、若菜さん、そんなことまでできるんですか。小物のアクセサリーが魔導具化出来るのか、鑑定みたいなことが」
「まぁ、鑑定スキルは持てないわよ。なくても、初心者向けのアクセサリーの魔導具ぐらい、どんなモノで出来るのかは、さすがにここのギルド職員なら、判別付くわよ。あっ、ギルマスとクラッガは除くけど」
おぉ~、そうなんだ~。スキル無くても、見極め出来るって、すごいな。あとでコツを教えてくれないかな。
「若菜さん、若菜さんの話を聞く代わりに、私にもそのアクセサリーを魔導具化出来るかのコツを教えてもらってもよいですか。交換条件ってことで」
これで教えてもらえれば、いろいろと小物を魔導具化して、何かあったときの安全性が上がるはず。
「う~ん、そうねぇ。本当はギルド職員向けだから、教えられないんだけど、琴音さんには、いろいろとこれからもお願いすることがあるだろうから、私の権限で教えられるところまでなら、いいわよ、特別だからね。でも、定期的に話を聞いてもらわないと、割が合わないわね。だから、よろしくね」
げっ、話を聞くの1回で、教えてもらおうと思ってたのに、定期的とは、ぐぅ、これは辛いかも。でも、魔導具製作のスキルを育成したいから、ここは都度相談しながらにするしかないか。
「定期的に何回もだと、私も割に合わないかもしれないので、都度相談でどうですか。今回は、さっき話を聞いたことで、教えてもらうのと相殺って事で」
「もう本来なら、教えられないし、1回聞いてもらったぐらいじゃ、足りない気がするけど、まぁ、今後も話を聞いてくれるなら、今回は特別よ。この後でも、明日以降でも良いけど、都合の良いときに教えるわね」
「ありがとうございます。この後でも大丈夫です。クエスト次第ですが」
やったぁ~、これでちょっとしたもので魔導具が作れるかわかるようになるわ。
「そう、それじゃぁ、まずは出してもらった小物をチェックしましょうか。その後、魔導具化するのに必要な素材があれば、その素材のクエストを紹介するわね」
そう言って、窓口の机の上に出した戦利品を若菜さんがチェックし始めた。
スカーフは、少しほつれていて薄汚れている。首輪、ブレスレットとアンクレットは少し傷がついたり、凹みがあったりする。 狐火ちゃんに首輪とスカーフ、私にブレスレットとアンクレットで考えていているから、それぞれ1つづつは魔導具化が出来ると嬉しい。
1-2分ぐらいだろうか、若菜さんは真剣に4つの小物をチェックしていた。さっきとは雲泥の差の顔をしている。失礼ながら、ずっとそういう顔していたら、もっと尊敬されるんじゃないかなと純粋に思ってしまった。
「ふぅ~、やっぱり集中すると、疲れるわね。でも、出来そうなモノがわかったわよ」
おっ、わかったんだ。どれが魔導具に出来そうなのかな。
「お疲れ様です。どれが魔導具化出来そうですか」
「そうねぇ、出来る可能性があるのは、この2つ、首輪とブレスレットね」
おぉ~、とりあえず私と狐火ちゃんそれぞれ作る事ができそうで良かったわ。あとはどうやったらできるのかだね。
「よかったぁ~、狐火ちゃんと私の分が作れそうで、狐火ちゃんの分がなかったら、ショックで倒れてかも。それで、どうしたら魔導具化ができるんですか」
「良かったわね。二人分出来そうで。それで魔導具化は、今のままじゃ出来ないわ。材料が足りないし、多分、スキルも足りてないんじゃないかな。なので、スキル向上と材料集めかな、まずは」
まぁ、やっぱりそうだよね。スキルレベルが1じゃ、簡単なものしかできないだろうからね。まずは、材料集めからしましょうかね。