0176. モフシマ作戦九 起中 スイーツなのでシェアしたい
「あぁ、ありがとうね。知りたいことは十分わかったよ。そういえば、もう一つ聞きたいんだけど、小豆はあるのかな」
「小豆でございますか。この辺りではほとんど作っておりませぬが、西の方で作っておると聞いたことがございます。光賀殿なら、仕入れて来れると思いまするが、小豆を買い付けてもらいまするか」
「そうなの。それじゃぁ、小豆を仕入れてきてもらおうかな。今回は間に合わないけど、今後、甘味、お菓子を作るのに使えると思うから」
「そうでございますか、あの小豆が甘味に……。承知しました。それでは、光賀殿がこちらに来ましたら、話をしておきまする」
「あの小豆がどの小豆のことを言ってるのか、わからないけど、よろしく頼むね」
これで小豆を手に入れられれば、錬成を使って、またゲノム編集して、美味しい収穫量のあるのを作ろうっと。また一歩、食生活が豊かになりそうな予感だね。
「それで、お疲れ様会だけどね。さっき言った通り、甘味のお菓子か食事かどっちかにしようかと思っているんだけど、どっちがいいかな。
どっちにするにしても御使い様に力添えをお願いして、今までに無い物を作ろうと考えてはいるけど」
「そうでございますな。某はたくさん食べたいので、食事がよいが、みな、甘い物を食べることは無いので、せっかくの機会であれば、少しでも構わないから甘い物を食べさせたいと思うたが、たきはいかがじゃ」
「はい、私も甘い物でよいかと思います。甘い物などめったに食べる機会がございませんので、氏兼殿はともかく、沙門殿や筑馬殿達は、非常に喜ばれるのではないでしょうか」
「たき!、某もめったに甘い物は食べれんから、喜んでおるし、楽しみにしておるぞ。なんて言ったって、御使い様が力添えくださる甘味じゃぞ。殿や御方様にも召し上がっていただきたいくらいじゃ。
おぉ~、そうじゃ。琴音様、殿と御方様もこちらにお呼びしてはいかがでしょうか。今まで一度も稲村に戻っておりませんし、今、戻るのは難しくても、来ていただくことならば、可能ではないかと」
そっかぁ、そうだよなぁ。前世と違って、好きな時に好きなだけ好きなスイーツを食べることはが出来ないんだよね、この時代は。だから、自分達だけで、新しい甘味を食べるのに気が引けるのかな。
こっちに来てから、父上と母上には会ってないからな。もし来れるなら、来てもらって、スイーツを堪能してもらおう。そうしよう。
「そうだね、父上と母上にもお疲れ様会に来てもらおうかな。でも、来てもらえるの?稲村を離れて大丈夫なの?」
「時期によりまするが、二日、三日ならば、大丈夫ではないかと思いまする。それに沙門と筑馬の一族が警戒しておりまするので、上杉方が攻め入って来る前にわかり申すので、ご安心を」
沙門と筑馬の一族なら、周りの動きはしっかりと把握しているから、大丈夫かな。それに二人につけた式神も居るしね。不意打ちをされる心配は無さそうね。
「わかったわ。いつ頃、新しい甘いお菓子が作れるか、わからないけど、できそうになった時に、母上達にこちらに来てもらうように、手紙を出してみるよ」
「よろしくお願い致しまする。手紙は、某の那智に運ばせますか、それとも、琴音様の八咫に運ばせますか。いかが致しまするか。それと先程からお菓子と仰ってますが、お菓子とは水菓子のことでしょうか」
「どっちでもいいと思うけど、二人に式神って、見せたんだっけ。それと水菓子って、果物のことだよね。お菓子は果物じゃなくて、加工して作る甘い食べ物やしょっぱい食べ物のことらしいよ。食事とは別に軽く食べれるもののことらしい。私も御使い様にこの間、聞いたんだよ」
お菓子って、言葉まだみんな使ってないのね。水菓子ならあるのに不思議ね。
「殿には事前に手紙にて報告させていただきました。何度か某の報告を那智に運ばせておりますれば、存じ上げておりまする。お菓子についても承知しました。軽く食べる甘い食べ物やしょっぱい食べ物のことなのですね。陣中食のようなものなのでしょうな」
うぉっ、もう見せていたんだね、氏兼の式神を。それだったら、氏兼の式神でいいんじゃないかな。それと陣中食とお菓子は違うと思うけど、訂正するのもめんどくさいから、また今度でいいかな。
「そうなんだ。それだったら、氏兼が使役している那智で良いよ。八咫は、父上達がこちらに来た時にお見せすることにするから」
「まぁ、父上達への連絡については一旦、横に置いておくとして、光賀が持ち帰ってきた作物で、栽培しているものって、何があるんだっけ、最近、そっちの方は氏兼に全てお任せしちゃっていて、何も聞いてなかったなと。もしかしたら、その中に甘いものを作るのに、使える作物があったらいいかな」
「そうでございました。先日、ご報告をするとお伝えして、まだでございました。詳しくはまた後日させていただきたく思いまするが、簡単なご報告は今、させていただいてもよろしいですか」