0153. モフシマ作戦六 流 稲荷流聖宮陰陽学園開校
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ーー中食後
「みんな、お疲れ様。集まったようね。それと沙門達はご苦労様でした。畿内はどうだった」
「琴音様、京や大和の寺社等で、色々な話を聞いて来ました。忘れぬよう紙に書き記して参りましたので、詳しくは清書した後にご覧いたたければと思いまするが、我らの始祖であられる鞍馬天狗様や女郎蜘蛛、百鬼夜行の話等、我らも知っていた話から我らも知らぬ話まで、多様に聞いて来られたと思いまする」
「そう、成果があったようで、何よりだわ。あとで詳しくは読んで見るけど、分からないところとか気になるところがあったら、聞くからよろしくね。それにしても、無事に帰ってきてくれてよかったわ」
「はっ、承知しました。早々にお渡しできるよう下の者には発破をかけておきます。また、気になるところがございましたら、お声がけお待ちしておりまする」
あとで畿内の妖怪、怪異の話をじっくりと読んで参考にしましょうかね。久しぶりに堂々と読書ができるし、どんな話か知らないことが多いだろうから、楽しみだわ。
読み終わったら、次はどの地方の話を調べに行ってもらおうかな。
「さてと、久しぶりに全員が揃ったので、少し私の陰陽五行の鍛錬状況を話しておくわね。沙門には申し訳ないけど、沙門達が畿内に行ったあと、五行の練習を少しづつ始めたの。早く始めて、うまく行かないところ炙り出しておけば、沙門達が聞いてきた話がより理解出来るんじゃないかと思ってね」
私は、沙門の方に向き頭を下げた。
「琴音様、頭をお上げください。我らに頭を下げる理由はございませぬ。我らの持ち帰ってきた話を早く理解するために必要なことだとおっしゃられたのは、誠にようございまする。持ち帰ってきたかいがあったというものです」
逆に沙門が頭を下げてきたので、お互いが頭を下げた状態になってしまった。
「お二人とも、もうようございます。それで、琴音様、五行の鍛錬は、いかようになってございますか」
「あぁ~、そうね。それで五行の鍛錬だけど、御使い様の力添えをもらって、五行の一部を使えるようになってきたわ。まだ初歩の初歩だけだけどね。
また、御使い様お一人では、五行全てを教えられないようで、別の御使い様にも力添えをもらっているわ。氏兼達は、なんとなく前に、私が義実たちの前で、御使い様のお力を見せた事を知っていると思うけど、その御使い様達だよ。力添えしてもらっているのは」
「なんと、すでに五行の術法の一部を習得されておるのですか。まだ五行の話をされて数ヶ月も経っておられませぬぞ。そのような短期間で一部とはいえ、五行を使えるようになるとは、さすがは琴音様、神の御加護が授かっておられることがありますな」
「そんなに褒められるようなことではないよ。今は、御使い様達に学校のような感じで教えてもらってるって感じだからね。まだまだこれからだよ」
「学校?ですか。その、学校とはどのようなものでしょうか。琴音様の言いようでしたら、何か手習いをしているのと同じような感じでございましょうか」
「あぇっ、学校って、分からないかぁ。氏兼達はこの坂東にある足利学校って、聞いたことがあるかな」
「確か、下野国や上野国あたりに在る学校でございましょうか」
「そうそれ。足利学校って、学校でしょ。先生から学問を教わって、知識を身に着けていくんじゃないの」
「そうでございますな。そのようなことをされていると聞いております」
「でしょ〜。今の私もそんな感じで、御使い様達から陰陽五行の事を教えてもらってるのよ」
「そうすると、琴音様は御使い様とお話ができるのでございましょうか。なんと素晴らしい。今まで、そのようなことができた方を聞いたことがございませぬ」
「いっ、いやぁ、氏兼、たき。教わってはいるけど、会話はまだ出来てないのよ。なんとなく、こんな感じのことを言ってるんじゃないかな。言いたいんじゃないかなって、感じてるだけなのよ」
