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0218. 閑話・【甲斐の孤児】待遇の良さに震えが来る

定期的に長く投稿しようと思いますので、ブックマークと☆、「いいね」で評価をしてくれたり、ゆるめの感想とご意見もらえると、嬉しいです!!

ーー翌日

 昨日の夜、寝る時に気づいたが、小屋にすきま風は無かったな。薪もあって、暖を取るのに苦労も、しなかったから、すぐに寝ちまったし、気づいたら、朝で夜に寒さや空腹で起きることもなかった。こんなの生まれて始めてだ。何度も思ってることだが、ここは極楽でおらはもう死んでおるのか。夢の中でないのか。おら達はどうしちまったんだろう。村での生活との違いがありすぎて、ようわからない。


 そんなことを思いながら、部屋で暖を取ってると、商人が来て、何人か大きいやつを連れて行ってしまった。何かされるんじゃなかろうと、家の扉のところから、出て行った先を覗いていると、鍋やらを持って帰ってきた。何か汁物や飯が入っているようだ。落とさねぇように気をつけながら、こちらに持ってきている。

 なんだ、飯ならば昨日も食べたぞ。確かに1日2回食べる日もあったが、そういう日は、朝、食べて、移動が長くて疲れているだろうからと次の村で、特別に飯を出してもらったぐらいで、飯の量が少なかったりしていた。

 昨日のような量を食べた日は1食しか食べてなかったぞ。どうなってんだ。

 そうこうしているうちに、鍋に入った汁物とご飯が用意された。ご飯も稗や粟だけでなく、米も混じっている感じだ。昨日の飯には米は入ってなかったぞ。米なんて、村では見たことはあるが、食べたことなんて記憶にねぇ。

 米は高く売れるから、売ってそれで稗や粟をたくさん買って食べてたからな。どんな味がするのか楽しみだが、本当にいいのか。間違っておら達のところに持ってきてしまったって事はねぇのだろうか。何か言われる前に、さっさと食っちまうことにしよう。食べちまえば、返す事もできねぇしな。怒られはするだろうが、米を食えんよりはましだろう。


 結局、米の入ったご飯を食べても怒られなかった。あの飯は本当におら達に用意してくれたものだったらしい。なんか、この村に来て驚きすぎて疲れちまった。こんな飯を出すなんて、おら達はここでどんなことをさせられるのか、不安でしょうがねぇ。


 飯を食べて、何かしねぇといけねぇのかと、商人を探して周りを見ていると、商人が戻ってきて、この後の話をされた。

 商人からは少し休憩したら、みんな揃って、村の奥にある社に向かって、おら達のご主人様になる方にご挨拶に行くらしい。なんで社に挨拶に行くのか、不思議に思っていたら、ここの宮司様がおら達のご主人様になるのだと、説明された。ただ実際は、宮司様のその上にさらに別の方がいるらしく、そのお方が本当のご主人様なのだが、商人もまだ会ったことが無いらしい。なので、宮司様に挨拶をしておくのだと。宮司様より偉い方って、なんだろう。社の一番偉いのは、宮司様だと思うのだが、この村では違うのか。

 まぁ、商人が会わねぇのだから、おら達も会うことはねぇだろうから、その宮司様に怒られねぇようにしないとな。もうお父ぅ達も居ねぇんだし、みきを守らねぇといけねぇしな。


 

 社に着いてから、しばらくしたら、宮司様が部屋に入ってこられた。宮司様からは、この村での生活についてや何をするのかを聞かされた。なんか想像していたのとは違い、大半の奴隷はこの村で普通の農民のように田んぼや畑の仕事するらしい。他にも、職人さんが今後来るかもしれないので、その働き場の準備や職人見習いとして、雑務をすることになるらしい。なんか、もっとひでぇことをされるのかとこわごわしていたが、村に居たときの兄達がやっていたことと変わりねぇみたいで、安心した。でも、あまりにも奴隷の待遇が良すぎねぇか。なんかあとで、悪いことでもさせられるのでは無いかと考えると震えが来る。

 それとおら達のように他の奴隷の中でも、まだまだ小さい方の者たちについては、何も話がなかった。まぁ、田んぼや畑仕事の手伝いをすることになるんだろうなと勝手に思っておく。


 とりあえず、宮司様に怒られず、無事に小屋に戻ってこれてよかっただ。ほっと安心した。商人の話では、明日から、誰がどこの田んぼや畑で働くか決めていくらしいので、今日はもうおしまいのようだ。

 まだお天道様が沈んでないのに、やることがねぇって、本当にこんなのんびりしてていいのか、びっくりする。村にいたときとはおおちげぇで。やはり待遇の良さに震えが来るわ。


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