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0157. モフシマ作戦七 急後 二人の偉人伝を作ろう

定期的に長く投稿しようと思いますので、ブックマークと☆、「いいね」で評価をしてくれたり、ゆるめの感想とご意見もらえると、嬉しいです!!

「それじゃぁ、将門公の話も後で聞かせてよ。話は筑馬がしてくれるのかな」


「いえ、某より一族の中に話を伝えていく役目の者がおりますので、その者から話を聞いてもらったほうが早いかと思いまする」


「筑馬の一族にそんな人がいるのね。沙門のところもそうだけど、口伝で伝えるのは大変じゃない。紙も潤沢にあるとは言わないけど、それなりに使っても良いぐらいはあるんだし、私が聞くときに本に纏めてみない?私も本に纏まっていると、後日、確認したいときに、わざわざ、沙門や筑馬の一族の人に聞かなくても済むし、そうしようよ」


「口伝を紙に纏めるのでございますか。確かに琴音様のおっしゃるとおりではございますが、貴重な紙を我らの口伝のために使用しても良いのでございましょうか。一族の者であれば、呼べばいつでもこちらに来て、話をさせていただきますが」

「沙門殿の言う通りでございます、貴重な紙を使わずとよろしいかと思いまする」


「沙門、筑馬。それじゃぁ、意味が無いのよ。口伝で今まで伝えてきたことは、素晴らしいわよ。でも、その口伝は一言一句、間違わずに伝わってきたのかしら。ちょっとした表現や言葉が少しづつ変わって来ているのではないかな。

 紙に残すということは、誰でも同じものを確認出来るってことよ。今後も長きに渡って一族の子孫に繋いでいかないといけないことなんだから、それが今の貴方たちの役目でしょ。正確に次世代に鞍馬天狗様と将門公のことを伝えるのが」

 ふたりとも、唖然としているわね。私からここまで強く言われるとは思ってなかったようね。毎回、聞くのは良いんだけど、天堂の中でも確認できるようにしたいから、冊子にはしておきたいんだよね。これで納得してくれるといいんだんだけど


「「ありがとうございまする。琴音様にそこまでのお気遣いを我ら一族にしていただいていたとは、しかと、その御心承知しました。我らで紙にしたためて、お持ち致しまする」」

 二人揃って、異口同音というか、一言一句違わず合わせるとは、兄弟か双子かこの二人は。


「そう、わかってくれて、よかったわ。それじゃぁ、話を聞きながら、紙に纏めて、本にしてもらえるかな」


「承知しました。それでは、琴音様にお話させていただくときに同席して、紙に纏めまする」


「それじゃぁ、いつにしようかね。二人の一族の人から話を聞くの。相手の人の都合もあるしね。調整をお願いね」


「かの者らの都合は問題ございませぬ。琴音様へのお話が最優先でございますので、琴音様がお聞きになりたいときで構いませぬ」

 なんだよ、そのワンマンな社長の俺様主義な考え方。そんなんでいいのか。確かに戦国時代は当主の力が強く、当主中心に行動していたと思うけど、ここまで下の予定を無視しちゃってよいのかな。


「えぇ~、そうなの」


「大丈夫でございます。お気になさらず」


「はぁ~、そういうなら、それでいいけど、一族の人に無理はさせないでよ。で、話を聞けるなら、明日、天堂から戻ってきたあと、中食後のお茶休憩しながらのときはどうかな」


「かしこまりました、無理はさせておりませぬでご安心下さいませ。それでは中食後の休憩のときにこちらに来るように申し伝えておきまする。場所は、外宮の広間でよろしいですか」

 パワハラとかしている人は、自覚が無い人が多いと聞いたことがあるから、沙門達がそうなってないか、ちょくちょく確認が必要だな、これは。


「あぁ~、そうね。場所はさすがに内宮に呼ぶのはまずいから、外宮の広間にしましょうか。それじゃぁ、明日はよろしくね」



ーー翌日の中食後

 「沙門、筑馬。今日はありがとうね。それで話をしてくれる人はもう来ているのかな」


「はっ、来ております。控えの間におりますので、今、こちらに連れてきます」


「そう、よろしくね。ところで、どちらから先に話を聞くかな。鞍馬天狗様の話でも、将門公の話でもどちらが先でも良いんだけど」

 沙門と筑馬、二人が顔を見合わせながら、頷いている。アイコンタクトで、順番決めたな。この表情、沙門の鞍馬天狗様が先かな


「それでは、某の方から話をさせていただければと思いまする」

 あれっ、筑馬が先なんだ。外れちゃったな。でも、あのアイコンタクトの意味は何だったんだろう。解せぬ。

 まぁ、易占術のスキルを先に習得する予定だったから、将門公の話が先でよかったかな。沙門には悪いけど。


「そう、それじゃぁ、筑馬。お願いするわ。将門公の話を教えてちょうだい」


「それでは、某の後ろに控えるこの者から話をさせていただきます。この者は、我が一族の中で、将門公の物語を口伝で伝える家職の当主でございます」

 沙門の後ろにいた人は、白髪の老人だけど、視線の鋭い現役の戦士って感じがする。


「琴音様、お初になります。某、門馬と申します。将門公の生涯を皆に伝える役割を一族の中でになっております」

 おっ、一生の話を聞けるならば、易占術のことを色々と聞けそうだね。これは楽しみだね。


「門馬、今日はわざわざ、ありがとう。今日だけで終わらないと思うけど、よろしくお願いね」


「いえ、こちらこそ、この度は将門公の話を聞いていただく機会をいただきまして、恐悦至極にございまする。琴音様は、将門公のどのような話を聞きたいのでございましょうか」


「そうね。この間、筑馬から少し聞いたんだけど、神社に祈りを捧げると、吉方位やその方角の翌日の天候などがわかるんだってね。その話やそのような普通の人では出来ないようなことについて、話が聞きたいかな。あと、そのような力をどうやって身に着けたのかとかは聞いてみたいけど」


「承知しました。それでは、将門公がどのようなお力をお持ちであったかをお話させていただきまする」

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