「そうなのでございますか。とはいえ、御使い様がおっしゃられてることを感じ取れるだけでも、あり得ぬことかと思いまする。して、鍛錬の状況は以上でございましょうか」
「うん、そうね。鍛錬の状況はそうなんだけど、ちょっとね、みんなに相談とういうか、せっかく、学校みたいに御使い様に教えてもらってるからさ、足利学校みたいに名前を付けたいなと思って。まぁ、今のところは、私しか教わってないから、無くてもいいんだけど、あるとヤル気になるというか、気が引き締まりそうだし」
「よろしいのではないでしょうか。しっかりと御使い様からご指導いただいておるのですから、名前があって、悪いことはございませぬ。して、どのような名前になさいましょうか」
「そうなのよ。名前がいいのがないというか思い付かなくてね。そこで、氏兼達に何か案が無いかなと思って、聞いてるのよ」
「そうでございますな。足利学校のように地域の名前を入れるのががよろしいのではないでしょうか」
「私は、習う内容が分かるように、したほうがいいと思います」
「某は、神々からのご加護があってのことでございますので、神の名前をお借りするのが良いと思うまする」
「なるほどね。みんなの意見はそれぞれ、良さ気もするけど、ちょっと足りない気もするなぁ。いっそ、長くなるけど、まとめちゃうってのも良いかもね。氏兼が地域でたきが内容。それに筑馬は神の名前だね。沙門は何か意見はないの」
「某はありませぬ。畿内でのお勤めをさせていただいたことだけで十分でございまする」
畿内でのお勤めって、どこぞの高い塀の中に行ってきましたって、感じになっちゃうじゃない。それでいいのか本当に。
「そうすると、安房、陰陽五行、宇迦之御魂神になるかな」
「琴音様、安房よりは、ここは大聖宮ですので、そちらのほうがよいかと」
おぅっ
「私も陰陽五行よりは、陰陽だけのほうが良いと思います」
うっふぅ
「宇迦之御魂神様は、畏れ多いので、稲荷神様でもあられるので、稲荷を使われるのは、いかがでしょう」
あぅ
「おぅっふっ、私の選択がぁ〜、まぁ、いいけどね。じゃぁ、大聖宮、いや、聖宮と陰陽、稲荷を使って名前を考えるとしますかね」
「聖宮稲荷陰陽学校?稲荷陰陽聖宮学校?陰陽稲荷聖宮学校?う~ん、何か合わないなぁ」
「それでは、武芸のように流派にしてみたらいかがですか」
「流派?聖宮流?陰陽流?稲荷流?……稲荷流ねぇ。おぉ~、稲荷流っていいじゃない。神々の教えに則ってやってる感じが出て。じゃぁ、習ってるあ内容を学校の前に付けて、陰陽学校?陰陽学園?陰陽学院?かな。学園って何か良いな。陰陽学園。稲荷流陰陽学園。おぉ~、いいじゃない」
「私は、良いと思います。稲荷流陰陽学園。素晴らしい名前だと思います。」
「某も依存はございませぬ。案を採用してもらいありがとうございまする」
「あれっ、氏兼はどう?」
「良いと思いまするが、某の聖宮の案だけ入っておらぬので、少し残念でございます」
「あっ、いっ、いやぁ、外したわけじゃないのよ。考えていたら、そのままの勢いで、進んじゃっただけでさ。聖宮は必要よ。場所は真ん中ね。稲荷流聖宮陰陽学園。いいじゃない」
「いいのでございますか。稲荷流陰陽学園でなく、稲荷流聖宮陰陽学園で」
「いいの、いいの。名前は、さっき話した通り、私がヤル気になるために付けたいだけなんだから。ねっ、たき、筑馬」
「そうでございます。稲荷流聖宮陰陽学園、素晴らしい名前です。みんなの案が入っていて、そこで琴音様が学ばれるなんて、お支えする立場としてこれ以上のことはございません」
「琴音様、ありがとうございまする。某、少し拗ねてしまって恥ずかしいでござる。今後ともよろしくお願い致します」
「それじゃぁ、今日から私が御使い様と鍛錬する場所は、稲荷流聖宮陰陽学園ってことで、よろしくね」
「それじゃぁ、いつものいくよ。えいえい、おぉ~」
「「「「えいえい、おぉ~」」」」
「学園、開校します」