0190. モフシマ作戦十 中序 意見交換会開催
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「ちょっと待たせたね。なんとなくだけど、さっきの四つの問題点は、解消できそうかな。まぁ、この短い時間でぱっと思いついたことだから、本当に出来るのかは、確認が必要だけどね」
問題がなんとなく解消できそうだって言ったら、氏兼達みんな、口をポカンとあけて唖然とした顔になってしまった。いや、アイデアぐらい問題点を聞いたら、いくつか出てくるでしょうよ。実際にできるか別として。
「「「…………。…………」」」
「なに、みんな口をあけてポカンとしてるのよ。しゃきっとしなさい。しゃきっと」
「……あっ、失礼致しました。こんなすぐに解消できそうだと言われるとは想像しておりませんでしたので、あまりの驚きに、つい」
「まぁ、いいわ。本当に出来るのかはわからないから、あまり期待しないでよ」
ちょっと期待しすぎな感じなので、期待値を下げておかねば。
「いえいえ、案があれば、あとはどうにか致しまする。して、どのような案なのでしょうか」
案の内容も聞かずして、どうにかなるなんてあるわけ無いでしょうに。まぁ、それだけ期待しているのはわかるけど。
「そこまで言うなら、ちょっとだけ言うわね。まずは、耐久性や強度が低いことの対策なんだけど、鍬や鋤の刃の部分はもっと錆びにくい金属を増やして、強度と耐久性を上げられないかな。それと柄の棒の芯の部分も金属にして、その周りを木や竹などで作ったらどうかな?木や竹を編んだり縫ったりして袋状にしたものを金属の部分に被せたりできればいいかなと思うけど。まぁ、芯は金属になるから、今までよりも重くなるから、前に渡した鉄や鋼の塊よりも軽い新しい金属を考えないといけないかもだけど」
「木や竹の芯を金属で作るというのは、今までに無い案でございますな。でも、竹ですと耐久性が低くなりませんか?また、竹は曲がったり割れたりしやすいので、土を耕すときに折れたりしないか心配なるかと。それと今の鍬と鋤もそうですが、柄の棒に水や土に触れると腐ったりするので、それをどうにかする必要もあるかと」
「鍬を軽くするには……金属の部分を細くしたり、穴を開けたりするとかでしょうか?」
「そうね。それも一つの方法ね。でも、金属の部分を細くしたり穴を開けたりすると、強度が低下して壊れやすくなったりしないかな?
そうすると、やっぱり金属の部分を別の軽い素材に変えたりするしか無いか。まぁ、一度、鉄と鋼で鍬と鋤を作ってみて、重くて使えないかの確認をするしかないわね。
あとは木や竹を補強する方法はないかな?例えば、さらに重くなっちゃうけど、金属や皮などで木や竹の外側を固定したり、編んだりしたらどうだろう?それなら強度も上がるし」
「そうでございますな。いろいろと出来そうなことがございますな。実際に出来るかどうかは、鍛冶師に話をして試作させてみてからでよいと思いまする」
「そうね。まずは、どこまでの事ができるか、鍛冶師のみんなの意見を聞いてみないとだね。それじゃぁ、沙門、筑馬。話し合いの場を用意してもらえるかな」
「承知しました。それでは、明日の中食後でよろしいでしょうか」
「そうね。それでお願いするわ」
ーー翌日
「それじゃぁ、みんな集まったようだから、始めようか。まずは、どういう形がいいかをみんなの意見を聞きながら考えて、それを絵図におこす感じでいいかな。一応私も御使い様と一緒に本を読んで来たので、話しにはついていけると思うの」
「そうでございますな。琴音様が御使い様と考えられた案をお聞きして、そのうえで鍛冶師をしているこの者達の考えを聞くでよろしいかと」
「そうね、じゃぁ、そうしようか。まず、農機具を改良するときには、どんなことに注意しなければならないかを考えたの。みんなが安全に使えることと効率よく作業できることが必要だと。
具体的には、刃先や切っ先が鋭利すぎると、体を間違えて傷つけてしまうから注意しないといけないし、農機具の重さや全体のバランスも考慮しないとだと思うの。重すぎると使いにくくて疲れやすくなるし、バランスが悪いと操作しにくくて危険かなと」
「あのぉ、バランスとは、どういった意味でございましょうか。何を言いたいか、なんとなくはわかった気がしますが、正しい理解かわからず」
「あぁ~、ごめんね。バランスって言うのは、簡単に言うと物の重心の位置のことよ。重心の位置が悪いとうまく使えなくて、変に力が入ったり、うまく扱えないでしょ。そういうのをバランスが悪いって言うらしいのよ」
「なるほど、そういうことですか。理解致しました」
「理解が早くて助かるわ。それでまだ説明途中だけど、ここまでで何か気になることとかあるかしら」
「いえ、大丈夫でございますがが、この大聖宮の田畑は我らが居た地に比べて、非常に豊かでございますれば、今の現状よりは我らの根幹地での農業のお話を少し先にさせていただいたほうがよろしいかと思いまするが、いかがでしょうか」