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0199. 閑話・【将門公】新たな役目の始まり

定期的に長く投稿しようと思いますので、ブックマークと☆、「いいね」で評価をしてくれたり、ゆるめの感想とご意見もらえると、嬉しいです!!

「確かにそうやもしれぬ。顕現できぬなら、顕現してもらうとな。ふっ、はっはっはぁ~〜、そのようなことも気づかぬとは。吾も視野が狭かったの」


「まぁ、そんなもんじゃない。それはそうと、彼女は、易占術や厄祓術のスキルなども使えるようになるはずだから、鞍馬天狗さんも将門さんもスキルを少しづつどう教えてるか、考えておいてね」


「そうだったな。先の話だと、吾らがスキルを教えねば、うまくスキルを扱いこなせないであろうな。とはいえ、吾らを顕現出来ねば、教えることも出来ぬから、そこまで急がなくても良かろうに」


「何言ってるのよ、そんな悠長に待っていたら、彼女が生きてる間に顕現できるかわからないじゃない。だから、最初は***さんに頼んで、言霊だけやり取り出来るようにする感じじゃない。そうやって、スキルをどんどん伸ばして上げていけば、顕現も早くできるようになるでしょうし」


「そうだな。確かに卑弥呼殿の言う通りやもしれぬな。まずは、言霊で会話できるようにその女性をうまく誘導せねばならぬか」


「まぁ、最初のうちは、わざと聞き取りづらくして、頑張らせるためのやる気を持たせないとだよ。あと、将門さんのあんな変な修行のようなことはさせちゃだめだよ。あれは、変人がするような修行だからね。女性にさせるもんじゃないよ。まぁ、言葉だけだとできないかも知れないけど」


「なっ、なっ、………なんと。吾の修行はそのように見られていたのか………」


「そうよ、みんな大概、私と同じ認識でいるんじゃない。だから、あまり将門さんのそばに来なかったり、話しかけられなかったでしょ」


「たしかにそうかもしれぬ。吾のそばにはめったに人は来なったかが、それは単に吾の修行の場所が来にくい場所にあるためだと思っておったのだが、違っておったのだな………」


「……まぁ、……ちょうどいい機会だったんじゃない…………。いつかは知ることになったんだろうし……」

 卑弥呼殿は目をそらしながら、吾のことを慰めようとしている。たぶんな。まぁ、確かに驚きはしたが、吾も誰も来ないから、薄々は避けられているのではないかと感じておったのだ。まぁ、はっきりとこう言われると気分が滅入るが。


「まぁ、よい。その女性に仮に何かを教えることがあったら、吾が行っているようなことはさせぬ。鞍馬天狗殿が小天狗達に教えているような形で進めるようにするでよかろう。まぁ、まだいつから教えるかもわからぬので、修行の傍らで考えておくとする」

 鞍馬天狗殿は、一族や従えている小天狗の数が多いので、教えるのが非常にうまい。吾もここに来た当初はたまに鞍馬天狗殿の教えを横で聞いておったが、参考になることも多かったので、助かった記憶がある。


「そうね。この中だと鞍馬天狗さんが一番いいんじゃないかな。まぁ、私が教えるのは最後の方だから、だいぶ楽だとは思うし、そんな難しいことを教えないから、そこまで私は気にしないけどね」



ーー数年後

 前に✕✕様から聞いた女性は、卑弥呼殿達が無事に役割を果たして、必要なスキルを取らせて、どうやら別世界に生まれ変わったらしい。吾には難し過ぎて、理解できておらぬが、似たような世界がいくつもあり、ここに住まう神々がそれを管理しているらしい。

 前に吾の別人もいると聞かされたが、理解が出来ぬので、話を途中で遮って終わらせてしまった。別人の吾は、この神々の政界には来れなかったようで、会うことは叶わなかったのだ。


 卑弥呼殿が女性を別世界に送ってから数年経つ、そろそろ吾が教える時期になのではないかと最近、気になりだしている。確か送った女性の名は『琴』と言うらしいが、親と離れて姫御子になった際に『琴音』という名に変えたらしい。卑弥呼殿から名前を間違えぬように何度も言われたので、しっかりと覚えてしまった。吾は女性の名前を間違えるほど、野暮ではないのだが、卑弥呼殿はそのようには思っておらぬようだ。


 そんなことを考えていると、向こうから卑弥呼殿がやってきた。ここに来るもの数か月振りになる。また、珍しいこともある。たぶん、今考えていた琴音殿のことだろう。そろそろの時期だと思っておったが、ちょうどだったか。


「将門さん、久しぶりっ。おっ、その顔、相変わらずの辛気臭さがあるけど、何かドヤった顔してるね。まさか、私が来るのが分かってた?」


「卑弥呼殿が来るかまでは、考えておらなんだが、ちょうど今、そろそろ✕✕様の話の女性、琴音殿の件で、吾が教える頃かとは想像しておったのだ」


「そうなんだ。ビンゴだったね。その琴音ちゃんのことで、今日は久しぶりに将門さんのところに用事があってきたんだよ」


「ほぅ、それはそれは良い時であったな。して、卑弥呼殿の話とは何ぞや」


「用はね。ほらっ、みんなで琴音ちゃんのこと、順番で定期的に観察して日記付けてるじゃない。それを見ていたら、易占術のスキル練習を始めていてね。まだまだなんだけど、このままだとずっと出来ないから、たぶん、将門さんの顕現を試すんじゃないかって話になったから。

そろそろここからこっちに戻ってきてもらった方が良いかなって」


「そうか。やっとそろそろの出番か。てっきり鞍馬天狗殿の厄祓術の方が先になるかと思っておったが、吾の易占術を先にしたのか。よいよい、なかなかの人物ではないか」


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