0143. モフシマ作戦五 中序 最初はいつもと同じ結果
ーー10分後
とりあえず、こんな感じで良いかな。人形は3種類の大きさで下絵を描いたし、紋様を描く方も、3種類の大きさで下書き見本を作ってみたので、最初としてはこれで十分じゃないだろうか。あとは、用意しておいた和紙で作っていくだけね。
では、墨を磨る準備や水の用意をしよう。磨るための水も本によると、何種類かあるらしいので、たきと氏兼にお願いして、多くはないが準備してもらったのだ。まだ水の違いはわからないが、変なところで躓きたくはないからね。
さぁ、準備完了したので早速、人形から作っていこう。
和鋏って意外に使うのが大変なんだね。切るために握っていくのだが、結構な力が必要で、まだ小さい体の私の手では握力がどんどんなくなっていく。身体強化をしたいけど、部分的な身体強化がまだできないし、強化すると力加減ができそうにないのよね。まぁ、地道に時間はかかるが、休憩しながら丁寧に切っていくしかないかな。
ふぅ~、少しいびつになった部分もあるけど、最初にしては、きれいに切れたんじゃないの。札の方もちゃんと切れたし、準備段階としては、問題ないだろう。
じゃぁ、ついに始めましょうかね、いやぁ~、何かワクワクするね。まずは人形で試そう。
最初は、カラスでいいかな。術法は、何を言っているのかよくは分からなかったけど、急急如律令という言葉が本に載っていたので、一応、これで試してみようと思う。護符とかに使うみたいだけど、まぁ、似たようなものだし、いいだろう。
それじゃ、いつも通りの感じで魔素を和紙に通しつつ、カラスになる姿ををイメージして、呪法は『急急如律令』でいいかな?まぁ、一旦、『急急如律令』でやってみるかな。
『急急如律令』。
う~ん、やはり上手くいかなったなぁ。少しでも、カラスに変形とかしてくれたら、合っているかもって思えたけど、うんともすんとも言わず、光さえもなかったから、完全に失敗したと思う。
どこが悪かったかの手がかりが無い状態なので、どうしましょうかねぇ~。とりあえず、錬成で作った和紙でも、同じように試してみますかね。
同じように、魔素を和紙に通して、『急急如律令』っと。
やっぱり同じ結果かぁ~。違いがなかったな。これはかなり厳しい状況だね。次に何すればよいか、何も浮かばないので、一旦、人形は今日は諦めて、札の方を試してみますかね。じゃぁ、墨を2種類の水で磨りますかね。
さてと、魔素を筆と墨に通しながら、描きましょう。
結構、細かいから集中して描かないと、文字や紋様がかすれたり、ぶれたりしそう。
ふぅ~、1番小さい札で1枚書くのに5分以上かかるなんて、想定以上だな。かなり修行している感じがするが、それはしょうがないか。
それにしても、全く反応がないから、これも失敗なのか、最後に魔素を注入したほうが良いのか。
でも、描いただけでは失敗するのかの確認をしてないから、このまま試してみよう。
じゃぁ、ゴーレムのコアにするとして、ゴーレムの体をどれで試すのがいいのかだね。今日は何も持ってきて無いから、明日以降で人形を作ってみるかな。
今日は部屋にあるぬいぐるみでやってみようと思うが、どのぬいぐるみにするかな。モフモフなのがいいけど、もし動いたときに外にだすとなると、みんなが驚かないのがいいよね、最初は。なんかあったかな、そういうぬいぐるみ。クマとか某テーマパークのキャラクターとかはあるんだけどね。
他になにかあったけなぁ~。あぁ~、小さいぬいぐるみだけど、豆柴のぬいぐるみがあったよ。これでちょっと試してみよう。ただ、描いた札だと大きいので、半分ぐらいのサイズに描き直してみるかな。
ようやく、札を描き直したので、ぬいぐるみがゴーレムにできるかの実験するかな。
この札を貼る場所はどこでもいいのだろうか。まぁ、考えられるところを順番に貼って試してみますかね。全部の場所で失敗したら、失敗ってことにすればいいかな。
それじゃ、まずは額のところに貼って試してみようっと。
『急急如律令』っと。
う~ん、ここじゃないのかな。じゃぁ、背中で 『急急如律令』っと。ここも違うのか。
ーー5分後
結局、全ての場所で上手くいかなったなぁ。これは札が悪いのか、術法の言葉が間違っているのか、どっちかだとは思うけど、どっちなのかがわからないなぁ。
もう一度本を読み直すしかないかな。あとはアニメや映画の式神を使うシーンを見直してみて、どんな言葉を言っているか、書き出しをしてみるとか、色々とやってみるしかないかぁ~。