0139. モフシマ作戦四 下後 錬成で肥料工場始めました
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結局、狐火ちゃん達との遊びに夢中になりすぎて、二刻近く経ってしまった。急いで戻らないと、心配しちゃってると思うわ。
「氏兼、たき。お疲れ様。色々と御使い様とやっていたら、結構時間がかかってしまって、ごめんね。
でも、今日も昨日と同じように良い結果になったよ。戻ったら、また話すのでいつも通りオガ炭をお願いね。
あと今日は昨日と違って、鉄や鋼は無いよ。代わりに肥料と綿花の種子を20袋あるから。荷車に乗せるのもよろしく頼むよ」
「琴音様、無事にお戻りになられて、お疲れ様でございまする。荷物の件、承知しました。オガ炭は内宮と外宮に運んでおきまする。綿花と肥料については、いかが致しましょうか。奥之院の広間でよろしいですか」
「うん、そうだね。見せながら話をしたいから、肥料と綿花は、奥之院に運んでもらえるかな」
今日は何も心配されてないようね。何か肩透かしを食らった感じがするが、だいぶ信用されてきたのかな、どうしちゃったんだろう。まぁ、いいわ、いつも通り荷物を荷車に乗せて、奥之院に戻りましょうかね。
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「みんな、改めてお疲れ様。天堂の前でも伝えたけど、今日も良い結果を持って帰ってきたよ。話をするのは、こっちに持ってきてもらった綿花と肥料の二つのことだね。
まず、綿花の方だけど、簡単に言うと、米などと同じように収穫量が増えたり、病気などに負けないモノを作ってもらったから、私の畑で育てようと思う。氏兼、前に決めた割り振りから少し大きくなるけど、大丈夫かな」
「大丈夫でございます。先日もお伝えした通り、このようなことになっても良いように、琴音様の畑は二町分の大きさにしておりますので、あと半町分はありますので」
氏兼が優秀になっている。だいぶ無茶ぶりをしたりしていたからな、こんな感じで先を読んでいるとは、やりおるな。
「そういえば、そう言ってたわね。ありがとうね。それじゃ、遠慮なく用意してもらった半町分も使わせてもらうわね。それと肥料の方だけど、まずは今日用意してもらった私の畑の土の様子を調べてもらえたよ。それでその土の結果だけど、
『水があまり保てなくて、水はけは良く、土の中の空気が少し通りやすい土』らしいよ。だから、乾燥しやすいんだと思う。あと、『腐葉土などの堆肥を混ぜ込んで土壌改良が必要で、柑橘類や茶には合うが、稲や甘藷には適さない』ようだってさ。
ここまで詳しく調べてもらえることができるようなので、明日からは、みんなの田畑を調べてもらおうと思う。氏兼、悪いんだけど、いっぺんにはできないから、10から20ぐらいを持ってきてもらえるかな。明日の分も今からで大丈夫かな。難しそうなら、出来るだけでもいいし、何なら明後日からにしてもいいよ。
それと田畑に蒔く肥料だけど、今日は4種類を用意してもらったよ。明日以降のみんなの土を調べることでもっと数が増えるかもだけど。
まず、この大きな袋に入っているのは、堆肥ね。畑の土壌を改良するための基本となるものね。これを畑に蒔いて土とよく混ぜ込めば土の状態が改善されるわ。
それでこっちの少し小さめな袋の方は、それぞれ別の肥料が入っているわ。畑の状態に応じて、この3種類の粒の組み合わせの量が変わるみたい。今日は混ぜずにそのままもらってきましたが、こっちも混ぜられた粒をそのまま畑に蒔いて混ぜ込めば良いみたい」
インゴットのときと同じように氏兼達がびっくりしちゃってる。
「いっ、いや、なんと素晴らしい結果にございまする。綿花の種子も驚きましたが、畑の土の様子がそのように詳しくわかるとは、さすが御使い様にございまする。また、土を改善するための堆肥と肥料も作っていただけるとは、これで実りが少なかったら、其の者の努力が足らぬのでしょうな。それと、皆の畑の土も準備ですが、明日で問題ございませぬ。すでに昨日から土の準備をするように町の者達に指示しておりますゆえ、順次外宮の広場に持ってくる手配になっておりまする」
おぉ~、何か手際がいいわね。何かこんなにスムーズに行くなんて、いつぶりかしら。働いてからはない気がするわ。
「まぁ、氏兼。その時々の状況もあるから一概に畑の世話をしている者の努力足らないことにはならないと思うよ。もっと寛大にね。
あと一つ相談があるんだけど、この土の様子を調べて、土壌改良するのは、今年の収穫量を増やすためにも優先する必要があると思うの。
だから、まだ寒い日があるけど、在庫もそれなりのあるからオガ炭作りを少し減らして、土の様子調べと堆肥、肥料作りをしたいのだけど、どうかな」
「えぇ、よろしいかと思いまする。オガ炭と竹炭は、すでに今年の春になるまでの十分な量はございます。そうすると、魚肥や下肥のもとになるモノと落ち葉や草木灰などを集めればよろしいでしょうか」
「そうね。この門前町や平砂浦近辺の漁だけでは足りないかもしれないから、近隣からも集めてもらわないといけないと思うけど、大丈夫かな」
「確かにおっしゃられる通りかと、近隣などは殿と御方様に頼むのがよろしいかと。魚肥などは、水軍の奴ら頼んで三浦や大島、下田等から買い付けをすればよいと思いまする、こちらも殿にお頼み申すのがよいかと」
「氏兼の言う通りだね。義実と真里に頼んでみるよ」
その後、義実と真里に手紙を書き、助力をお願いした。二人は最後の日に言ってたとおり、惜しみない助力をしてくれたので、春の田植えなどの時期までには、一通り堆肥と肥料を配布することが出来た。いやぁ~、よかったよ。まぁ、土調べは結局、200数十ぐらいしたので、初めのうちはドタバタしてしまったのが、いい思い出だ。