0215. 閑話・【たき】 下 姫御子様の自由奔放記①
定期的に長く投稿しようと思いますので、ブックマークと☆、「いいね」で評価をしてくれたり、ゆるめの感想とご意見もらえると、嬉しいです!!
最近、1話が長くなってきたので、今日の話は少し短めに書いてみました。
ーーーー日記②
琴様が寝返りを打てるようになってから、少し経ったある日の事、いつものように御使い様と何やら遊んでおられるようでしたが、急に何かに気づかれたように動きが止まりました。
何かお怪我をされたのかと思い、そばに寄り様子を伺うと、何やらにやにやとされておりました。私が知っている赤子が笑っている顔とは違い、何か悪だくみをしている男の子どもがするような感じでありました。
その顔を見て、私はすぐに、あぁ、これは何かとんでもないことをやらかすのではないかと、ゾクッと体が震えたのを覚えています。
琴様は、私に抱っこされたのがお気に召さなかったようで、体を動かし暴れたので、素直に布団の上に寝かせましたが、すぐに寝返りを打ち、部屋の外の廊下に向かい、体を動かしていました。
その日は、廊下に向かって腕や体を動かすことだけで終わりましたので、ほっとした気持ちでした。何も起こらずよかったと。
ーー
先日のことがあってから、できる限り琴様の動きから目を離さないようにしておりますが、今のところ、大きな騒動や問題になるようなことにはなっていないです。
ただ、時々、琴様の周りに陽炎のようなものが起きていることがあり、何やら、私には想像できない力が関わっているという気持ちが日々強くなってきています。
このままで本当に大丈夫なのかと、何かあった際に、私が琴様をお守りできるかという不安が拭えないようになり、日々の緊張が強くなり、なかなか疲れが取れなくなってきてしまいました。このままでは、琴様が大きくなる前に、私が体調を崩してしまうのではないかと、そういう不安が大きくなってきたのです。
琴様がお昼寝等寝ている時にいろいろと細々した事を済ませようと思っているのですが、一緒に寝てしまう事も増えてしまい、御方様から琴様のお世話係から外されてしまわないか不安も募ります。娘のまつも琴様のお世話をしているので、まだ大きな問題にはなっていないですが、琴様が大きくなる前にどうにかしないといけないと思い詰めているのが今の状況です。どうしたらよいのか、日々の悩みが尽きません。
そんなうっ屈とした日々を過ごしながら、琴様は前にも増して、体を動かす事が多く大きくなってきました。
早くどうにかしないと動き回られたら、私とまつの二人ではどうにも出来なくなるかもしれません。いや、確実にそうなるでしょう。でも、琴様は、すでに私達の言葉を理解されている可能性もありますし、ここは子ども、いや、まつに話すのと同じようにお話をしたら、ご理解していただけるのではないでしょうか。とはいえ、お伝えして、どうなるのかわかりませんので、御方様にご相談申し上げてからにしたほうがよいでしょうね。
ーー
翌日、私は早速御方様に琴様の事をご相談致しました。
御方様は、すぐに私との時間を作ってくださいまして、私の話を聞いてくださいました。琴様との生活でだいぶ緊張していること、このままではまつとお世話をしていても体調を崩すかもしれないこと、琴様は御使い様と何やら話ができているので私の状況を認識伝えたら何か変わるのではないかということ。とりあえず、今、私が胸のうちに抱えている事をすべてお話させていただきました。しっかりとまとめていなかったので、分かりづらいところが多かったかもしれませんが。
お話をした後、御方様から謝りと労いの言葉がありました。『そこまで思い詰める事に、こんな短い時間でなるとは思ってもいなかった、無理をせず、相談してくれてありがとう』と。まさか、御方様からそう言われると想像もしていなかったので、その場で泣き崩れそうになってしまったのは、しょうがないと思います。
そして、『琴様は神々から加護をもらっているので、すでに言葉を理解されていると思うから、きちんと話をすれば、私に対しても負担にならないようにしてくれるのではないか』と、さらに『御使い様は見えないが、琴様の守護として神々が琴様に遣わしているのだから、変に緊張や警戒をする必要はない、近所の野良猫や野良犬とは言わないが、一緒に琴を守る仲間だと思えばいい。変に肩肘を張って、自分ですべてをやろうと思わなくていいのよ。何かあれば、自分達を頼って』と。
私も琴様は少しは言葉を理解されているなと感じてはいましたが、気のせいだと思っておりました。しかし、御方様もそのように感じられているということは、言葉理解されているのは間違いないかもしれません。あとでまつにも確認しておきましょう。
それと御使い様のことは、目からうろこでした。目に見えないので、何か琴様に悪い影響があったら、どうしようと悪い方へ考えておりましたが、御使い様は神々が琴様を守護するために遣わされた方、琴様に何かするはずが無いのは、よく考えればわかることでした。私自身、御方様からこの役目を任されたので、気負っていたのかもしれません。すっと心が楽になった気がしました。
相談したおかげで翌日から、琴様のやられることを温かく見守る事ができましたし、琴様にも、一応、お願いはしたので、その日以降、疲れが取れなくなることは徐々に減ってきたのでした。
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さて、だいぶ夜も更けてきたので、今日のところは私の琴様に対する日記の見直し・読み直しは終わりにして、そろそろ寝る支度をしましょう。また、読み直して思い出に浸ることにしますが、次は、どこの日記を読むか今から楽しみです。そして、琴音様の成長をずっと横から見守れるなんて。日記に書くことが無くなりませんね。