0193. モフシマ作戦十 下序 実体験って大切だよね
チャレンジで書いた話は今日で終わりです。ちょっと話のつながりが強引だったかなと感じているので、どこかで書き直ししたいと思います。
定期的に長く投稿しようと思いますので、ブックマークと☆、「いいね」で評価をしてくれたり、ゆるめの感想とご意見もらえると、嬉しいです!!
ーー戦国時代体験ゲーム内
AI音声:
『ようこそ、戦国時代体験へ。このゲームは、戦国時代の日本のどこかの村に住む農民としてスタートします。最初に、自分の性別や名前や年齢や家族構成を決めます。ただし、あなたは女性で、琴音という名前、年齢は25歳で夫と子供二人の四人家族で設定されています。
次に、自分の住む村や土地や作物や農機具を選びますが、すでに蝦夷(将来の北海道)の村に住むことになっています。
なお、本ゲームでの蝦夷は、明治の時と同様の開拓使が開発を進めている地域で、新しい技術や知識が導入されています。
あなたには水田10反(約1ヘクタール)と畑5反(約0.5ヘクタール)の土地が開拓使を取りまとめている蝦夷開発組という組織から貸し出しされています。
水田ではコメを栽培し、畑では大豆や小豆やじゃがいもなどを栽培できます。
また、農機具は鍬や鎌、千歯扱きに唐箕などの基本的なものに加えて、開拓使から貸与される鉄製の犂や鉄製の鍬や水車式の脱穀機などの新しいものも使用することができます。
初期設定は以上になりますが、何か確認したいことはございますか』
「何か確認したいことはございますかって、なんですべて決まってるんですかね〜。何も私、アバター設定してないですし、リクエストもあげて無いですけどぉ~。どういうことですかぁ~」
「アバターのリクエストついては、事前にいただいておりました。ですので、ここで何を言われても変更は出来かねます」
「はぁ~、はいはい、わかりましたぁ〜、もうぉ、これでやればいいんでしょ、やればぁ。それじゃぁ、1つ確認させて、このゲームは時間加速されてるのかな」
「はい、このゲームは、現実時間1時間でゲーム内1年になります」
「へっ、1時間で1年って、24時間✕365日で8760倍ってこと⤴。頭への負荷は大丈夫なの、そんな加速して」
「はい、大丈夫でございます。きちんと運営において体感検証を実施しております」
「えっ、それって神々が検証しただけじゃん、普通の人間で検証してないじゃん。私は普通の人間よ。一緒にしないでよ。絶対ダメなやつじゃん」
「いえ、大丈夫でございます。運営を信じてください」
「はぁ~、これは何を言っても変わらないわね。はいはい、わかったわよ。わかりましたぁ。それじゃぁ、始めるでいいですぅ~。始めてください」
「それでは、琴音様、良い農民人生を」
顔を見せない音声だけのAIに送られて、よくわからない運営の作ったゲームを始めることになってしまった。
このゲームは、一年を四季に分けて、それぞれの季節で農作業を行う箱庭ゲームだった。
春には土づくりや種まきや苗植えを行い、夏には除草や追肥や防虫を行い、秋には収穫や脱穀や選別を行い、冬には倉庫づくりや肥料づくりや農機具の修理を行うという農民の生活行動を体験する。
農作業以外にも、家事や子育てや村の行事などにも参加したり、時々、開拓使や商人などが村に訪れて、税金を要求されたり、助成金や物資などを提供されたりしている。
ーー数日後
結局、何日かこのゲームをしている。ゲーム自体はかなりリアリティがあって、戦国時代??の農民として生きることで、農民の暮らしの苦労を実感出来たのが特によかったかな。
農業技術だけでなく、農業社会や文化も学ぶことができたし、自分の土地や作物や農機具を大切に生きて行くことの大変さも理解出来た。また、自分の家族や村人と協力して、村が豊かになることもわかった。
しかし、このゲームは決して楽しいだけではなかった。ゲーム内で様々な困難に直面した。天候や病気や害虫などによって作物が失われたりしたし、うまく作物を育てることができず、何度も失敗した。そのせいもあって、何度も飢えて、最後は泣きながら、死んでしまったんだよね。
ゲームから出てきたあとに確認したら、死因は「疫病」と表示されていた。確かに村中が疫病にかかっていて、私の周りでもどんどん死んでいく中で、最後まで生き残ろうと家族で頑張っていたのだが、最後にとうとう私も病に倒れて、夫と子供たちに看取られながら、眠りについたのだった。
ヘッドセットとグローブとスーツを外して、ゲームを終わりにした。このゲームで貴重な体験ができたので、沙門達とより実感を持って話ができるだろう。前に聞いた沙門達の鞍馬での生活もより実感を持って理解出来たと思う。
さぁ、気合いを入れ直して、千歯扱き等の絵図を描いて、農作業改善を頑張るぞ~、えいえい、おぉ~。