0208. 閑話・【鞍馬天狗】 上 三つ目の台本の読み合わせ
定期的に長く投稿しようと思いますので、ブックマークと☆、「いいね」で評価をしてくれたり、ゆるめの感想とご意見もらえると、嬉しいです!!
ーー幻獣説明編 台本:作 葵、演出 卑弥呼
鞍馬天狗:「姫御子よ、剣術や戦国時代の風習や礼儀も大切だが、まずはそなたには、幻獣の種類や特徴や歴史をしっかりと教えておこうと思うておるのだ。そなたは幻獣のことをどこまで知っているのだ」
姫御子:「はい、幻獣については、詳しくは知りません。前の世界で軽く話を聞いた程度です」
鞍馬天狗:「そうか、よし、分かった。まず幻獣とは、人間の目には見えないが、特別な力を持つ動物や植物、それに器物に宿っている精霊等のことだ。例えば、そなたも知っているであろうが、龍や鳳凰は幻獣の代表的な存在であるぞ。彼らは水や火などの自然現象を司っているぞ」
姫御子:「そうなのですね、様々な自然現象には幻獣が司っているのですね」
鞍馬天狗:「そうだ。その認識でよい。ではまずは四神から教えよう。四神とは、東西南北の四方を守る神獣達のことで、それぞれが一方向の守護をしておる。
まずは四神の一人で、東方を守っておる青龍からだな。青龍は字の如く龍である。龍とは、長い体と鱗と角と爪を持ち、空を飛んだり水に潜ったりすることができる者たちのことだが、一部は飛べなかったり、泳げなかったりもする。そのあたりの細かいところは、また今度、話しをしてやろう。
で、龍は、古代中国から古代日本に伝わった伝説の生物とされて、雨や雷や洪水などを起こしたり止めたりすることができると人間達には信じられている。人間の神話などによく登場しておるが、ほとんどの場合、事象としては史実、事実であるが、別のものとの見間違えのことが多いぞ。見れる人間はほとんどおらぬのでな。ごく一部、英霊などになれる素質を持った人間が見る事ができたのじゃ。古代日本で言うと、卑弥呼殿じゃな」
卑弥呼殿、なんでこんなところで自分の凄さを宣言するのじゃ、幻獣の話なのだから、卑弥呼殿のことは不要ではないか。まぁ、卑弥呼殿らしいといえばらしいが。
姫御子:「なるほど、青龍は東方を守り、空と水の自然現象を支配する幻獣なのですね。すごくかっこいいです」
鞍馬天狗:「そうだ。では次に朱雀についてだ。朱雀は、青龍と同じく、四神の一人で、南方を守る鳳凰で、鷹や孔雀などの鳥に似ており、美しい羽毛と尾を持つ神獣じゃ。
朱雀はこれも青龍と同じく古代中国から古代日本に伝わった伝説の生物とされておる。火に包まれて死んだ後に蘇ったり、千年に一度だけ姿を現したりすることができると信じられているぞ。鳳凰も神話等に登場しておるが、青龍と同じく見間違えがほとんどじゃな。」
姫御子:「なるほど、朱雀は南方を守り、火と再生を象徴する幻獣なのですね。甦れるなんて、すごいですね」
鞍馬天狗:「そうだ。さて、残りの四神の話をする前に、龍と鳳凰と人間の関係についての余談を話をすることにしよう。
まず龍は人間の王や英雄と結びつけられることが多いのだ。中国では皇帝は天子と呼ばれ、龍の末裔だとされていた。日本でも源氏や平家などの武家は自分たちの祖先が龍であると主張していたし、儂の弟子である牛若丸(後の源義経)は、鞍馬山から下山したあとに竜宮城に行き、龍神から宝物を授かったと伝え聞いておる。
また鳳凰は人間の美や善や平和と結びつけられることが多いぞ。中国では鳳凰は女性の象徴であり、皇后は鳳妃と呼ばれておった。日本では鳳凰は仏教の象徴であり、法隆寺の金堂には鳳凰が飾られている。また、鳳凰は吉兆の現れであり、鳳凰が現れるときは天下泰平だとされて、京の都で崇められていたのだ」
姫御子:「ほへぇ~、龍は人間の権威や力を表す幻獣で、鳳凰は人間の美徳や幸福を表す幻獣と思われていたんですね」
鞍馬天狗:「それでは続きを話すとしよう。青龍と朱雀以外の四神は、白虎と玄武になる。白虎と玄武は、西方と北方を守る霊獣であり、秋と冬の季節を司っている。先ほど、言い忘れたが、青龍と朱雀は春と夏の季節を司っているぞ」
姫御子:「はい、白虎と玄武についても教えてください」